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[ 映画の感想文のようなモノ ]
映画「トゥモロー・ネバー・ダイ」
小説「トゥモロー・ネバー・ダイ」の感想文のようなモノを読む

1998.04.05

 イアン・フレミングが007シリーズの最初の一作目、「カジノ・ロワイヤル」を発表したのが1953年だから、それからすでに何年過ぎているかは・・・・  
 しまった、ノベライズの方の感想文のようなモノの書き出しが混じってる。  
 007というのは「ダブルオウセブン」と読むのが正しい。という話しもノベライズの方の感想文のようなモノでやってしまったな。  
 シリーズ18作目なのだそうです。  
 ということは、007映画としてはちょうど20本目になるはずなのですが、誰もどこでもそのことに言及していない。わたしもあんまり言及するつもりはないんだけど、一応紹介しておきましょう。  
 007の映画には、一般に「007シリーズ」と呼ばれている、あのおなじみのテーマソングを使った映画のほかに、「カジノ・ロワイヤル」という映画と「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」という、シリーズに入っていない映画があります。「ネバー・セイ」の方は、初代ジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリーが「やっぱり俺にやらせろ」とばかりに、よその会社で作った映画ですから、ご存知の方も大勢いるでしょうが、「カジノ・ロワイヤル」の方はほとんど誰も知らないだろうなぁ。デビッド・ニーブン主演、なんていわれても、「誰、それ?」ってな感じでしょ。まあ、そういう映画もあるってことだけ知ってれば、内容は知らなくても多少自慢できます。  
 で、このシリーズ外の2作品は、当然、例のテーマミュージックも使ってないし、ロゴも銃をデザインした、あのロゴではありません。オープニングだって、いつもの銃口の中から見た、あのオープニングじゃありません。  
 ってことで、シリーズの方の話題に戻りましょうか。  
 シリーズ18作目。主役がピアース・ブロスナンになって2本目の作品です。ちなみに、ほとんどの方が知っているでしょうから、蛇足のような気もしますが、ブロスナンはシリーズ中五人目のボンドです。一作しか作ってもらえなかった、かわいそうなジョージ・レーゼンビーの名前や、わたしは結構好きだったのに、二作しか作ってもらえなかったティモシー・ダルトンの名前なんか知ってると、これも多少自慢できます。  
 「自慢できます」ついでに、「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」というタイトルは、コネリーが「もう(ボンドなんか)に度とやらねぇ」(ネバー・アゲイン)と言ったのに対して、奥さんが「二度とやらないなんて、二度と言わないで」(ネバー・セイ・ネバー・アゲイン)と言ったのをタイトルにしたとかしないとか。  
 まあ、こういうことを知っていると、ほんとにちょっとだけ自慢できます。ってことは、さっきから単に自分が自慢してるだけだってことは、すでにばれてますね。  
 さて、「トゥモロー・ネバー・ダイ」です。  
 このタイトル、どういう意味かと思ったら、単純に「明日はけして死なない」で良いんだそうで。ちょっとひねった訳しかたをすると、「明日はきっと来る」というようなことになるのでしょう。でも、映画の筋とはあんまり関係ないような気がしたんですが、どんなもんでしょう。  
 ストーリーはノベライズの方の感想文のようなモノを見ていただくとして(書いてないです。本気にして見に行かないように)、とりあえず、ノベライズと映画の違いをいくつか。  
 まず、沈んでいる戦艦から脱出するときに、ノベライズでは酸素ボンベを失うのはウェイ・リンだけなんですが、映画ではボンドも酸素ボンベなしで浮上します。  
 それから、ノベライズにはハン皇太子というのがちらっと出てきますが、映画には出てきません。まあ、チャン将軍も、ノベライズにも映画にも出てくるには出てきますが、ほんの一瞬だけなので、何のために出てくるのか、よくわかりません。一応、ウェイ・リンはチャン将軍を追っていて、カーヴァーのもとにたどり着いた、ということのようですが。  
 あと、最後の決戦に向かう途中で、ノベライズではボンドとウェイ・リンのベッドシーンが一瞬ありますが、映画の方にはありません。カットされたんでしょうか?  
 カットされたといえば、これはあきらかに、撮影はされたけれどカットされた、というシーンがありました。ボンドがQからボンドカーを受け取るシーンで、車の入った木箱をQが開けるときに、一度間違えて違う箱を開けてしまい、中に豹(ジャガー)がいる、というシーンがあります。これは、ノベライズにもちゃんとあるし、映画用に撮影もされたようですが、カットされてしまったようです。一応、画面の奥にジャガーのいる檻が写ってました。  
 大きな違いはこんなもんかな?  
 シーンによっては、セリフまでほとんどそのままで、あきれてしまいましたが。  
 さて、次に悪口です(笑)  
 一番気になったのは、これは映画のせいじゃなくて翻訳のミスなんですが、「素人はだし」というセリフがありまして。「はだし」に傍点ふってあったから、もしかしたらわざとかもしれないんだけど、前後のセリフや状況から見て、どう考えても誤りです。「素人はだし」という言葉は、ギャグで使う以外には使い道はありません。正しくは「玄人はだし」。これは本来「素人のくせに、玄人もはだしで逃げ出すほどの腕前」という意味なのですから、「素人はだし」じゃあ、けなしてることになる。念のためにいっておきますが、「玄人はだし」は、あくまでも素人に対する誉め言葉ですので、間違ってもプロに向かって言わないように。  
 次に、ボンドとウェイ・リンが手錠でつながれて逃げるシーンですが。その中に、ふたりで窓を蹴破ってビルの中に入るシーンがあります。そのシーン、一瞬だったのでよくわからなかったのですが、どう見ても、二人の間には窓枠がある。二人は二枚のガラスをそれぞれ蹴破って中に入ったのですから、二人の間には窓枠があったんです。でも、そのとき二人は手錠でつながれていたはず。監修に引田天功(字が違うかも)の名前も、ハリー・フーディーニの名前もなかったけど、あれは手錠抜けのマジックだったに違いない。って、フーディーニはとっくに死んでるから監修できるはずないんですけど。  
 で、その手錠でつながれたまま逃げるシーンでは、その後二人でバイクに乗るんですが、向かい合わせのタンデムってのは、ちょっとHっぽくていいかもしれない(笑)  
 なんでも、前作「ゴールデン・アイ」では、ばかでかい戦車を使ったカーチェイスをやったから、今度は思い切り小さな乗り物で、ってことでバイクになったのだそうですが、どうせなら、自転車にしてほしかった。あ、これはすでにジャッキー・チェンがやってるか。  
 「ゴールデン・アイ」の戦車のカーチェイスといえば、わたしはあの(ボンドが戦車に乗って、壁をぶち破って追いかけてくる)シーンを見たときに、「俺が女だったら、こりゃ惚れるかもしれない」と思ってしまったのでした(笑)  
 あとひとつ疑問が。  
 ラストで、ウェイ・リンが鎖につながれて海に沈められます。そのとき、鎖の一方は船の滑車につながっていますから、水中でも当然、ウェイ・リンは鎖で釣り下げられているような状態です。で、その後船が爆発するんですが、どういうわけか、爆発の後でも鎖は上から垂れ下がっています。水面に出ると、船はほとんど跡形もなく、破片しか残っていない状態だというのに。あの鎖は、いったいどこにひっかかっていたのでしょう?  
 そういえば、中国のパソコンのキーボードが一瞬出てくるんですが、あれって、ほんとにああいう感じなんでしょうか? 誰か教えてください。  


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