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[ エッセイのようなモノ ]
目は口ほどにものもらい

1999.09.22

 じつはわたしは目が悪い。もっとも、目だけじゃなくて、口も悪いし性格も悪いのだが、その分顔と頭が良いから、差し引きするとどちらかといえば良い方に傾いて・・・・  
 苦情のメールが山ほど来ても困るので、つまらない冗談はこのあたりでやめておくが、目が悪いのは事実である。  
 以前はムチャクチャ良かったのである。父親の影響で、小学生のころには多少天文少年のようなところがあった。あいにく、良い天体望遠鏡を買ってもらえるほどの金持ちの家には生まれなかったので、わたしがやっていたのは、もっぱら夜空を見上げて、  
 「あれがオリオン座で。あれがさそり座で」  
 と星座の名前を覚えたりとか、  
 「あれがデネブであれがアルビレオで」  
 などと星の名前を覚えたりしたぐらいだったのだが。このあたりを読んで、多少知っている人ならば、  
 「オリオン座とさそり座が一緒に出るか?」  
 と突っ込みのひとつも入れておいていただければ、幸いである(笑)  
 で、天文少年は中学に入ったあたりから改心して足を洗ったのだが、そのおかげかどうか、二十歳すぎまでずっと、目だけはよかった。視力検査表の、一番下の列がはっきり見えたぐらいだ。  
 それが悪くなってしまったのは、ひとえにコンピュータ関係の仕事についたせいだ、と思っている。ちょうど同じ時期にテレビゲームに熱中していたのは、絶対に原因ではない、と信じきっている。  
 目が悪くなり始めた時期は、ちょうど映画館で「スター・ウォーズ」だの「スター・トレック」だのをやっている時期だった、と記憶している。  
 最初に気がついたのは、スクリーン上の星が、まわりの人たちがいうほど奇麗に見えなかったからだった。  
 「宇宙空間がすごいよね」  
 といわれても、  
 「そうかぁ?」  
 ぐらいにしか思っていなかった。  
 ある日、道を歩いていてふと気がついた。景色がにじんでいる。で、めがね屋で視力を調べてもらったところ、思ったよりも落ちていた。落ちていたとはいっても、実際にはまだそれほどのものではなかったのだが、もとが良すぎた分、自覚症状としては、かなり落ちたように感じたわけだ。そのうえ乱視が入っている、といわれ、結局めがねを作らされた。まあ、考えてみれば、めがね屋なんだから、あたりまえといえばあたりまえのことである。敵はそれが商売だ。  
 で、めがねをかけて映画を観たところ、これがなんと、宇宙空間がムチャクチャ奇麗じゃないか。わたしは衝撃を受けた。なにに一番衝撃を受けたかって、それはもちろん、「今までかなり損してた」という事実に気がついたことである。  
 その後視力の悪化はどんどん進み、今では、めがねなしでは生活できないほどになってしまった。とはいっても、普段はコンタクトレンズなんですけどね。  
 まだコンタクトレンズを使い始める前。めがねをかけ始めたばかりのころに、おもしろいことがあった。めがねをかけたわたしの顔に対する評価が、まっぷたつにわかれてしまったのだ。つまり、めがねをかけた方がましだ、という意見と、かけない方がましだ、という意見。まあ、どっちにしても「まし」というレベルでしかなかったわけだが。  
 いまだに、その論争の結論は出ていない。もっとも、結論を出さなきゃいけないほどの問題でもないのだが。  
 どっちがましだと思います?  
 って、見なきゃわかんねぇか(笑)  
 しまった、タイトルと内容が、全然関係ないじゃないか。まあいつものことか。  



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