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2000.02.17
ちょっと考えてみたのだが、今の世の中、丸一日まったく音楽を聴かない日ってあるのだろうか? そりゃもちろん、鳥も通わぬ絶海の孤島で遭難生活してる人とか、人跡未踏の地で霞食って生きてる仙人とかは別ですが、普通に生活していて、音楽をまったく耳にしない日というのが、存在するものかどうか、ちょっと考えてみた。
ってことで申し訳ないが、今回のネタは、耳の不自由な方には面白くないどころか、場合によっては腹立たしいかもしれない。そういう方は読まないことをおすすめする。
まず朝起きて、少なくともテレビかラジオのスイッチを入れてしまうと、それでもう、音楽が耳に入ってくる。まあ、スイッチ入れた瞬間にあわてて切ったり、長くとも数秒しかつけていなければ、たまたま音楽のない瞬間だった、ということもあるかもしれない。それがまたNHKの教育番組で、「新職人列伝」かなんかやっていた場合、しばらく音楽は流れてこないかもしれない。まあ、朝っぱらからそんな番組は、いくらNHK教育だってやってないだろうが。それにしたって、番組の最初と最後には音楽が流れる。ドラマだったりした日には、下手したら音楽が流れない瞬間なんて、五分もない場合もあるんじゃないか、と思ってしまう。
かりに、「わたしは朝はテレビラジオは一切利用しません」という人がいたとする。そういう人でも、一歩外へ出て、ちょいとそこらの店に入れば、有線から流れてくる音楽を耳にしないわけにはいかないだろう。飲食店に限ったことではない。スーパーだってコンビニだって、何かしらの音楽が流れている。最近では、書店だって音楽が流れている店がある。なにも店の中まで入らなくとも、前を通りかかっただけで音楽は聞こえてきてしまったりする。場合によっては、商店街の感度の悪いスピーカーから、なんだかわからない曲が流れていることだってある。よく聞くとSMAPやSPEEDの曲のアレンジものだったりするのだが、変な曲に聞こえるのが、アレンジが悪いせいか、スピーカーが悪いせいかは、わたしにもよくわからない。
そういう場所をうまく避けて通れても、場所によっては信号機という隠れキャラがいたりする。目の不自由な人のための信号機が、音楽を流していたりするわけだ。念のためにいっておくが、わたしはべつに、その手の信号機を否定するつもりはない。ここでは単に「音楽を流しているもののひとつ」として数えているにすぎない。
運良くそういったものにぶちあたらないで、どうにか駅までたどり着こうものなら、今度は駅が攻撃をしかけてくる。昨今は駅で電車が発車するときの音が、ベルではなくて音楽だったりするのだ。これは避けようがない。まあ、たまたま最寄りの駅のベルが音楽でなかったとしても、降りる駅までの間の、おそらくひとつぐらいは音楽を流しているだろう。
それもまあなんとかかいくぐって安心したのもつかの間、隣のあんちゃんのイヤホン越しに、音楽が漏れ聞こえていたりする。しかもその場合、ほとんど必ずといっていいほど、音楽そのものはかすかにしか聞こえてこない。聞こえてくるのはリズムだけだから、逆に気になってしょうがない。もっとも、はっきり音楽が聞こえるぐらいの音量だと、腹が立ってくることもあるのだが、それはまた別のはなし。まあ、リズムしか漏れていないなら、音楽としてはカウントしなくていいか。
隣のあんちゃんのイヤホン攻撃は避けられたとしても、反対側にいる奴の携帯電話に着信があったりするから、今の世の中油断はできない。で、これがまた、いろんな着メロがあって、バラエティに富んでいるのはいいのだが、「なんでこんなオヤジがドラえもんのテーマ?」と首をかしげたくなる場合もかなりある。
ありゃ。次回に続くだ。
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