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2000.10.13
IT時代なのだそうである。
ということは、子供の頃に育った町に帰って、謎の「それ」と戦わなければならなかったり、最後にはいい年した大人が、自転車のふたり乗りをして、町の中をかっ飛ばさなきゃならないわけだ。って、スティーブン・キングの「IT」を読んでない人には、なんのことだかさっぱりわからないでしょうが。ちなみに、この小説のタイトルは「イット」と読む。間違っても「アイティ」と読んではいけない。
あっちこっちで「IT、IT」と騒いでいるが、「アイティ」ってそもそも何なんだ?
乗ってきた宇宙船に取り残されて、地球の子供に助けられた宇宙人は「イーティ」だし。日本たばこは「ジェーティー」だし。雪男は「イエティ」だし。おまえに惚れて惚れて、昼でも夜でもいつでもおまえに「会いてぃ」なんちゃって。
ネタがないからオヤジギャグで水増ししようとしているな、などと考えてはいけない。人間というのは、図星をさされると以外に腹が立つものなのだから。
「IT」ってのは「インフォメーション・テクノロジー」のことなのだそうだ。日本語にすると「情報技術」ということになる。だからなに? という気がしないでもない。
面白いのは、テレビのCMなんぞで「IT社会」とか言っているのだが「情報技術社会」っていったいどんな社会なんだか、さっぱりわからない。そもそも「情報技術」ってなんなんだ?
まさか、いくらなんでもインターネットに接続できるとか、メールの送受信ができるとか、そんなことを「ITだ」なんぞと言う人はいないと思うが、政府のお偉方あたりはちと心配である。だいたい、政治家のホームページだの政党のホームページだのというのを、わたしは実際には見たこともないし、見たいとも思わないのだが、聞いた話しではろくなものではないらしい。どこかの国の大統領のように、自分の家の猫の写真を出しているなんてぇのはまだマシなんだそうで。
その流派は、大きくふたつに分かれるという。まずひとつめは、かなりな技術をつかって、絵は動くわ音は出るわで、すごく凝った作りになっているのだそうだ。内容がどうだかは知らない。派手な見栄えに立ち向かえるだけの内容があれば、あるいは訪れた人の役に立つ情報があるのならば、もっといろいろな雑誌で紹介されているはずである。うちでさえ、これまでに三回ほど雑誌に掲載され、四つ目の掲載許可願いのメールが、先日届いたほどである。立派な政治家さんの作ったページが、ためにならないはずはなく、雑誌にジャンジャン掲載されないはずはない。と思うのだが、あまり見たことがない。まあ、わたしの興味がそっちになくて、見過ごしてしまっているのかもしれないが。
どっちにしても、凝った作りの派手なサイトを、政治家本人が自分の手で作っているはずもなく、おそらくはどこかのプロに依頼して作ってもらっているのだろうと思うのだが。もし違ったらごめんなさい。
流派のもうひとつは、誰がどう見ても、その政治家本人が作っているに違いない、と思われるようなページなのだそうである。どこがどう「本人が作っているに違いない」のかというと、センスが悪い、技術がない、やたらと本人が顔を出す、なのだそうだ。まあ、本人が顔を出すのは当たり前だからアレとして、センスや技術という点に関しては、うちも他人をとやかく言えないので、そこはそれ好感が持てる。この流派は、主に地方の若手代議士なんぞに多いらしい。まあ、生きてるんだか死んでるんだかわからないような老獪な議員に比べれば、若手はパソコンぐらい使えるでしょうし、使おうという気にもなるでしょう。いくらなんでも、メールひとつ送るのに大げさに「ITだ」なんぞと言い出すわきゃぁない。
で、本題の「ITってそもそもなんなんだ」ということなんだが。実はこれがさっぱりわからない。実際に何をどうすればいいのか、だれもきちんと説明してくれない。
だいたい「情報技術」って、情報をどうする技術のことなんだ? 送る技術か? 受け取る技術か? それとも、盗む技術とか隠す技術とか、そういうことか? まあ、盗むとか隠すとかいう技術は、やっきになって盛り上げなくても、政府がとっくに自分たちでやっていることだろうから、いまさら騒ぎ立てることはないと思うのだが。それでいくと、残るは送るか受けるかということになる。
そんなもの、今ごろになってなんで騒がなきゃいけないんだろう。情報を集めて、それを他人が読みやすい文書にする技術は、ここで既に公開している。IT時代の先端を行く「小説のようなモノの書き方」。ううむためになる。コラコラ石を投げないように(笑)
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