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[ エッセイのようなモノ ]
ネタは異なもの味なもの

2002.07.31

 前回の「エッセイのようなモノ」を書いたのは、実は6月もなかばのことだった。そんなに前に書いたのに、なぜ7月の中ごろまで公開しなかったのかというと、それには当然わけがある。うまくまとまらなかったのだ。  
 思いつくことを片っ端から並べていたら、原稿用紙にして七枚近くになってしまった。別に七枚だろうが八枚だろうが関係ないじゃん、と思われるかもしれないが、そうもいかない。一応このコーナーは、一回を原稿用紙五枚に収める、という決まりがあるのだ。あまりに長くなった場合には、二回三回に分けることもあるのだが、その場合でも五の倍数にならないと分けようがない。無理やり引き伸ばすにしても削って五枚に収めるにしても、七枚という枚数は非常に中途半端だ。  
 締め切り守らなかったら原稿料が出ないわけでもなし(って、守ったところで出やしないのだが)、そのうちなんとかしようと考えて、実はすっかり忘れ去っていた。  
 そして約一ヶ月が過ぎ去ったころ「なんでも掲示板」に読者からの書き込みがあり、それがなんとわたしがほったらかしにしてあったネタ、ほぼそのままに近い内容だったのである。これは困った。  
 先に掲示板で書かれちゃったら、せっかく書いて大切に保存してある文章が無駄になってしまうじゃないか。大切にしてたわけじゃなく、単に忘れてただけだけだろうが、という突っ込みは無視する。  
 もちろん、掲示板で書かれちゃったからといって、それを「エッセイのようなモノ」に書いてはいけないということはない。だが、それはわたしのプライドが許さない。  
 無駄に記憶力の良い読者の中には、わたしが過去に掲示板やメールでいただいたネタを使って、何本かの「エッセイのようなモノ」をでっち上げたことがある、ということを覚えている人もいるかもしれない。その場合でも「何がプライドだか」という、嘲笑はあなたの心の中だけにとどめておいていただけるとありがたい。  
 それはそれとして、大切に保存(!)しておいたネタと同じ内容を、掲示板で先に書き込みされてしまったわたしはしばらく悩んだ。  
 掲示板の書き込みを速攻で削除し、書いた本人に刺客を送り込み、掲示板に書き込みがあったという事実を闇に葬り去ることも考えた。そして何食わぬ顔をして保存してあったネタを公開してしまう。すばらしい計画ではないか。もしそこに何らかの問題があるとすれば、刺客に払う金がないという程度の些細な問題だけだ。もうひとつ、わたしには刺客の知り合いがいない、という問題もある。いたとしても書き込みをした人の所在がわからないという問題に気がついたのは、イエロー・ページを引っ張り出してきて「こ、こ、殺し屋、殺し屋」と探し始めたころだった。  
 これらの問題をクリアする方法を、必死になって考えた。だが、世の中というのは、えてして些細な問題ほどクリアできないものなのである。しかたがないので、掲示板に書き込みをした人を抹殺するのは断念した。非常に残念なことである。  
 次善の策としてわたしが考えたのが、すべてを正直に公開してしまう、ということだった。どういうことかといえば「公開しようと思っていたネタを掲示板で先に使われちゃったから、エッセイのようなモノが公開できなくなっちゃいました」と、他人に責任をなすりつける、という方法だ。わたしにはこれが似つかわしい。金もかからないし。  
 もちろん、そう宣言したからといって、わたしがせっかく書いたモノを廃棄してしまうはずがない。なんとか五枚に収まるようにごまかして、先週公開するにいたったわけだ。  
 そしてもちろん、ここまでの経緯を無駄にするようなわたしでもない。今現在お読みいただいているように、それで一回分でっち上げてしまうわけだ。これを卑怯と言うかエッセイのようなモノの正しい書き方だというかは、意見の分かれるところだろう。  
 わたしが書いておいた内容掲示板に書かれた内容とで、どの程度ネタがかぶっているかは、まあ想像していただきたい。どうしても知りたいという方はこちらで「17回目投稿」をキーワードに検索していただきたい。あんまり時間がたってると書き込みが消えてる可能性もあるのだが。  
 繰り返して言うが、先週の「エッセイのようなモノ」の方が公開は遅いが書いたのはそれよりも一ヶ月以上前なのである。公開のために多少の推敲はしたが、内容に変更はない。  
 この類似性をどう考えればよいのだろうか。  
 偶然? いや、そういっちゃぁ面白くないでしょうが。誰でも考えつくようなネタ? それじゃあ身もふたも無いでしょうが。  
 こりゃやっぱり以下の三つのパターンが考えられるはずだ。って書こうとしたらスペースが尽きた。次回に続く!  



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