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見た目を小説っぽくする |
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1999.07.11
いや、改行のしかたったって、どのキーを押せばいいか、とか、そういったことじゃありません。わかってる? ですよね(笑) ここでいう「改行のしかた」とは、どんなタイミングで改行すれば(段落を変えれば)、より小説っぽく見えるかってことです。 まず一般的に、セリフの前後で改行します。たとえば、次のような感じで。 わたしはふりかえって、彼に聞いた。 「うそだろ?」 彼は、残念そうに小さく首を横にふっただけだった。 ただこれは絶対ということはなくて、特に翻訳物の中で、短いセリフの場合は、必ずしも守られているわけではないようです。逆にいうと、意識してそれを使うことによって、翻訳物っぽい雰囲気を出すこともできる、ということになります。たとえば、こんな感じで。 わたしはふりかえって、「うそだろ?」と彼に聞いた。彼は、残念そうに小さく首を横にふっただけだった。 この使い方は、もちろん翻訳物に限ったことではなく、どんな作品でも使われまが、あくまでも短いセリフ、ちょっとした返事などの場合にのみ許されるような感じです。基本的には、セリフはひとつの段落と考えた方がよいでしょう。 セリフに関してはわかりやすいと思うのですが、それ以外の場合がわかりにくい。 通常、段落というのは、ひとまとまりの内容を表していたりするものなのだそうですが、どこまでを「ひとまとまり」と考えるかによって、大きく変わってしまいます。 これははっきりいって、センスの問題かもしれません。たくさんの文章を読み、自然と身につけていくもののような気がします。 とはいっても、「見た目を小説っぽく」する手段としての手法は、あきらかに存在します。 まず、段落の長さ。 ひとつひとつの段落が、あまり長くない方が、見た目は軽い感じになります。テンポも、あるように見えます。 段落が長くなれば、見た目は重い雰囲気になります。時間の流れが、ゆっくりになるような感じになります。 これは、あくまでも「そんな気になる」というだけで、短い段落ばかりの作品でもゆっくりと、重厚な雰囲気を持っているものもあれば、ほとんど改行のない作品でも、軽くテンポのいいものもあります。 ただそれは、プロまたはうまい文章の書ける人が書いたものを、見ただけではなく、きちんと読んでみて、はじめてわかることで、単純な「見た目の雰囲気」ではありません。 ド素人の場合は、文章そのもので勝負をするのはむずかしくなりますから、見た目ではったりをかましてしまいましょう。 テンポよく話しを進めたい場合には、ひとつひとつの段落を少し短めに。ゆっくりと話しを進めたい場合には、段落を少し長めにしてみれば、なんとなく見た目がそれっぽく見えてきます。 ただし、ド素人が書いた作品の場合、あまり改行ばかりだったり、ひとつの段落がやたらと長かったりすると、なんとなくへたくそに見えてしまいますので、とりあえず、原稿用紙一枚で、段落がふたつからみっつぐらいになるようにしてみてください。少なくとも、原稿用紙で五枚も六枚も、ひとつの段落で進めるようなことはしない方が、おすすめです。それだけで、なんとなくそれっぽくなるはずです。 次のテクニックとして、読者の注意をひきたい文章は、短い段落にする、というのがあります。映像でいえば、一瞬のクローズアップのような感じです。 この逆で、読者の注意をひきたくない文章は、長い段落の中に紛れ込ませてしまう、というのもあります。特に、長い段落だったり、ページがまるまる文章でうまっていたりすると、人によってはきちんと読まない人もいますから。って、わたしのことですが(笑) この手は、推理小説なんぞでよく使われています。 つまり、本来のヒントとなるようなことは、長い文章や、長い段落の中にさりげなく入れておいて、読者を誤った方向に導くための文章を、目立つように短い段落にしておくのです。まあ、これは見た目の問題とは、ちょっと違いますけどね。 段落を変える(改行する)場合に、ひとつだけ気をつけてもらいたいことがあります。 小説のようなモノを書く場合、改行の前には必ず記号が来る、ということです。もちろん、本来は改行の前だけではなく、文章の終わりには必ず記号が来るんですが。 記号というのは、「。」や「、」、「?」や「!」などのことです。「……」の場合もありますね。「」」もそうです。 次のような改行のしかたは、間違いです。 わたしはふりかえって 「うそだろ」 と聞いた。 上の例では、「ふりかえって」の後ろに「、」を入れてください。どうしても入れたくない場合には、改行せずに、 わたしはふりかえって「うそだろ」と聞いた。 とする方が、よっぽどましでしょう。 |
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