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[ 映画の感想文のようなモノ ]
映画「メン・イン・ブラック」
小説「メン・イン・ブラック」の感想のようなものを読む

1998.01.04

 さて、いつものように警告します。この文章中では、映画「メン・イン・ブラック」のラストのネタまでばらしています。それを知りたくない、という方は、決して読まないでください。  
 実はこの映画、ノベライズを読んでしまった時点で「ビデオで見ればいいか」と思ったんですが、ノベライズとの比較をしようと考えていたので、とりあえず劇場に見に行きました。劇場に見に行ってわかったことですが、やっぱりビデオで充分でした。  
 SFXに関してはAMBLINがからんでいるので、それなりといえばそれなりなんですが、あまり金をかけていないのが見え見え。ほとんどのエイリアンがぬいぐるみの域を出ていません。  
 ストーリーについていえば、前半のジェイムズが「MIB」のメンバーになるまでの部分に時間をかけすぎていて、後半が慌ただしい。どうせなら、ジェイムズは知らずに事件に巻き込まれた刑事、という設定のまま話しをすすめ、最後にメンバーになる展開にしてしまったほうがまとまったのではないでしょうか?  
 もしくは、ジェイムズがメンバーになるきっかけになった事件が、直接本筋にからんでいればよかったんですが。エイリアンたちが地球を逃げ出そうとしている理由も、ほんの一瞬「沈みかけた舟からねずみが逃げ出すようなもの」というたとえが出てくるだけで、かなり理解しにくくなっています。  
 そういう意味では、最後にKが引退してしまうという設定も、続編を作るときに困るのではないか、と心配してしまいます。この作品の最大のおもしろさは、トミー・リー・ジョーンズの渋味のある演技によるボケにあるのだから。それとも、続編を作る気はまったくないんでしょうかねぇ?  
 筋書きも、「この作品を見る人はみんなメン・イン・ブラックというのが何なのか知っている」という前提で作られているような感じで、MIBについての説明がまったくありませんから、知らない人には最初さっぱりわけがわからないようです。  
 念のために書いておくと、アメリカでは昔から、UFO騒ぎの後にはかならず黒いスーツに身を包んだ男たちが現れ、「あなたが見たのはUFOなどではなく、気象観測用の気球です」などといって、事件を無理矢理収拾しようとする、という噂がありました。で、「黒ずくめの男たち」という意味で「MEN IN BLACK」  
 もちろん、この作品の中でも彼らは「MIB」と名乗っているわけですが、考えてみればその呼称は、本来本人たちがそう名乗っているわけではなく、まわりが勝手につけた名前なわけですから、同じ「MIB」でも、本当は別の名前の略称だったということにしてもらった方が納得できるんですがねぇ……  
 敵のバグについても、最初のうちは何をしようとしているのかがさっぱりわかりませんから、緊迫感も何もなく、ただ気持ち悪いだけです。まあ、彼については、役者が大変だろうなぁ、という感じが強いんですが。  
 全体の感じとしては、SFXも中途半端、筋も中途半端で、今風「ゴースト・バスターズ」のできそこないを想像していただければ充分でしょう。  
 あと、気になったところといえば、出てくる小道具の中に「ノイジー・クリケット」という武器があるんですが、これが字幕では「小型銃」のような訳になってまして(正確にはどうだったか忘れましたが)そのため、この銃を使った時の騒音が、日本人にはわかりにくくなってます。そういった部分は、ノベライズの方がずっとわかりやすくなってます。  


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