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[ エッセイのようなモノ ]
幻の珍獣カピを見た!

1999.08.18

 世の中には数多くの動物たちが存在している。実際に何種類ぐらいの動物が存在するのか、不勉強なわたしは知らないが、細かく分類していったら、かなりの数になることは、間違いないだろう。そういう動物たちの中には、世間によく知られているものから、あまり知られていないものまで、これまたいろいろいるわけだ。もちろん、まだ誰にも知られていない動物などというのも、きっとどこかに存在しているに違いないわけで、そういう動物が発見されると、「珍獣!」ってなことになったりするわけである。  
 珍獣の代表パンダなんぞは、あの愛敬のある模様から、人気の的なわけだが、あの体格だからパンチ一発で人も殺せるらしい。まあ、正確には、一般にパンダといわれているあの白黒の動物は、ジャイアントパンダというのが正式名称で、他にレッサーパンダというアライグマの親戚みたいな奴もいるわけだから、「パンダがパンチ一発で人が殺せる」などというと、レッサーパンダの方から「いや、俺にゃぁできねえ」と苦情が来るかもしれない。だいたい、レッサーパンダはいいとして、ジャイアントパンダが猫科の動物というのが、どうにもふに落ちない。どう見てもあれは熊である。まあ時々、おもいきり太って動きの鈍くなった猫を見ると、動きが似ていないこともないか、と思わないでもないのだが。  
 ただ、同じような色合いで、似たようにずんぐりむっくりの体型をしているにもかかわらず、ジャイアントパンダには人気が集まるのに、バクの方にはあまり人気が集まっていないのは、頭まで真っ黒なのと、目のまわりだけ黒いのとでは、そこに大きな違いが現れるということなのだろうか。たしかに、パンダのあの目のまわりだけが黒いのを見ると、非常に間抜けな印象を受けるのだが、間抜けさ加減では、バクの方がよっぽど間抜けな顔をしていると思うのだが、人気の度合いはそういう部分で決まるわけでもないらしい。だからといって、顔が黒いから嫌われるなんぞというと、黒人の方や女子高生のみなさんから石を投げられてしまうだろうから、やはり問題は、顔の色でもないらしい。  
 まあ、ジャイアントパンダの場合は、全体の印象がそのままぬいぐるみを思わせるし、動作にも愛敬があるから、いつまでも人気を保っていられるのだろう。  
 それにくらべて、最近横浜にやって来たオカピという奴は、どうなんだろう。  
 実はわたしは、あのオカピという動物を、小学校のころから知っていた。もちろんホンモノを見たことはなかったが、動物図鑑かなんかで見て、実はだれでも知っている動物なんだと思っていた。ところが、どうやらそうではなかったらしい。  
 わたしの素性をご存知の方ならば、わたしがなぜオカピなんぞという動物を、子供の頃から知っていたのか、理解はしていただけると思う。  
 で、そのオカピに会いに、よこはま動物園通称ズーラシアに行ってきた。  
 オカピに会うまでに、いろいろな動物に出会うわけだが、動物園というところは、オカピも含めて、何度行っても笑える名前の宝庫である。スマトラトラなんぞは、別におかしくもなんともないはずなのだが、「トラトラ」という繰り返しが好きだし、フンボルトペンギンなどと聞くと、便秘のペンギンがトイレでいきんでいる絵を想像してしまうのは、わたしの感性が小学生並みだからだろうか。  
 で、肝心のオカピである。  
 せっかく行ったのに、奥の方にひっこんで、しかも頭を薮の中につっこんでいて、首から後ろしか見ることができなかった。  
 前三分の一ほどが見えなかったわけで、結局「カピ」しか見えなかったことになる。またいつか会いに行ってこよう。  



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