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[ エッセイのようなモノ ]
新・黄金の七日 7×7

2002.04.27

 まず、今回のタイトルの元ネタを知っている人は、かなりのマニアであることを自認するように。わたしは、元ネタの映画のサウンドトラックのCDを持っている。だから何、って聞かないように。自慢したいだけなんだから。元ネタを知らない人には意味不明だな。  
 たしか、去年もゴールデンウィークネタで何か書いた気がするのだが、はっきりとは覚えていない。読み返してみれば済むことなのだが、どうせ面白いことが書いてあるわけでなし、読み返そうという気は起きない。どなたか去年の分を読んで、今回の内容との比較検討をしてくれるとありがたい。  
 ありがたいったって、その結果、  
 「内容の何パーセントが同一で、同一のギャグが何件あり、また滑ったギャグが全体のうちのいくつであり……」  
 などと分析されても困るのだが。  
 ということで、去年の分は読まないように。人間、いつまでも過去にとらわれてちゃいけません。  
 さて、今年もまたゴールデンウィークとかいうやつがやって来るらしい。変に律儀な奴で、頼みもしないのに、毎年きちんきちんとやって来る。ひょっとしてゴールデンウィークの奴は、わたしに惚れているんじゃないだろうか。  
 って、ちっとも面白くないな。  
 もちろん、ゴールデンウィークったって、誰もがみんな休みになるわけではない。みんながみんな休んじゃったら、休んでいる間、みんな何もできなくなってしまう。  
 遊びに行こうと思っても、遊園地も映画館も休み。買い物に行こうと思っても、デパートも商店街も休み。それ以前に交通機関がみんな休みで、電車にもバスにも乗れない。ついでに電力会社だの電話会社だのも休みになって、みんな原始人のような生活を強いられることになる。ホントになんにもできなくて、文字通り休んでいるしかなくなる。たまにはそんなゴールデンウィークがあってもいいんじゃないか、などと思ってる奴はいないと思う。いくらわたしだって思わない。  
 そもそも、ゴールデンウィークという名称からしておかしい。下手すりゃ一週間以上連続して休んじゃう奴だっているわけで、そりゃもう「ウィーク」ではないはずだ。  
 いや、ひょっとして、その期間日本中のほとんどが休みに入ってしまって、社会的な機能が弱くなるからってんで、「ウィーク」は「ウィーク」でも、弱点の方の「WEAK」なのかもしれない。そうなると、ゴールデンウィークってのは、「黄金の弱点」ということになる。弱点が黄金で輝いてちゃあ、すぐに見破られて、たちまちやられちまうがな。  
 連休の有意義な過ごし方として、本をゆっくり読む、というのがある。普段読めないような分厚い本を、のんびり読むのだ。去年だったら、宮部みゆきの「模倣犯」があったのだが、ことしはなにか良い本はあるのだろうか。指輪物語なんか良いかもしれない。わたしは読まないが。  
 ゆっくりではなくたっぷり、という手もある。普段は読まないような安手の本を大量に仕入れて、片っ端から読み捨てる。そんな金はない、という人も、古本屋で仕入れるなり、図書館で借りるなりすれば安く済む。じっくり読んだりしないで、斜め読みで数をこなす。それが何かの役に立つのかどうかは知らない。  
 本じゃなくビデオって手もある。  
 B級ホラーばっかり借りてきて、全部早送りで見る。どれもたぶん記憶には残らない。あるいは、全部ごっちゃになって、何を見たのかわからなくなる。  
 さて今回の内容は、なんだかちっともまとまりがない、と思っている読者もいるかもしれない。いや、正確には「今回は」じゃなくて「今回も」なんだが。まとまりがないのは、わたし自身が一番よく理解しているので、その点に関しては、あまり突っ込まないように。なんでまとまりがないのかもわかっている。例によってネタがないのだ。  
 だいたい、ゴールデンウィークが終わった後に「休み中にこんなことしたよ」という内容で書くのならまだしも、まだ始まっていない休みに関して書こうというのが間違っているのだ。どこかに行く予定でもあって、そのことを書くのなら良いが、なんせ例年通り予定はゼロ。テレビや週刊誌のように、連休中はここへ行け、みたいな情報を持っているわけでもない。そんなわたしに、連休前にネタなんぞあるわけがない。  
 もちろん、連休明けにもネタはない。  
 だったら書かなきゃいいようなものだが、そこはそれ、世の中にはこの「エッセイのようなモノ」を読むのを楽しみにしている、などという奇特な人がいて、そういう人のためにも何か書かなきゃいけないのである。  
 こんな文章だったら、書かない方がマシのような気もする。  



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