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2000.11.19
この映画、日本語の題名は「スペース・カウボーイ」になっているのですが、原題はなんなんだろう、と思ったら、英語でも「スペース・カウボーイ」のようで。スペースはいいとして、いったいどこがカウボーイなんだろう？ そういうことを、あんまり気にしちゃいけないのかな？
実は、見ながらいくつかのメモは取ったんですけどね。はっきりいって、あんまり面白くなかった。いや、おもいっきりけなすほどの愚作ではないんですが、拍手喝采するほどの名作でもない。どうも、中途半端な感想になりそうです。
久しぶりの「感想文のようなモノ」ですが、例によってネタに触れる部分がいくつもあります。まだ観ていない人は、すぐに劇場に観に行きましょう。神奈川県は川崎の映画街チネチッタでは、毎週月曜はメンズ・デイだそうで。男性は１０００円ですし。
さて、オープニングからしばらくは、１９５８年を舞台にしていて、画面も白黒です。それどころか、オープニング前のロゴまで白黒にしていて、そのあたりは凝ってるなぁ、と思ったのですが……
若いころの登場人物たちを演じている役者たちがまた、それぞれ雰囲気を出していて、特にイーストウッド演じるフランクの若い頃を演じたトビー・ステフェンス（読み方があってるかどうかわかりません）なんぞは、表情だけでなく、声の感じやしゃべり方まですごく似ていて、観ている最中は「ひょっとしてコンピュータ・グラフィックに、イーストウッドが声をあてて、それもコンピュータ処理したんじゃないか？」と思ってしまいました。まあ、いくらなんでもそこまでしないだろう、とおもっていたら、ちゃんとエンドロールに「ヤング・フランク」の役名がありましたけど。
まあ、そんなところにコンピュータ・グラフィックを使わなくても、この映画には使う場所がいくらでもありますからねえ。圧巻だったのは、宇宙へ行ってから地球を眺めるシーン。宇宙空間に浮かんでいる状態で、バックに地球が見えるのですが、これがなんともすごくて。観ているこっちもホントに宇宙から地球を眺めているような気にさせてくれます。このシーンはたぶん、どんなに大画面でも、家庭用のテレビでは雰囲気は味わえないでしょう。問題は、ここを観るためだけに、映画館に足を運ぶ価値があるかどうか。
そうそう、念のために書き添えておきますが、人工衛星が浮かんでいるあたりは、正確には「宇宙空間」ではないのだそうです。地球の重力と遠心力のバランスが丁度とれているあたりで、衛星軌道と呼ぶのだそうで。正しくは、そのあたりよりも先が「宇宙空間」と呼ばれるのだそうです。ホントかどうか知りませんが。
ラストシーンもなかなか印象的でした。ホークはちゃんと月にたどり着いて、しかもしっかり歩いて岩まで行っているんですね。もちろん、最後に写っているときには、もう死んでいたんでしょうが。ちょいと泣けます。
ただ、全体的に見ると、ありがちな展開というか、先が見えてしまうというか。メンバーの全員が全員、すんなり召集に応じはしないだろうなぁ、と思っていればその通りになるし、でもすぐ来るんだよな、と思っていれば、ホントにすぐ来ちゃうし。旧ロシアの通信衛星がホントにただの通信衛星だと思って観ている人はいないと思いますし、作ってる方もそんなことは最初から承知の上だったんでしょうが。なんかあたりまえすぎてつまらない。一緒に行った若手が役に立たないどころか、問題を大きくしてしまう、というのもセオリー通りだし。まあ、クリント・イーストウッドが製作・監督なんですから、あんまり奇をてらった展開にされても、観ているこっちが面食らっちゃいますけどね。
ほかに不満といえば、ホークを置いて来ちゃったこと。いや、それは映画の展開として当然というかしょうがないというか、まあいいんですが。最高のパイロットであるはずのホークを置いてきてしまっては、再突入の時のパイロットがいないだろう、と。確かにフランクも腕利きのパイロットなんでしょうが、着陸のときにあれをやるなら、やるべきはフランクじゃなくてホークじゃなきゃだめだろう、という気がしました。まあ、癌が発覚した時点で「こりゃ宇宙で死ぬかな？」とは思いましたが。
あとの不満といえば、ホーク以外のメンバーの特技が、宇宙に行くまであまり描写されていないこと。タンクがアームを扱うのがうまいということは、ＵＦＯキャッチャーで一瞬出ていましたが、若い頃にその手のシーンが入れてあれば、もう少し面白かったんじゃないか、と思ってしまいました。ついでに、教会の奥の部屋に、山ほどぬいぐるみがあったりしたらもっとよかったかな、と。
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