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1999.10.14
だいぶ落ち着いてきたようだが、一時期雑誌等をにぎわしていたネタに、「インターネット上で、個人が企業を告発する」みたいなネタがあった。なにしろインターネットてぇのはもともと、個人の持っている情報を、広く世間に流出させるための手段なわけだから、そういうことはお手の物なのである。とはいっても、その手のネタも最近下火になって来たようだが、下火になったからって、そういうことをしている人がいなくなったわけじゃないだろうし、ブーム(?)になるより以前に、そういうことをしている人がいなかったわけでもない。単にマスコミが一時期大声で唄を歌って、一部の人がそれに踊らされていたにすぎない。
わたしは、その手のホームページは、基本的に見ないようにしているので、どういった内容なのか、詳しいことは知らないし、マスコミが騒いでいた内容がどこまで正しいのかもわからない。事実として、文句を言われてもしかたがないような対応をしてしまった企業もあるだろうし、中には「そんなことで文句をいうなよぉ」というような苦情もあるに違いない。その手の「そんなことで」ネタで一番有名なのは、インターネットが流行るよりもずっと以前に、すでにあった。あの有名な「犬を電子レンジで乾かそうとした人」事件である。
ご存知でない方もいるかもしれないので、軽く紹介しておこう。
ある人の飼い犬が、雨の中を外から帰ってきた。当然びしょ濡れである。で、その飼い主は、乾かしてあげよう、と思って、その犬を電子レンジに入れて「チン」したのである。小型犬だったんだろう。「狆」だったかどうかは知らない。まあ、当然犬は死んでしまった。で、その飼い主は、電子レンジを作った会社に対して、訴訟を起こしたのである。いわく「犬を乾かしてはいけない、とは書いてなかった」とか。「おいおい」ってな気もするが、事実である。
その訴訟が、最終的にどうなったのか、わたしは知らない。だが、この人が、普段あまり電子レンジを使っていなかったに違いない、ということは簡単に推理できる。なぜならば、電子レンジで「チン」してもモノは乾かないということを知らなかったからだ。濡れたタオルを入れて「チン」すれば、暖かいタオルにはなるが、乾いたりはしない。カップにミルクを入れて「チン」した場合にも、ホットミルクにはなるが、中身が乾いてなくなる、ということはない。つまり、訴訟を起こしたこの人が犯した、一番大きな間違いは、じつは「電子レンジに犬を入れたこと」ではない。「電子レンジを使って乾かそうとしたこと」なのである。乾燥機に入れるべきだったのだ。
まあ、PL法なんてものができたのが、この人のおかげかどうか知らないが、今はいろいろな商品に「言わずもがな」の注意書きがやたらと書いてある。
カップ麺のパッケージに「熱湯に注意」なんて書いてあるのは、かわいい方だ。電化製品なんぞの使用説明書は、そのためだけに何ページも使っている。使用説明書をつけられるようなモノはまだいい。そのうち、スナック菓子やらカップ麺のパッケージに、「ビニールを飲み込まないように注意」とか、「袋を開ける際にハサミを使うと、手を切る場合がありますのでご注意ください」とか、わけのわからないことまで書かなきゃいけなくなる。そうなると、パッケージに書ききれなくなって、スナック菓子を買うと、厚さ三センチぐらいの使用説明書がついてきたりする。
で、また性格の悪い奴がいて、説明書を熟読して、そこに書いてないことをわざとやって、メーカーに文句を言ったりするわけだ。
ちなみに、カップ麺のパッケージには「熱湯に注意」と「電子レンジによる加熱禁止」は書いてあるが、「直接火にかけてはいけない」とは書いてない。チャンスですぜ(笑)
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