縦書きで読む
[ エッセイのようなモノ ]
お客様が神様です

2001.05.24

 最近あまり新聞を読まなくなってしまった。まあ、もともとあまりちゃんと読む方じゃなかったのはたしかなんだが。なんせ、かなり長い間、新聞の一面はテレビ欄の方だと思ってたぐらいで。ちゃんと考えれば、縦書きの文章が並んでいるんだから、右から左へ読むんだ、ぐらいのことはわかりそうなものなのだが。どういうわけか、新聞のときにはそうは思わなかった。だから、いつも新聞は後ろの方から読んでいたわけだ。まずテレビ欄を見て、そこから順にめくっていくわけで、一面に近づくころにはもう飽きちゃって(笑)結局いつも途中から読まなかったりしたわけだ。  
 さすがに、今ではテレビ欄が一面だとは思っていないが、それでもまずテレビ欄を見てしまうことが多いのもたしか。なにしろ新聞てぇやつは、ページが若いほど娯楽性も少ないと来ているから、娯楽重視のわたしとしては、やはり娯楽性の高い方から先に目を通すことになる。まあ、食事のときに、好きな物を先に食べるか、最後に残すかの違いと同じようなものと考えていただいて良い。好きな物を先に食べないと、もしかしたら何かの理由で、最終的に食べることができなくなってしまうかもしれない、という不安があるから、好きな物は真っ先に食べる。まあ、いつも真剣にそう考えながら食事をしているわけじゃぁないんだが。  
 で、以前はテレビ欄はかなりしっかり見ていた。早朝の番組から深夜の番組まで、どんな番組をやっているのか、しっかりチェックしていたのだ。何のためにそんなことをしていたのか、自分でもよくわからない。とにかく、かなりしっかりと読んでいた。それが最近は、テレビ欄が一面じゃぁない、ということに気づいてしまったもんだから(笑)ちゃんと一面から読む努力を始めてしまったわけだ。そうするとどうなるか、というと、おもしろくもなんともない政治経済の話しなんぞを延々と読まされるわけで。こりゃもう途中でイヤになっちゃうのは人間として当然のことでしょう。その結果、やっとテレビ欄にたどり着くころには、活字を追うのも面倒になっていたりする。そうするともう、端から端まで読むなんてことはほとんどしない。ざっと目を通すだけでやめてしまう。  
 そんな中でも、ほとんど必ずといっていいほど読むのが、読者の投書欄。新聞の読者から送られた、テレビやラジオの番組に対する意見が掲載されている部分だ。これがまたおもしろい。何がおもしろいかというと、世の中にはいろいろと勘違いをしている人が多いんだなぁ、ということを認識させてもらえるからだ。  
 その手の投書は、中には番組やら出演者に対する好意の意見もあるのだが、おおむね批判が多かったりする。これこれの番組は食べ物を粗末にしている。なんとかいう番組は、いつも同じ展開で、視聴者を馬鹿にしている。最近のテレビ番組は、CMが多すぎる。そういった内容の投書が、よく載っていたりする。まあ、その気持ちはわからなくもないのだが、ちょいとお待ちいただきたい。  
 気に入らない番組ならば、見なければ良いのである。選択権はこちらにあるのだ。自分で選んで見た番組がおもしろくなかったからといって、なにも公の場で作り手に文句を言うことはない。わたしも似たようなことをしてはいるが、それは小説や映画に対してであって、テレビ番組に文句をつけたことはない。ないはずである。もし「ここでやってるじゃないか」というのを見つけた方は、ぜひご一報いただきたい。秘密を守るために、抹殺してさしあげます(笑)  
 わたしがテレビ番組に文句を言わないのには、大きな理由がある。まあ、たいした理由じゃないんだが。一部のテレビ局を除いて、ほとんどのテレビ局にとって、視聴者というのは、直接のお客さんではないのである。彼らにとってお客さんというのは、見ているほとんどの人たちではなく、その中のごく一部。スポンサーと呼ばれる、お金を出してくれる会社のお偉いさんだけなのである。そりゃたしかに、視聴率とかいうやつだって大きなポイントだろうが、金も出していない一視聴者がなにをいっても、テレビ局としては「はいはいわかりました。一応聞いておきましょう」ぐらいの対応なのである。ホントにそうかどうかは知らないが。もちろん、一視聴者だってスポンサー会社の商品を買うか買わないか、という点で間接的にはお客さんではあるのだろうが、それをいってしまうと、テレビ局の人間だって間接的スポンサーということになってしまって、わけがわからなくなる。  
 そういった事情で、直接お金を払ってもいないものに対して、文句を言ってはいけないのである。このサイトも、みなさんから料金を徴収したりなどしていない。言いたいことはわかるよね。  



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