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2000.08.31
文房具屋に行くのが好きだ。どこかで時間をつぶすとしたら、書店か文具店を選ぶことが多い。もちろん、喫茶店やパチンコ屋で時間をつぶすこともあるが、書店と文具店の場合には、結局一円も使わずに時間をつぶせることが多いので重宝している。
特に大きな文具店は、わたしにとっては子供にとってのおもちゃ屋と同じような位置にあるかもしれない。あるいは駄菓子屋か。東京近郊であれば、銀座の伊東屋、日本橋の丸善あたりを筆頭に、東急ハンズだのユザワヤなんぞも対象になる。横浜近郊に限定すれば、隣有堂というのもある。
それらの店に、特に何を買うでもなく行って、何を見るでもなく端から眺めていく。そういう場合はもちろん、凝ったペーパーウェイトだのスマートなペーパーナイフだの素敵な手帳だのも見るが、そうではなく、あたりまえの事務用品なんぞもじっくり見る。たとえばクリップのコーナーあたりを見ると、色々なクリップがあって面白い。オフィスでよく目にするスタンダードな商品は当然として、ほとんどアイデア商品のようなものから、こんなもの誰も使わねぇだろう、といいたくなるようなものまで、多種多様で飽きが来ない。
そうしょっちゅう見ていたらすぐに飽きるだろう、なんて思うのは大間違い。新しい商品が出ていることもあるし、自分の視点が新しくなっていることもある。以前はなんとも思わなかった商品が、あるとき自分の中の何かにひっかかる。これはひょっとしたらこういう使い道もあるかもしれない、と思いつく場合もある。ただし、それでその商品を買うかどうかはまた別問題。気に入った商品というのは、えてして値段が張っちゃうことが多いのである。
それに比べてありがたいのが、最近町中に増えてきた100円ショップというやつである。店内にある商品は、すべて100円というあの手の店。実際には消費税が加算されるので、正しくは105円ショップだと思うのだが、そんなことはどうでもいい。店によっては95円ショップだの90円ショップだのというのもあるらしい。
この100円ショップというやつが、なかなかどうして侮りがたい。おもちゃ、文具、台所用品、化粧品、日曜大工の道具やら、お菓子なんぞも売っている店もあって、実に楽しい。しかも、抱えるほど買っても数千円ぐらいで済んでしまったりするのが、またありがたい。わたしにはそういう傾向はないのだが、ストレス解消のために思い切り買い物をする、という人もいるらしい。そういう人が100円ショップを利用しているかどうかは知らないが、数千円でストレスが発散できるのなら、これは利用しない手はない。
中には「おい、これ100円で売っちゃうか」といいたくなるようなものまで、売っている場合がある。普通に買ったら数百円から下手したら千円近いようなものも、100円で売っているのだ。
もちろん値段が値段だけに、それなりのできであることもある。作りがちょっといいかげんだったり、すぐに壊れてしまったり。買って帰って、結局使い物にならなかった、という場合だってあるが、どうせ100円という意識が働いているためか、あまり腹は立たない。
欠点としては、「どうせ100円」という考えのせいで、下手をすると、はなから必要のないものまで買ってしまうことだろうか。どう考えても使い道のないようなものまで、「これちょっとおもしろそう」などと買ってしまって、結局とんだ無駄遣いということもある。雰囲気としては、子供のころの駄菓子屋に非常に近い。
もうひとつの欠点としては、必ずしも常に同じ品揃えとは限らない、ということだろうか。人気商品は、比較的いつも置いてあるようだが、わたしが好むような変わった品物というのは、見つけたときにすぐ買わないと、次に行ったときにあるとは限らない。このあたりも、必要のないものまで買ってしまうという理由のひとつかもしれない。これおもしろい、と思った場合でも、通常は使い道がなければ買わないのだが、そこで例の「どうせ100円だし」という神の声が聞こえてきて、結局買ってしまう。当然のことながら、そういう状態で手に入れたものというは、ほぼ一生使うことがない。逆にその時に「まあ、この次に買おう」なんぞと思って買わずにおいて、あとで必要になって探しに行くと、ほぼ確実に売っていない。世の中なんてそんなものである。まあ、100円ショップの場合も、文具店と同じように、見るだけ見て結局何も買わないで出てくることの方が多いのだが、そういう意味では時間つぶしとしては最高の店である。
100円ショップでパソコンなんぞ売ってくれないかなぁ。無理か(笑)
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