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[ エッセイのようなモノ ]
健康のために無茶しよう!

2002.11.14

 何がどうしてそういうことになってしまったのか知らないが、今年も健康診断に行ってきた。というか行かされたというか。  
 ただし、去年転職した関係で、去年までの健康診断とはちと赴きが違う。何がどう違うのかというと、一番大きな違いは、やっぱりかかった時間だろう。なにしろ、去年までは一時間もあれば終わってしまったのだ。その短さで血は採る、尿は取る、心電図は取る、胃のレントゲンは取る、相撲は取らない。とにかく、健康診断としてやるべきことは、直腸検査と歯科検診と頭皮のチェック以外、全部やってるんじゃないか、と思われるほどの密度の濃さだった。それが去年までの健康診断の場合は一時間以内に終わったのである。  
 それが通常午前中にある。そりゃそうだ。前日の夜九時だか十時だか以降には、ものを食っちゃいけないってのに、そんな状態で午後まで検査を引き延ばされたらたまったもんじゃない。遅くとも昼までには終わった。半日で済むわけだ。つまり、終わったら仕事に行かなきゃならなかったということ。まさか、一時間で終わる健康診断のために、一日仕事を休ませてくれるはずがない。  
 ところが今度の会社の健康診断は、丸一日かかるのである。ってことは、丸一日仕事をしなくていいのである。こんなにありがたいことはない。  
 などとお気楽な気持ちでいたらとんでもなかった。やはり会社というものは、何がどうあっても社員に楽はさせてくれないようにできているらしい。  
 前日の夜九時以降ものを食べちゃいけないなどというのは健康診断の常。わたしもそれほど気にしない。しかし、普段それほど夜遅くにモノ食ってないのに、いざ九時以降に食っちゃいけない、といわれると、そのあとやたらと腹が減るのはどうしてだろう。  
 そんなことより、大きな問題の第一点は、翌日の朝が早いこと。朝の九時から健康診断だってんだから恐れ入る。それも新横浜の国際競技場だという。わたしゃ別にサッカーやりたいわけじゃないんだが。健康診断してもらうだけなんだが。それでも朝の九時から健康診断が始まるから、それまでには国際競技場に行って受け付けを済ませろという。つまり、八時半ぐらいには現地に着いていなきゃいけないわけだ。そんな僻地にそんな時間に行かれるわけがないじゃないか。しかもわたしは朝に弱いんだから。案の定五分ほど遅れまして。まあ、開始時間には十分間に合ったから良しとしましょう。  
 しかし、朝の九時から丸一日健康診断やるのか? と思うとちょっと気が遠くなってくる。しかも、メニューの中には胃のレントゲンもなければ直腸検査もない。もちろん相撲もないしヘア・ケア・チェックもない。その代わり、なんと体力測定をやるという。おいおい、まさか国際競技場のトラックを何周も走ったりしたんじゃないだろうな、と思ってはいけない。場所は横浜国際競技場内だが、競技場のグラウンドを使ったりはしない。まあ、病院とスポーツジムがくっついているようなところだと思えば良い。  
 そこで、午前中は内科検診なんぞをやって、昼飯食ったあとは、体力測定をやらされるわけだ。  
 はっきりいって、これだったら会社で仕事してるフリして寝ている方がよっぽどマシである。死んだ爺ちゃんの遺言で、会社とスポーツジムには行ってはいけないことになっているのに、まさか会社の命令でスポーツジムに行くはめになるとは。爺ちゃんも草葉の陰で泣いているに違いない。  
 なにしろ普段運動らしい運動はセックスぐらいしかしてない人間に、全力で足を動かせだの飛び跳ねろだのと注文をつける。いきなりあんなに色々やったら、逆に身体に悪いんじゃないかと、心配になってくる。あれで身体こわしたら責任取ってくれるんだろうか?  
 わたしの場合、肺活量が多いのが自慢だったのだが、さすがに若いころから比べるとだいぶ落ちた。それでも五千五百はあるんだが。って自慢か? 自慢だろ。自慢だな(笑)  
 で、何がすごいって、午前中に内科検診だの血液検査だのをやっちゃうから、午後に飛んだり跳ねたり自転車こいだりしてる間に、結果が出ちゃうということか。その日のうちに結果が出るから、医者だの栄養師だのと面談して、結果にあわせたアドバイスをしてくれるのがありがたい。  
 で、結果として大雑把にいうと「筋力・柔軟性はあるが、持久力・瞬発力が弱い」ということになった。それって、アクロバチックな体位はこなせるけど、長持ちしないし、生挿入で外出しは危険だからやめた方がいい、って意味と取っていいのだろうか?(笑)  
 意味がわからない良い子は、お父さんかお母さんに聞いてください。張り倒されること間違いなしです。  



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