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雨々ふれふれ |
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2006.04.25
雨は嫌いではない。 でかい荷物をどこかに運ばなければいけないとか、洗濯物を干さなきゃいけないとかいう場合に、雨が降っているために不便を感じたり困ったりすることはあるが、雨そのものが嫌いなわけではない。雨の日にそういう行為をしなければいけない、ということがいやなのだ。 考えてみれば、子供のころは誰だって、長靴をはいて、水溜りから水溜りに移動しながら歩いた記憶があるはずだ。思い切り水溜りにジャンプして、盛大に水をはね散らかして遊ぶのは面白かった。何が面白かったのかはわからないが。水溜りだと思って気軽に足を踏み入れたら、意外と深い穴だったりして、長靴もずっぽり水にはまっちゃったり。そのあと、ガポガポ音をさせながら歩いたり。 傘を肩に担いだ状態で、クルクルまわしたりした経験もあると思う。水滴がまわりに飛び散って、それの何が楽しいのかわからないのだが、明らかに楽しい。友達どうし数人でそんなことをやりながら歩いていたら、知らないおじさんだのおばさんだのに水がかかって、こっぴどく叱られたり。 年を重ねると、だんだんそういうことをしなくなってしまい、いつからか雨の日が嫌いになってしまったりするが、わたしはどういうわけか、雨は嫌いではない。まあ、どちらかといえば好きな方だろう。 先が見えないぐらいの土砂降りはいわずもがな、傘なんぞさしても何の役にも立たないような霧雨も、実は結構好きだったりする。空模様がだんだん怪しくなってきて、昼なのに暗くなってきたりすると、ワクワクしてくる。変だ、という人もいるが、中には同意してくれる人もいる。 そういう話をすると「どうしたら雨の日が好きになるようになれますかねぇ?」などと聞いてくる人がいるが、そりゃ無理ってもんだ。「雨」を他の単語に変えてみればすぐにわかる。「どうすれば野球を好きになれますか」と聞かれたって困るだろう。「どうすれば酒が好きになれますか」という質問には、たくさん飲み続けなさい、という答えもあるかもしれないが、これは酒が飲めるのようになる、というだけで、好きになるというのとは違う。 時々、「お気に入りの雨具を手に入れなさい」などという人もいるようだが、それは大きな間違いである。どこの世界に、お気に入りの品物を雨に濡らしたい奴がいるものか。 とはいえ、最近手に入れた傘がお気に入りで、雨が一層楽しみになっている。いや、傘だから濡らすよ、平気で。わたしはもともと雨が好きなんだし。 折りたたみのワンタッチ式の傘なのだが、これがまた秀逸で。実は、折りたたみのワンタッチ式の傘は、すでにひとつ持っていたのだが、これが意外とでかかった。折りたたみ式の傘の利点は、折りたたんだ状態ならば鞄に入れて持ち歩ける、というところだと思うのだが、以前買ったワンタッチ式折りたたみ傘は、柄がやたらと長く、鞄に入れるとかなり邪魔になった。なので、ほとんど使うことがなかったのだ。 それが、最近手に入れたヤツのすごいこと。普通の折りたたみ傘と遜色ないぐらい小さいだけではない。もちろんワンタッチ式だから、ボタンひとつでバサッと開くのは当たり前として、こいつはボタンひとつバサッと閉じるのである。 開くときには、たたんだ上に全体を縮めた状態でボタンを押すと、シャキーンと伸びてバサッと開く。閉じるときには、そのまま同じボタンを押すと、ボソッと閉じる。残念ながらジャキッと縮んでくれたりはしない。手動で縮める必要がある。しかも、ボタンひとつでシャキーンと伸びる、ということは、中にスプリングが入っていいるということだ。それもおそらく、かなり強いスプリングが。つまり、縮めるのにはかなりの力が必要になるということ。その上こいつ、短くした状態からでないと、開いてくれないので、一度たたんでしまうと、再度開くためにはいったん縮めてからボタンを押す、というなんだかわけのわからない作業をしなくてはならない。 何が困るって、雨の中、傘をさしている真っ最中に、ついうっかりボタンを押してしまうと、ボソッと閉じてしまうということだ。どんなに土砂降りの雨の中であろうとも。そりゃそうだ、傘はそんな判断してくれない。 で、以前にも書いたと思うが、ボタンがあると押したくなるのが、人情というものなのである。特に、ボタンが柄の部分にあったりすると、握っているときに、思わず押してしまいたくなるのだ。そのせいで、わたしは、何度かひどい目にあっている。 最初に「お気に入り」と書いたはずなのだが、こうして書いてみると、なんだか良い傘ではないような気がしてきた。変だな。 |
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