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[ エッセイのようなモノ ]
一同、霊!

1999.06.16

 ある雑誌の星占いを見たら、今週うお座は霊感が強くなって、霊をみる可能性が高くなるのだそうだ。こんなことが書いてある星占いというのも珍しい。こんなことを話題にするぐらいだから、もちろんわたしはうお座なわけなのだが、たしかかに座と水瓶座が、相性がいいはずである。心当たりのある女性は、ご一報いただきたい(笑)  
 いや、そういうはなしじゃないな。  
 ちなみに、血液型はB型である。  
 って、そうじゃない。  
 占いを信じるか信じないか、という問題に関しては、また別の機会にゆずるとして、霊である。霊の存在を信じるか信じないか、という問題もあるが、ここではとりあえず棚上げして、単に「幽霊を見たことがある」というはなしだけを取り上げる。  
 念のために書いておくが、ここから先に、特に恐いはなしは出てこないから、恐いはなしは苦手だ、という人も、気にせずに読んで大丈夫だと思う。問題は、わたしを信用するかどうかということだが(笑)  
 その手の体験をよくする人と、めったにしない人がいる。わたしは、過去に一度だけ不思議な体験をしたことがあるが、それが「幽霊を見た」ということになるのかどうか、定かではない。そういった意味では、たぶんわたしは、まだ幽霊を見たことがない、ということになると思うので、見てみたい気がしないでもない。ただ、見てみたいのは確かなのだが、恐いのも確かなのである。  
 よく、テレビなんぞで、心霊写真がどうのこうの、という番組をやっている。雑誌などでも特集が組まれたりする。特にこれからの季節は、その手のネタが多くなるに違いない。恐いのはわかっているのに、なぜか見てしまうんだな、これが。  
 その手の写真を見るかぎり、ほとんどの霊がうすぼんやりとしている。いや、ここでいう「うすぼんやり」とは、うすのろとか、間抜けとかいう意味ではないので、念のため。そんなのがあったら、それはそれで面白そうなのだが、それじゃあマンガのネタだな。  
 中には、はっきりと、明確に、自己の存在を主張するかのようにくっきりと写っている霊もいるが、あいにくわたしは、はっきりしたのも、ぼんやりしたのも、見たことはない。  
 なんでも、霊というのは、姿形だけではなく、音がしたり、匂いがしたり、単に雰囲気だけしたりすることもあるのだそうだが、それもあいにく体験をしたことがない。  
 そういう体験をしたことがない、と書いてはいるが、実はそうではないのかもしれない、と思ったこともある。つまり、わたしはしょっちゅう霊と出会っているのに、気がついていないだけなのではないか、と。あまりにもはっきり見えているために、生きた人間と見分けがつかなかったりしているのではないか、と思ったことがあるのだ。  
 ただまあ、ほとんどの霊というのは、亡くなったときの状態で出てきたりするらしいので、血みどろだったりすることもあるというから、そういうのを見れば、いくらなんでもわかりそうなものだ、と考えて、やっぱりわたしには見えていないのだと、と判断して、そのネタは、小説のようなモノのアイデアに使うことにした。あいにく、まだその作品は日の目を見ていないのだが。  
 そういえば一度だけ、恐ろしい思いをしたことがある。たしか高校の頃だったと思うが、友人たちと鎌倉に遊びに行き、どこかの墓地の前で、カメラを持っていた一人が、「霊写真を撮ろう」といいだした。墓地をバックに数人が並んで写真をとった。出来上がった写真を見ると、恐ろしいことに、写っている全員が、何の打ち合わせもなかったのに、礼をしていたのである。  
 こんなオチでもつけないと、夜中にこんなものを書いてるだけで恐いんだよぉ。  



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