縦書きで読む
[ エッセイのようなモノ ]
春眠暁を覚えず(ってまだ冬だが)

2002.01.10

 このところ、どういうわけか毎日眠くてしょうがない。一日のうちで眠くないのは、寝ている時と、一生懸命仕事をしている時ぐらいのものだ。もちろん、わたしが一生懸命仕事をすることは四年に一度、あるかないかだから、実質は寝ている時以外は常に眠い、ということになる。  
 これほど眠いのは、年末年始にかけて、一日三十時間ぐらい寝ていた名残なのかもしれない。しかし、たしか一日は三十時間ではなかったはずだ。そうなると、寝ていなかった残りの時間、わたしはいったい何をしていたんだろう。起きていた記憶はまったくないのだが。一日は三十時間もない? そりゃあなたの時計がおかしいんだってば。  
 まあ、眠いということは、まだ起きているということだから、実際には寝ていないはずだ。たぶん大丈夫だろうと思うのだが、ときどき時計がいきなり早く進んだり、たった今まで明るかった窓の外が、一瞬のうちに暗くなっていることがあって、非常に不思議な思いをしている。一日中仕事をしているはずなのに、ちっともはかどっていないのも気になる。きっと、誰かがわたしの妨害をしているに違いない。  
 しかし、こう年がら年中眠いと、眠くないときっていうのがどういう状態だったのか、思い出せないことさえある。思いだそうとしても、思い出せないのは、ひょっとしてわたしには眠くない時がないからかもしれない。  
 そういえば、以前、とある所で占いをしてもらったことがある。占い師のいうことには、わたしは前世が良かったのだそうだ。その占い結果に不満や反論のある方もいらっしゃるかもしれない。その気持ちはよくわかる。なんせ、わたし自身が、今の自分を見ていて、前世が良かったとはとても思えないのだから。そうはいっても、占いの結果でそう言われてしまったのだから、わたしに文句を言われてもしょうがない。  
 しかも、前世が良かったご褒美として、現世では人よりも余計に寝ていて良いのだそうだ。ありがたいことである。  
 ただよく聞くと、どうやら「寝ていて良い」ということだけではなく、人より多く寝なくてはいけないのだそうで。ちゃんと睡眠をたくさん取らないと、疲れがどんどん溜まって、パワーが落ちてしまうのだそうだ。パワーが落ちるったって、いったい何のパワーが落ちるのかよくわからない。もともと仕事にはパワーなんぞ使っていないから、そのパワーが落ちるとは思えない。これはやっぱり、あっちのパワーに違いない。で、あっちってどっちだ?(笑)  
 しかし、「寝ていて良い」なら良いのだが「寝なくちゃいけない」だと、あんまりご褒美って気がしないのだが、いかがなもんだろう。  
 世の中には、不眠症といって寝られなくて困っている人もいるらしいが、わたしはそういう状態にはなったことがない。  
 二十代ぐらいまでは、布団に入ってから寝つくまでに最低でも三十分、長い時には二時間ぐらいかかっていたのだが、三十代をこえたあたりから、そういうことはあまりなくなった。ほとんどの場合、布団に入ってから十分ぐらいで眠りにつける。実際には布団に入ってから本を読むことがほとんどなので、正確には、本を閉じてから十分ぐらい、ということになる。  
 ただし、朝起きるときには、これとは逆の現象が起きている。つまり、二十代ぐらいまではすっきり目が覚めていたのに、三十代あたりからは目覚めが悪くなり始めたのだ。これってやはり、年齢に関係あるのだろうか。わたしが年をとったということだろうか。わたしには医学的な知識はまったくないので、そのあたりのことはさっぱりわからない。そのあたりのことに詳しい方がいらっしゃったら、是非ご一報いただきたい。ちゃんとお礼は言うから。  
 それにしても困るのは、年がら年中眠いということだ。  
 しかも、一日のうちで一番眠いのが、朝起きたときだ、というのが困りものである。眠いだけではない。感じとしては、朝起きたときが、一日のうちで一番疲れているような気がするのである。もちろん、夜寝る前が一番元気。それでもすぐ眠れてしまうぐらい、一日中眠いってことだ。  
 熟睡できていないのではないか、という意見もあるだろう。そのあたりはわたしも良くわからない。なにしろ、寝ている最中のことなので、自分がどういう状態にあるのか、さっぱりわからないのだ。まあ、体感としては、眠りが浅いとは思えないのだが。  
 寝具の良し悪しとか、色々と条件もあるだろうが、条件を変えてもあまり変化はない。どなたか、朝すっきり目覚める方法を教えてくれないだろうか。  



Copyright(c) 1997-2007 Macride
ご意見ご感想は メール 掲示板