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2000.05.11
みなさんこんにちわ。キウイー3分半クッキングのお時間です。今日は、ヘルシーでなく、どなたにも喜んでもらえる、というわけでもない、エッセイのようなモノの書き方のご紹介です。
一流のシェフの手によるエッセイは、喉ごしも良く、それでいて程よくスパイスの効いた仕上がりで、どなたにもおいしく召し上がっていただくことができますが、残念ながら、ご家庭でその味を出すのは非常に難しいことです。そこで本日は、各ご家庭の味を生かした、あたかもエッセイに見えるかもしれないようなモノの書き方をご紹介しましょう。
まずはネタを用意していただきます。
一般的に、ネタと女房は新鮮な方が良い、と言われております。女房はともかく、ネタに関しては、新鮮なものを入手するのは、比較的簡単かと思われます。毎日の新聞記事やテレビ番組を注意してよく見ていれば、そこには新鮮なネタが豊富に存在しております。そういうネタを「時事ネタ」と申しまして、その時その時の話題の中心になっているネタを取り上げるのは、エッセイを書く楽しみのひとつと申せましょう。ただし、時事ネタの中には「政治ネタ」や「宗教ネタ」のように、人によってはアレルギーや食中りを起こすネタもございますので、取り扱いには充分注意してください。また、時事ネタはなまものですので、できるだけ新鮮なうちに調理しませんと、おいしく召し上がっていただくことができなくなるばかりでなく、先に何人もの方が調理してしまっている可能性もございます。その場合、選んだネタに対する調理の腕前が問われることになりますので、使用には充分な覚悟が必要になります。その上、時事ネタは調理後の正味期限もあまり長くはないようです。扱うネタにもよりますが、一年後には忘れ去られてしまっているような場合もございますので、ネタの選別には細心の注意を払っていただきたいと思います。
そういった意味では、ご家庭で時事ネタを使ってエッセイのようなモノをお書きになるのは、なかなか難しいといっても良いかもしれません。
時事ネタと同じようなもので、もっと扱いやすいネタに「季節ネタ」というものがございます。これは、毎年必ず訪れる季節のネタですので、特に賞味期限はございません。一年前に調理したものでも、古くなってしまうということはなく、同じその季節がやってくれば、新しい読者の方には新鮮に読んでいただくことができるという、便利なネタでございます。ただし、一度使ってしまうと、同じネタで何度も調理するのは難しいものがございますので、あまり多用なさらないことをおすすめいたします。
季節ネタをもう少し細かく、賽の目状に刻んだものが「カレンダーネタ」になります。このネタは、一年365日の毎日がネタになるわけですから、ネタは豊富になります。特に祭日祝日などは、その日に対する思い入れをお書きになればよいわけで、ご家庭でも簡単に調理することが可能といえましょう。ただし、これも時事ネタと同じように、多くの方がすでに調理している可能性もございますし、季節ネタのように同じネタを繰り返して使うのは難しい、という欠点もございます。もっとも、カレンダーネタの場合には、季節ネタと違って最大365件のネタになるわけですから、うまく使いこなせば、食べきれないほどのエッセイをお作りになることも可能ですので、これは腕の見せ所と考えることもできましょう。
次に紹介するネタは「日常ネタ」と呼ばれるもので、これがエッセイのようなモノを調理する場合の、基本ネタといってもよろしいかと思います。毎日の生活の中で見聞きしたこと、感じたこと、考えたことをネタとして使用するのは、エッセイを書く楽しみの中でも、最も大きなものではないでしょうか。それだけに、ネタを選ぶ目も非常に大切になってきます。普段から生きのいいネタ、奇抜なネタを見つけ出す努力をなさるのと同時に、ありきたりなネタをありきたりでなく調理する技術も要求されてまいります。
この日常ネタをつかまえるためには「とりあえず疑ってみる」という気持ちが必要になります。日ごろあたりまえのこととして見過ごしてしまっていることを、ほんの少しひねくれて、いつもと違う角度から見てみるだけで、意外と新しい発見があるものです。ただし気をつけないと、性格が歪んでしまいますので、充分お気をつけください。
本日は、ネタの紹介だけで時間が来てしまいました。各ネタの調理方法は、テキストの38ページに紹介されておりますので、そちらをご覧ください。なお、テキストは書店でも通信販売でもお買い求めいただけませんが、インターネットでも販売しておりません。
ではまた来週お目にかかりましょう(嘘)
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