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1998.03.28
ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジ主演の映画で、そろそろ終わっちゃうんじゃないかな、劇場では。まあ、半年もすればビデオで見ることができるでしょうが。
ジョン・トラボルタと聞いて「サタデー・ナイト・フィーバー」を思い浮かべると、あんまり若くないことをばらすことになってしまいますから、気をつけましょう。トラボルタは、もうだいぶ前になりましたが、「ベイビー・トーク」という映画で役者として再起したというか、やっと役者になったというか。それ以降は、比較的いい役をやっているようで、最近は好きな役者の一人です。昔は大っ嫌いだったんですけどね。「ブロークン・アロー」という映画では悪役でかなりいい味を出して、それ以来悪役やらせるといいみたいです。
この「フェイス/オフ」の場合、本来トラボルタが演じるのはFBIの捜査官なので、悪役じゃあないはずなんですが、途中でニコラス・ケイジ演じるテロリストの顔を移植して、立場が入れ替わるんで、映画の半分はトラボルタは悪役です。
あらすじはまあ、FBIの捜査官が、瀕死の重傷を負ってるテロリストの顔をはぎとり、それを自分の顔と取り替えて、そのテロリストになりすまして情報を得ようとしたところ、そのテロリストも逆にFBIの顔を自分に移植してその捜査官になりすまし、立場が入れ替わってしまう、と(わかりにくい説明だな。映画見て)。しかも、超極秘の作戦(というか、違法行為に近いんだけど)だった上に、FBIの捜査官の顔になったテロリストがすべての証拠を処分し、関係者も処分してしまったために、事実を知る者がいなくなり、FBI捜査官はテロリストとして牢獄につながれ、テロリストはFBI捜査官の仮面をかぶって悪事を働こうとする。
設定としてはすごくおもしろいと思うんですよ。あんまり新しいアイデアじゃあないかもしれませんけどね。
ただ、この映画の予告を見た時点で、明らかに双方の顔の皮を剥ぎ取って移し替える、というシーンがあり、わたしとしては「なんでわざわざ顔の皮と剥ぐ?」と思っていたんです。何もそこまでしなくても、整形でいいじゃないか、と。たとえば、整形しただけじゃあ耳の形が違うから、という理由じゃなさそうなのは、予告を見た限りでは耳まで移植しているわけではなさそうだったので、わかってはいました。映画を見ればその理由がわかるかと思っていたんですが、結局そこを説明する部分はありませんでした。
なんでも、新しい移植技術、みたいなことはいってました。本来の骨格の上にただ相手の顔の皮を張りつけるだけではなく、間に特殊な素材の骨格のようなものを入れる、というようなこともいっていましたが、なんだかいまひとつ納得はできませんでした。だいたい、ケイジの顔の上にトラボルタの顔の皮を張りつけるのはまだしも、トラボルタの顔の上にケイジの顔の皮を張りつけるのは、少々無理があるような気がしないでもないんですけどね。
あと、相手になりすますわけですから、当然髪型も変えなきゃいけないわけなんですけど、その髪を切る作業を、移植手術してる最中にやるかねぇ。腹を裂いてるときに頭髪を切る、ぐらいだったらまだわかるんだけど、顔の皮剥がしてる最中に、頭の毛ですよ。切り口がすぐそこにあるのに、はえぎわの毛を切るってのは、どうにも納得ができない。
で、入れ替わった後に、FBI捜査官になりすましたテロリストは、当然捜査官の家に行き、奥さんとまあ、いろいろあるわけですが(笑) その時点で、奥さんは気がつかないもんですかねぇ。やり方が違うとか、持続力が違うとか、形が違うとか、大きさが違うとか(笑)
まあ、そのあたりに関していうと、この映画のいいところは、はっきりとしたそういう描写がないところですかね。アクション映画見てて腹が立つのは、たぶん「静と動」の静の部分のつもりなんでしょうが、必ずといっていいほどベッドシーンがあること。いらないんだよ、そういうシーンは。そういうの見たかったらアダルトビデオ見るってば。静と動の静は別のもので表現できるでしょうが。
で、この映画は、ちゃんと「別のもの」で表現してました。しかも、主人公(FBI捜査官)の心理描写にあてている。そのあたりは好感が持てます。
伏線の張り方も、「おお、そこで靴紐が出てくるか」とか(これはたいした伏線じゃぁありませんけど)「おお! ここでナイフか」とか、結構気がきいてます。しかもナイフは今はやりのバタフライナイフだし(笑)
見ている側が一番気になるのは、「最後はいったいどうなるんだ?」ってこと。まさかFBI捜査官になりすましたテロリストが、そのままFBI捜査官になり続けるってことはないでしょうから、悪い奴は死ぬなり捕まるなりするんだろうとは思いながら見てるんですが、途中で、「おい、まさかこのまま入れ替わっちゃうんじゃないだろうな」と思わせるシーンもあって、結構どきどきします。まあ、映画としては、どっちでもおもしろいんですが、この手のアクション映画の王道としては、最後はハッピーエンドでしょうね。そのためには、二人が入れ替わっているということを証明しなきゃいけない。そのための伏線も、一応最初の方でちゃんと出してますけどね。それにしたって、みんながいきなりあっさり信用しちゃうんで、こっちはちょっと拍子抜け。まあ、それまでにたぶんまわりの人間は「あれ? こいつ変わったぞ。どうしたんだ?」と思ってたんでしょうし、そう思わせるようなシーンは山ほどありましたけど。それにしても、あっさりしすぎのような気がします。
あと、胸の傷のネタも、「それしか使わない?」という感じがしましたねぇ。わたしはてっきり、テロリスト(FBI捜査官に化けてる方ね)の胸に傷がないのを見て、奥さんが気がつくんだと思ってましたけど、それはなかったし。
まあ、色々文句はいってますが、はっきりいって、わたしは好きな映画です。見ていて緊張するシーンは多いし、全体の展開もなかなかおもしろい。ビデオが出たらぜひ見てください。って、まだ劇場でやってるんですけどね(笑)
ところで、ニコラス・ケイジの顔を見るたびにエリック・アイドルを思い出すのは、わたしだけでしょうか? って、エリック・アイドル知ってる人がどのくらいいるかだが(笑)
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