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[ エッセイのようなモノ ]
今回も不謹慎です

2003.03.22

 アメリカが戦争を始めてしまった。時事ネタは扱わない、という趣旨を曲げて、今回はそれを取り上げてみる。  
 ただし、タイトルにもある通り、不謹慎な内容もりだくさんでお送りする。したがって「戦争反対!」という方も「中東に自由を!」という方も読まないでいただきたい。うっかり読んでしまったとしても、読んだ自分が悪かったと諦めて、苦情や罵倒や剃刀入りのメールはご勘弁願いたい。  
 前もって警告したからね。  
 さて、アメリカがイラクに対して、というかサダム・フセインに対して攻撃を開始した。実は今回の戦争でよく理解できないことがひとつある。たしかこの戦争のきっかけって、アメリカに対する同時多発テロに対する報復活動から始まったんじゃありませんでした? それって、敵はフセインじゃなくてビン・ラディンじゃなかったっけ? いつの間に敵が変わってしまったんだろう。もちろん、本気でわからないわけではないので、教えていただかなくても良いのだが。  
 テレビは戦争一色である。夜中の三時四時までニュースをやっている。いや、たぶん朝まで報道し続けているに違いない。わたしが起きてニュースを見ているのが、三時四時ごろまでというだけの話しだ。  
 おかげで今朝は朝寝坊してしまった。迷惑な話しである。夜更かしは美容の敵なのだ。そういう理由からも、戦争はやめてもらいたい。って、今日は休日だったから、寝坊しても問題はなかったんですけどね。  
 せっかく遅くまで起きてニュースを見ていたのに、特に進展がないとがっかりしたりする。「もっとドンパチやって、観客にサービスせんかい!」なんぞと考えてしまったりする。不謹慎きわまりない。  
 しかし、今回アメリカがやってることって、どう見ても小学生の喧嘩レベルのような気がするのだが、いかがなものだろう。イラクが国連の査察を受け入れたのに「ふざけんなよ。おまえ生物兵器や核兵器を隠し持ってるだろ。出せよ」と言っているのだ。自分の方が大量に生物兵器や核兵器を持っているにもかかわらず、だ。  
 もちろん、アメリカの言い分は、アメリカ的に見れば正しい。なにしろアメリカってぇ国は、相手に銃をつきつけて「銃を捨てろ」という国民性の国なのだから。西洋文化が入りこんで来る前の日本なら、相手に刀を捨てさせるためには、まず自分が捨ててみせたもんだ。って、見て来たように言ってますが、そんなに長生きはしてません(笑)  
 それにしても、アメリカは南北戦争以降、自分の国を戦場にしたことがないなぁ。第二次世界大戦の時だって、アメリカ本土は爆撃を受けていないのだ。ここだけの話し、アメリカに対して爆撃を行った実績のある国は、実は世界で日本だけなのである。残念ながら本土ではなくハワイだったのだが。  
 そういえば、アメリカが第二次大戦を最後に、実は一度として戦争に勝ってはいないということにお気づきだろうか。確かにアメリカ自体が負けた戦争はない。しかし勝ってもいないのである。ベトナムでは明らかに負けた。だからひょっとすると、アメリカって国は実は弱かったりするのかもしれない。特に本土を攻撃された経験がないから、打たれ弱い可能性がある。打たれ弱いから先に殴っておこう、という思想なのかもしれない。殴られる方はいい迷惑だ。  
 さて、戦争に賛成か反対かと聞かれた場合、おそらくほとんどの人は「反対!」と答えるに違いない。しかし、反対だからといって実際に反戦運動をする人はその一部だし、反戦運動をする人たちだって、戦場に行って戦争を止めようとまではしない。言い方は悪いが、自分は安全なところにいて「戦争反対!」と叫ぶだけである。まあ、他にどうしようもないんでしょうが。  
 もちろん、わたしだって戦争はいやだ。いやだとは思っているが、思っているだけで何もしていない。それどころか、「戦争はいやだなぁ」の後に「でも、遠い他国でよその国がやってるぶんには関係ないか」なんて思ってしまったりもする。はっきりいって対岸の火事である。  
 たとえば、テレビのニュースで悲惨な戦場の光景を流しているときには「戦争はいやだなぁ」と思っていても、アナウンサーが「さて、季節の話題です」なんて桜前線の話題に切り替えた途端、見ているこっちも「おお、そろそろ花見の季節だな」なんて思っているのである。「戦争やってるんだから、桜どころじゃないだろ」と思う人は、たぶん極一部だろう。ニュースの途中でチャンネル変えて、お笑い番組見て笑っていたりするのである。  
 みんな正直にいきましょうや。  
 遠くの戦争よりも、近くの杉花粉の方が今の日本人には、大きな問題なのである。  



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