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2000.06.22
全国的にそうなのか、我が家のまわりだけなのかはわからないが、最近野良犬というのを見なくなったような気がする。子供のころには、なんだかそこいら中に野良犬がいたような気がするのだが、それもひょっとしたら我が家の周辺だけだったのかもしれない。
一時期、シベリアンハスキーだのなんたらレトリーバーだのがブームになって、あっちの家でもこっちの家でも飼っていて、やがてそれを平気で捨てていく輩がいた、という話しを聞いたことがあるが、少なくとも我が家のまわりには、その手の野良犬はいないようである。なんで野良犬が減ったんだろう。
代わりに、といっていいのがどうか知らないが、猫はよく見かける。ただし、猫の場合、それが飼い猫なのか野良なのかの判断は、なかなかつけにくい。野良だと思っていたらどこかの家の飼い猫だったり、庭でのんびり寝ているのをよく見かけるから、その家の猫かと思っていたら、野良が勝手に棲みついていたりとか。まあ、猫がのんびり生活できるようになった、ということは、やはり野良犬が減ったということになるのかもしれない。
まあ、犬と違って、猫という生き物は、どちらかといえば人間に媚びずに生きている種族だから、飼い猫だろうが野良猫だろうが、本人（本猫？）たちにその意識はないのかもしれないが。
あとはまあ、昔と違って猫取りだの猫釣りだの猫さらいだのがいなくなった、というのも関係しているのかいないのか。猫取りだの猫釣りだの猫さらいだのというのがなんなのか、若い人は知らないかもしれない。わたしだって、実際に知っているわけではない。話しに聞いたことがあるだけだ。平たくいえば、毛並みの良い猫をさらって行く商売である。通常は毛並みの良い猫というのは飼い猫であることが多いが、場合によっては野良もさらっていったという。もちろん、猫をさらって身代金を要求するわけではない。皮をはいで三味線屋に売るのだ。最近は三味線なんぞを弾く人もほとんどいないだろうから、猫釣りも商売あがったり。猫にとっては平和な世の中になったわけである。
さて、野良犬が減り、猫が増えた。その論理でいくと、今度は鼠が減っていてもいいような気もするのだが、聞いた話しでは、鼠の数は増えているのだそうだ。まあ、実際に猫が増えているのかどうかはわからないので、そのあたりの因果関係は不明といえば不明である。一説には、猫は増えたが、腹を減らしていないので、鼠を捕らなくなったのだ、という話しもある。鼠にとって、すでに猫は脅威でもなんでもないということらしい。
以前、神田あたりの裏道を歩いていて、道の上を横切っている電線の上を、かなり大きな鼠が駆け抜けて行くのを見かけて、驚いたことがある。駅のホームで電車を待っていたら、線路の上を元気に走って行く鼠の親子を見たという経験もある。その鼠の列は回送だったのか快速だったのか、駅には停まってくれなかったが。
なんでも、都会では残飯に事欠かないので、鼠にしろ野良猫にしろ、餌には不自由しないらしい。だから猫も鼠もコロコロ太っている。田舎よりも都会の方が、それも飲食店の多い繁華街の方が、鼠の数は多いのだそうだ。
鼠は、猫と違って間違いなく野良である。ペットとして鼠を飼っている人も、中にはいるだろうが、クマネズミなんぞをペットにしている、という話しはあまり聞かない。まあ、飼っている人が少ないから、区別の必要がないのだろう。野良鼠という呼び方は、まずしない。間違いなく野良のはずなのだが、鼠はかなり堂々と都会を駆け抜けて行く。
鼠と同じように堂々としているのが、近頃売り出し中の烏である。鳥と読まないように。パソコン上の活字だと区別がしにくいな。カナで書こう。
とにかくカラスは悪名が高い。収集所に置かれているごみを漁り散らし、人が近づいても逃げもせず。下手にちょっかいを出そうものなら、逆に攻撃してくるという。カラスが人を襲った、という話しは、ニュースなんぞでもよく聞く。鼠と同じで、カラスたちもほとんど野良に違いないが、やはり野良カラスとは呼ばない。カラスの場合、呼ぶとしたら野生のカラスと呼ぶ。野生じゃないカラスなんぞ、ほとんどいないと思うのだが、そう呼ぶ場合もあるようだ。だからといって、野生の鼠とは言わないところが、日本語の難しいところであるのかないのか。
そういえば、野良カラスがゴミを漁りまくっているのはよく目にするが、野良鳩が収集所のゴミを漁っているのは、あまり見たことがない。鳩はどうやって餌を仕入れているのだろう。まあ、鳩はカラスと違って肉みたいなものは食べないだろうから、ゴミを漁っても好みの食い物がないのかもしれない。
しまった。雀を書くスペースがなくなった。
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