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2003.04.29
過去のエッセイのようなモノを読み返してみて気が付いたのだが、わたしは過去二年ほど続けて、ゴールデン・ウィーク前に、ゴールデン・ウィークについて何か書いている。もちろん、ゴールデン・ウィークについて何か書いているとはいっても、わたしの書くことに有意義な内容などあるはずもなく、したがって今回読み返してみるまで、自分でも何を書いたか忘れていた。
なぜ読み返してみたかというと、今年もゴールデン・ウィーク前に何か書こうかな、と思ってしまったからだ。
人によっては、すでにゴールデン・ウィークに突入している人もいるかもしれないのだから「ゴールデン・ウィーク前に」という書き方は正しくないかもしれない。だが、そもそもわたしが律儀にゴールデン・ウィーク前に何か書いたとしても、読者まで律儀にゴールデン・ウィーク前に読んでくれるとは限らない。タイミングが悪ければ、学校だの職場だのからアクセスしている人が読むのは休み明けになるだろうし、人によっては月に一度しか来なかったり、年に一度しかこなかったり、中には四年に一回ぐらいしか来ない人だっているかもしれない。そんな読者たちにとって、わたしがいつ書いたかなんて関係ないわけだ。たぶん、ゴールデン・ウィーク中にこの文章を読む人は少ないだろう。だからわたしも気にしないことにする。そもそもわたしはまだゴールデン・ウィークには入っていないのだし。うちの会社は暦通りなのだ。
しかし、今年ってゴールデン・ウィークと呼んでいいのか? 暦を見ると、土日以外の休みって二日増えてるだけじゃないか。これではとてもゴールデンとは言えないだろうと思うのだが、そういうものでもないらしい。
まあ、企業によっては、間を全部休みにしちゃったりしているところもあるらしいから、ゴールデンと呼んでやってもいい。ただ、これによって、契約社員だのアルバイトだのの、出勤日数が給料に響く人に迷惑がかかることとか、結局は休日出勤することになる忙しい人のこととかは、企業は考えていない。そもそも企業はそこで働いている人のことは考えない。それ以前に、ものを考える企業っての
はたぶん存在しない。ってな自分で自分のあげあしを取るような真似をしているのは、単に枚数かせぎなんだが。
そもそもここ数年、七連休だの九連休だの十一連休だのという大型連休が続いたおかげで、ゴールデン・ウィークというのはそれがあたりまえのような気になっていたのがいけないのだろうが、土日と連休が重なっていると、すごく損をしたような気になってくる。
二年前の「黄金の七日間」の記述を見ると、「なぜゴールデン・ウィークと言うのだろう。誰が名づけたんだろう」というようなことが書いてある。今ではわたしもこの理由を知っている。どこかの映画会社が興行成績不振を打破するための宣伝文句として使い始めたのが最初らしい。だから、某NHKでは、決してゴールデン・ウィークとはいわないのだそうな。少なくともニュースなんぞでは「大型連休」と呼ぶのだという。しかし、今年のように大型と呼んで良いのかどうか迷うような状態でも「大型連休」と呼ぶのだろうか。「大型で並の勢力を持つ連休が」なんぞと言ったりするのかもしれない。というようなネタは、一昨年にすでにやっている。
さて、そろそろ気づく人もいるかもしれないので、その前に自白しちゃおうか。なんでゴールデン・ウィークネタで一本書こうと思ったかということだ。実は、「ゴールデン・ウィーク」と書くと、それだけでかなりの文字数を使えて、かなり便利だからなのである。文章の中で何度も「ゴールデン・ウィーク、ゴールデン・ウィーク」と連呼すれば、それだけでかなりの文字数を稼げるのである。そのおかげで、多少ネタが少なくても予定の原稿用紙五枚をこなすことができるのだ。
って、よくよく考えてみたら、ゴールデン・ウィークをネタにしてさえいれば、ゴールデン・ウィーク前に書こうがゴールデン・ウィーク後に書こうが、出てくるゴールデン・ウィークという言葉は同じなわけだから、なにも無理してゴールデン・ウィーク前にゴールデン・ウィークネタで書くことはなかったのか。
まあ、読者の方のゴールデン・ウィーク中の楽しみのひとつということで。って、最初の方で「ゴールデン・ウィークの時期に読んでくれるとは限らない」と書いたんだっけ? まあ、誰も気にはしないでしょう。
ではみなさま、楽しいゴールデン・ウィークをお過ごしください。わたしは暦通りなんだが。ってくどいか。
そして、最後に問題です。
今回の文章に「ゴールデン・ウィーク」という言葉はいったい何回出てきたでしょう。もちろん、正解しても何も出ません。
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