|
|
|
[ 映画の感想文のようなモノ ] へ |
[ 小説のようなモノの書き方 ] へ |
[ 小説の感想文のようなモノ ] へ |
|
[ エッセイのようなモノ ] |
[ メモの達人への遥かなる道のり ] へ |
[ 小説のようなモノ ] へ |
| 史上最古の商売 |
|
|
|
|
2002.08.28
スパイ・淫売・かっぱらい。 これが人類の歴史の中で古い商売のベストスリーなのだそうだ。この呼称が正式なものなかどうかは知らない。少なくとも作家・都筑道夫氏はこの言い方を使用している。多少言葉は汚いが、ごろがいいのでわたしも気に入っている。 さて、この中の「スパイ」という奴は、誰かの情報を他の誰かに流すことで金を儲ける商売だ。つまり「情報」という形のないもののやり取りを、その「情報」の本来の持ち主以外の人物が勝手に行うことを、ここではスパイ行為という。もちろん、厳密に言えばスパイが売り買いするのは、情報に限定されるわけではない。機密書類だの機器だの殺人ウィルスだの人間だの犬だの猫だのを扱うこともあるだろう。しかし、ここでは「スパイとは情報を扱う」という定義にしておく。 同じように情報をやりとりしても、それによって金を儲けない場合は、スパイとは呼ばずに近所のおばさんと呼ぶ。スパイと近所のおばさんの違いは、情報のやりとりの代価として金品の授受があるかないか、ということの他に、扱われる情報の信憑性が高いか低いか、という点も大きく影響する。どちらの信憑性の方がより高いのかという点に関しては、あまり言及したくない。そんなことをして、スパイのみなさんから「不当な扱いを受けた」と文句が来ても困る。 次の「淫売」というのは、不特定の相手と肉体交渉を持つことで金品を得る商売のことだ。売春という言い方もあるし、最近では援助交際などという意味不明の呼称もある。 この商売、辞書で調べると「女性が」と限定してあることがある。そりゃいくらなんでもまずいだろう。男にだって、そういうことを商売にしている人がいないとは限らないのだし、男女平等といわれ続けてかなりの年月が経っているのだから、女性に限定するのは考えものだろう。 話しは違うが、今の世の中には、すでに看護婦さんというのはいなくなってしまった、ということはご存知だろうか? 男女の区別をなくすため、看護師という名称に統一されてしまったのだ。したがって、風俗のお店に行って看護婦プレイをやろうと思ってもできない。看護師プレイを希望した場合、女性が出てくるとは限らない。女性が出てきても若いとは限らない。って、そりゃ今でも一緒か。 まあ、そういう世の中なのだから、淫売だって女性に限定してはいけないだろう。 で、この商売の場合、キーになるのは「不特定の相手」「肉体交渉」「金品を得る」というみっつの部分だ。つまり、夫婦の間で肉体交渉があるたびに、夫が妻に金品を支払いもしくは請求したとしても、それは淫売ということにはならない。あるいは、不特定多数の相手と肉体交渉があったとしても、それによって金品を得ていない限り、淫売にはならない、たぶん。「売」が「乱」になる可能性はあるが。 この論理でいくと、援助交際の場合には「Hなんかしないもぉん。お茶するだけでお小遣いくれるしぃ」という、世の中をなめきったようなパターンもあるようなので、必ずしも淫売という商売にはあてはまらないのかもしれない。腹立たしいことだ。 まあ、今回の話題は「淫売」ではないのでよしとするが。 最後の「かっぱらい」というのは、いわずと知れた「泥棒」のことである。他人の所有する金品を許可無く持ち出し、自分のものにするか売買することで利益を得る商売のことだ。実は、最初に「本来スパイが物を扱うこともあるが、ここでは情報だけを扱うこととする」というようなことを述べたのは、スパイとかっぱらいを区別するためだけなのである。 ということで、前回スパイをテーマにしたので、今回のテーマはかっぱらいである。って、ここまでが前振りかい! 今の世の中で、泥棒といってみんなが頭に思い浮かべるのが、いったい誰なのか、というのは多少気になるところではある。 ルパン三世もしくはその爺ちゃん、石川五右衛門、ねずみ小僧、二十面相あたりが有名所だろうか。ラッフルズだのセイントだのドートマンダーだのを真っ先に思いつく人というのは、性格がひねくれているか、記憶がひねくれているか、両方ひねくれているかのどれかのはずだ。 悲しいことに、おそらくほとんどの日本人はアルセーヌ・ルパンよりもルパン三世を先に思い浮かべるだろう。最近のルパン三世を見ていると、あまり泥棒という感じはしないのだが。 で、やっと第164回のエッセイのようなモノの続きになるわけなのだが、例によって枚数が尽きた。 さらに続く。 |
|
|
|
| Copyright(c) 1997-2007 Macride |
|