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[ 映画の感想文のようなモノ ]
映画「フィフス・エレメント」

1998.02.23

 前から思っていることですが、最近新作映画がビデオになるのが早いです。少し早すぎるような気がします。だからみんな、劇場へ行かずに「ビデオになったら見よう」なんて思っちゃうんでしょうね。みんな、ってことは、わたしもそうなんですが。  
 で、この「フィフス・エレメント」が劇場公開されたのって、いつでしたっけ? ちゃんと覚えてませんが、印象的な予告を見たのは、半年以上前ではないような気がします。予告は印象的でした。  
 ちょっと派手目ではありますが、古き良き時代のSFを見てるようで、かつてSF小僧だったわたしは、予告を見てワクワクしてました。映像の雰囲気は、明るい「ブレード・ランナー」というイメージでした。  
 だからでしょうか。わたしは映画の内容も「ブレード・ランナー」風のものだと思い込んでいました。絵は派手だけど、シリアスに決めてくれるんだろう、と。  
 いやぁ。そう思ったまま映画館に見に行かなくてよかった(笑)  
 この映画、コメディーです。しかも、あんまりできのよくない。  
 オープニングは、多少渋く始まります。軽いギャグはありますが、シリアスな映画でも充分許されるレベルのギャグです。やがて、エジプトの遺跡の外に、謎の飛行物体が降りて来ます。このあたりから、だんだんおかしくなってくる。いや、おかしいと思ったのはわたしだけでしょう、きっと。なにしろ、シリアスだと思ってみていたら、出てきた宇宙人がなんか変な形してるから。それでも、人のいいわたしは、「宇宙人がみんな人間と同じような体型をしてるってのは変だもんな。これでいいんだよ、これで」なんぞと思っていました。  
 すぐに、時代はいきなり三百年後に飛んで、予告で見慣れた時代になります。  
 このあたりで、さすがのわたしも、「あれ?」と思い始めますが、まだシリアスな映画だと思い込んでいるため、「できが悪い」としか思ってませんでした。  
 「時代設定からして、なんで携帯電話なんぞ使う?」とか「この時代に、マッチってこたぁないだろ」とか「モンドシャワン人は弱っちいし」とか「肉体再生するのはいいけど、骨格の上にいきなり筋肉組織つけちゃうか? 内臓はどうした、内臓は」とか「言葉がわからない奴が、何で文字が読める?」とか、疑問はどんどん出てきます。まあ、マッチに関しては、最後に必要になるから出てきたんだってことがわかりますが。  
 話しが進むにしたがって、おかしなギャグがどんどん出てきます。ルビーというオカマの黒人DJが出てくる頃には、映画のテンションも思い切り上がりますが、上がるテンションの方向が全然違います。このあたりではさすがのわたしも、この映画がコメディだと気がつきましたが、もう後の祭り。映画はほとんど終わりに近づいていて、受けた印象は頭の中にこびりついてしまっていました。  
 最初からコメディだと思って見ていれば、結構評価は高かったと思うのですが。  
 まあ、予告と予備知識は正確に、ってことですか。  


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