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[ 小説のようなモノの書き方 ]
まずはいきなり書いてみる
どう書き進めるか


 さて、ここでいきなり、「小説のようなモノの書き方」ではなく、映画やドラマの作り方の説明をします。  
 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、映画やドラマは、上映/放送される順番に撮影されるわけではありません。バラバラに撮影したシーンを、最後に編集して一本の作品に仕上げるのです。撮影する順番がバラバラになる理由は、いろいろあります。  
 オープニングとエンディングで同じセットを使う場合、二回セットを組むのが大変だから。  
 キャストやスタッフのスケジュールの関係で、ある人が関係する場面だけまとめて撮らなければならないから。  
 一度撮影したシーンに、撮り直しの必要が発生したから。  
 他にもいろいろあるでしょう。  
 また映画やドラマは、バラバラに撮影するだけでなく、同じシーンを何度も撮影します。その中から、一番できのいいものを使うのです。  
 そのうえ、せっかく撮影したシーンを使わない場合だってあります。  
 ワープロを使った小説のようなモノの書き方も、基本はこれと同じです。  
 一番はじめに、エンディングを思い付いて、それを書いたとしましょう。  
 その後、そのエンディングにふさわしいオープニングを思い付いたとしましょう。そうしたら、そのオープニングを書いちゃいましょう。もちろん、途中がごっそり抜けていてかまいません。  
 思い付いたところから、じゃんじゃん書き進めていきましょう。  
 メモや覚え書きのつもりで、でもできるだけ小説風に書いてください。  
 基本は、書き易いところから書く。  
 オープニングとエンディングが、繋がっている必要すらありません。ひとつの作品を書いているときに、ふと他の作品のアイデアが浮かぶ場合だってあります。そういうときには、それをワープロに打ち込んでしまいましょう。  
 ただし、今ワープロに打ち込んでいるものを途中で投げ出すのは、あまりお勧めできません。後から出てきたものの方がすばらしいアイデアのような気がするかもしれませんが、なにごとも浮気は禁物。二兎を追うもの一兎も得ず、なんて格言をひっぱりだすまでもなく、そんなことしたら両方ともどこかに行ってしまいます。後から浮かんできたアイデアは、とりあえずどこかにメモだけして、脇に置いておきましょう。それでどこかに行ってしまうようなアイデアなら、最初っからその程度のものだったんだと、素直にあきらめましょう。  
 
 一度書いたものを後から読んだときに、なんとなく気に入らない場合もあるでしょう。  
 そういう場合、前に書いたものを書き直したとしても、以前のものは必ず残すようにしてください。同じシーンを、何度でも納得いくまで書き直して、一番よかったものを採用すればいいんです。  
 場合によっては、最初に書いたものと最終的に採用したものが、まったく違うものになっている場合もあります。そういう場合、最初に書いたものは別の小説(のようなモノ)に使える可能性だってあるんですから。  
 保存する場合は、できるだけ映画やドラマの撮影をしたようなつもりで、それぞれ別の文書として保存してください。  
 同じ作品のオープニングとエンディングのつもりでも、途中を書いている間に、どう変わってくるかわかりませんから。  
 そうやって書き溜めた小説(のようなモノ)の断片をかき集めれば、すばらしい作品ができるかもしれません。  


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