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[ エッセイのようなモノ ]
ルーズ

2005.12.11

 ここ数年、ノートはルーズリーフを愛用している。  
 知らない方のために説明しておくと、ルーズリーフというのは、バインダ型のノートのことで、用紙を差し替えることができるようになっている。その用紙の端には、縦に一列穴がずらっと並んでいる。穴の数は、B5サイズの用紙ならば26穴、A4サイズならば30穴というのが、一般的なようだ。これが全世界で一般的なのか、日本国内だけの仕様なのかは、わたしは知らない。穴の数がふたつだの四つだのというバインダも存在するが、それをルーズリーフと呼ぶのかどうかはわからない。で、この用紙を、蛇の肋骨のような金具(金属とは限らないが)がついたバインダに綴じて、ノートとして使うわけだ。  
 英語ではLOOSE−LEAFと書く。LOOSEには「ふしだらな」とか「だらしのない」とかいう意味もあるのだが、この場合は「バラバラの」とか「綴じていない」という意味である。LEAFは本来「葉っぱ」とう意味なのだが、ここでは「本などの紙一枚」という意味で使用する。間違っても「だらしのない葉っぱ」だと思ってはいけない。なお、英語の正しい発音としては「ルース・リーフ」と、濁点なしになるのかもしれないが、日本国内では、一般的にはルーズリーフと呼ばれている。  
 最初にルーズリーフを使ったのは高校のころだった。その後、普通の綴じたノートに戻ったり、ノート自体を使わなかったりした時期もあったのだが、最近は、ノートとしてはほとんどルーズリーフを使っている。  
 アイデアメモだの覚え書きだのには、こちらでも紹介している3×5サイズの情報カードを使用しているのだが、仕事の打ち合わせのときだとか、カードでは収まりきらない何か(って何なのかは知らないが)を書くときには、基本的にルーズリーフを使用している。  
 で、このルーズリーフを使っていて困るのが、使うときには常に見開き状態でなければならない、ということだ。バインダ式という性格上、開いたノートの真ん中には、バインダ金具がついていて、ノートを折り返して使うのは困難な形状になっている。もちろん、無理やり折り返して使ってもよいのだが、使いにくいことこの上ないし、そういう使い方をしていると、やがてはバインダが破損するだろう。  
 ノートを使う時には、必ず目の前に机がある、という場合には何の問題もないのだが、立ったままとか、椅子はあるが机はない状態とか、机はあるが机上のスペースが少ないとか、仰向けに寝っころがって使う、などという場合に、折り返して使えるのとそうでないのとでは、大きな違いがある。  
 それを不便と感じるのならば、ルーズリーフではなく、普通のノートを使えば良いようなものなのだが、そこはそれ、どんなノートを、どんな目的で、どんな状況で使うか、ということは、人それぞれ違うだろうから、ここでノートの使い方についてくどくど言うつもりはない。とりあえず、現在のわたしはルーズリーフを愛用していて、できれば見開きの中央部分から折り返して、つまり、ノート自体を360度めくった状態で使えたらうれしいと思っている、ということだ。  
 いろいろと探したのだが、折り返し可能な商品は見つからず、たまに「360度開いて使えます」と書いてあっても、実際に使ってみると、金具付近が結構浮いていて、満足のいく状態ではなかったりした。そろそろ自分で何とかして作ってしまおうか、と思っているときに、ついに見つけた。  
 見つからなかったわけで、文具店でもルーズリーフのコーナーではなく、どちらかというと製本だの紐綴じ関係のコーナーに置いてあったのだ。  
 CARLという会社が作った、ルーズリングという商品がそれで、これがもう、わたしにとっては絶品でして、今のところ文句のつけようがない。いや、金もらってるわけじゃないんで(むしろ払ってるぞ)、別に宣伝するつもりはないんですけどね。とにかく気に入った。  
 まあ、リングの開け閉めを手でやろうとすると若干面倒なのだが、そのための道具(ジッパー)も別売りしているから問題はない。基本的にはリング部分だけの商品なので、表紙部分は別途購入ということになるのだが、リングもジッパーもかなり安いので、全部セットで買っても、下手すると普通にルーズリーフバインダを買うより安いかもしれない。  
 しかしこの商品、いつから売っていたのだろう。もし、かなり前から売っていたのだとすると、長い間探していたわたしの苦労は、いったいなんだったのだろうか。やっぱり、探している商品や、商品のアイデアがあったら、ここで紹介しちまうのが早いのかもしれない。  



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