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[ エッセイのようなモノ ]
TPO

2000.03.30

 前もってお断りしておく。今回のエッセイのようなモノには、エロネタがかなり明確な形で登場する。ということで、「そういうものはちょっと……」という方、品性と良識を重んじている方は、今すぐよそのサイトへ移動することをおすすめする。  
 何人かはよそへ行ったのだろうか? 誰も行ってないような気もするが(笑)  
 さて、本文のはじまり。  
 わたしの得意とするギャグのひとつに、「死んだ爺ちゃんの遺言で」というのがある。このエッセイのようなモノでも、過去にも何度か使っているし、普段の生活の中でも時々使う。通常は、何かを断る場合に使用する。わたしの場合、酒の席で酒を断る場合に言うことが最も多い。酒の席で酒を断るってのもおかしなはなしだが、断りきれない忘年会だの新年会だのに出て、最初の乾杯ぐらいまではつきあうが、それ以上は飲みたくない、という場合に、  
 「死んだ爺ちゃんの遺言で、仕事と酒はひかえるように言われてるもんで」  
 という使い方をする。これで、ほとんどの人が納得してくれる。してくれていると、わたしは確信している。少なくとも、あまり仕事をしていないことへの言い訳ぐらいにはなっていると思うが、定かではない。  
 ただ、これも使う場所を間違えると、とんでもないことになる。以前、法事の席でついいつもの癖でこれを言ってしまったことがある。おわかりのことと思うが、法事の席ってことは、まわりはみんな親戚。死んだ爺ちゃんを皆よく知っているわけだ。思った通り、親戚連中はわたしのいうことなどまったく無視して、グラスにビールを注ぎながら、  
 「あの爺ちゃんが、そんなことをいうはずがないだろう。仕事はともかく、酒をひかえろなんて、いうはずがない」  
 って、そっちかい!  
 まあ、ホントは爺ちゃんは、仕事に対してもまじめな人だったし、毎日の晩酌を楽しみにしている人だったから、仕事も酒もひかえろなんぞというはずはないのだが。だいたい、どんな爺ちゃんだろうと、酒はともかく仕事をひかえろなんぞというはずがない。  
 逆にいえば、そういう状況だからこそ、ギャグとして通用するのである。そうでなければ、ギャグにならない。  
 つまり、ギャグにもTPOが必要なのである。TPOがなんなのか知らない人はいないと思うが、時(TIME)、場所(PLACE)、場合(OCASION)のこと。これじつは和製語なのだそうだ。アメリカあたりでTPOといっても通じないのかもしれない。  
 それはともかく、TPOをわきまえるということは、非常に大切なことなのである。  
 ところが、同じTPOでもベッドの上のTPOとなると、これがまた意味が違ってくる。TECNIQUE・POWER・OBJECTが、ベッドの上のTPO。意味がわからない人は、辞書を引くように。たぶんその必要はないと思うが。  
 このTOPが、なかなかむずかしい。  
 若いうちはパワーはあるがテクニックはなかったりする。質より量でこなしちゃったりする場合もあるだろう。双方ともに若い場合には、それでも問題なかったりするのだが、どちらか一方がパワーよりもテクニックを要求し始めると、関係がこじれてくる。  
 「ただ激しいだけで、ちっとも気持ちよくない。しかも早いし」  
 なんぞといわれて、男はシュンとしてしまったりする。  
 やがて歳を重ねて、多少のテクニックが身についたときには、今度はパワーが落ちていたりする。そういう場合に女性が男性をけなす言葉として、  
 「ただしつこいだけで」  
 なんてのがある。  
 こう書いてくると、これは男にだけ関係する問題のようにも見えるかもしれないが、世の中男女平等なのである。雇用機会均等法などというのもあるのだから、ベッドの上でも平等でしょう。女性にだって、テクニックとパワーは必要ですよ。  
 ただ、このテクニックとパワーに関しては、実は本人の努力次第でどうにかなる問題なのである。ところが、最後のオブジェクトに関しては、本人の努力には関係なかったりする。特に男の場合、大きさを気にしている人はかなりいるらしい。  
 で、書店で「小さいことにくよくよするな」というタイトルの本を見かけて、その手の本かと思ったらそうじゃなかった。いや、これがいいたかっただけなんですけど(笑)  
 たいしてエロなネタじゃないじゃないかって? なんだ、あなた結局最後まで読んだんですか? ってことは、品性も良識も重んじてないのね。それどころか、エロネタに期待してた、と(笑)  



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