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2002.03.11
知っている人は知っている「指輪物語」の映画化です。たしかこの作品、以前に長編アニメになってませんでしたか?
まあ、「指輪物語」といっても、知らない人はたぶんまったく知らなかったでしょう。知っていた人でも、知ってるだけで読んだことはなかった、という人も大勢いらっしゃるんじゃないでしょうか。実はわたしも読んでなかった口なんですが。なんせ、読もうと思ってもなかなか手に入らない。見つけても長いわ読みにくそうだわで、手を出してなかったんです。映画の公開のおかげで、書店にハードカバー全七冊だの文庫全九冊だのが並んでますから、興味の有る方は読んでみてもよいかもしれません。わたしは今迷ってるところです。
で、今回の映画化は原作に忠実な完全映画化だそうで、原作と同様に三部作になっているそうです。しかも、15ケ月だかをかけて三部作を同時に撮影したそうです。
三部作になっている、ということで、今回の作品は当然第一部になりますが、ポスターなんぞを見る限り、どこにも「第一部」とは書いてありません。原作は第一部に「旅の仲間」というサブタイトルがついていて、映画の方も英語ではちゃんと「THE FELLOWSHIP OF THE RING」と書いてあるんですが、日本語のポスターだと、これが三部作の第一部だ、とはっきり書いていないようです。ひょっとすると、これが三部作の一作目だということを知らない人もいるかもしれません。そういう人がこの映画を見た場合、エンディングで「これで終わり?」と思っちゃうかもしれません。最後にちゃんと「続く」と入れるべきだったんじゃないでしょうかねぇ?(笑)
お話しは、ファンタジーの基本のような物語ですから、そういうものに興味のない方は、とっつきにくいかもしれません。ホビット族だのドワーフ族だのエルフ族だの魔法使いだのがいて、人間族もいて、冥王と呼ばれる魔王がいて、というようなことを含めて、指輪に関する説明が、映画の最初にされるのですが、これが辛い。なにしろほとんど語りで説明していますから、必死に観ていても実はよくわからなかったりする(笑) はっきりいって、この発端部分だけで、映画が一本や二本作れちゃうぐらいの濃さなのに、せいぜい十分程度で説明するんですから、ちゃんと理解しろ、というのが無茶といえば無茶かもしれません。
まあ、平たくいえば、冥王が持っていた魔法の指輪に、遠い昔に滅びたはずのその冥王の魂がまだ宿っていて、まもなく冥王が復活する。それを阻止するためには、指輪を冥王の国にある火山の火口に投げ入れて破壊しなければならない。ひょんなことからその使命を帯びてしまったホビット族の主人公が、各種族の仲間たちと共に、世界を守るために命をかけて旅をする、というお話しです。「ドラゴン・クエスト」あたりを楽しんでやったことのある人なら、たぶんとっつきやすいと思います。
しかし、とにかくわかりにくい。
まず一番困るのが、各国の位置関係が把握できないこと。冒頭に地図は出てきますし、パンフレットにも載っていましたが、日本語で書いてくれなきゃわかんないって。ホビットの村を出発して、最終目的地はモルドールって場所なんだ、ということはわかりますが、どこをどう旅しているのかよくわからない。こう考えると、「レイダース」でやった、飛行機で移動中にバックに地図をダブらせて、線で移動状態を説明するってのは、うまい手だったんですね。
それから、人間族の登場人物が二人いるんですが、わたしは途中でこの二人がどっちがどっちだかわかんなくなっちゃいまして。まあ、ラスト近くでちゃんと理解できたんですが、時既に遅しって感じでした(笑)
あとはまあ、ドワーフ族ってのは、見た目や行動から、なんとなく性格がわかりやすいのですが、他の種族がちょいとわかりにくい。エルフ族ってのがどういう種族なのか、というのが、映画を観ているだけだと一番わかりにくいかもしれません。まあ、感じとしては「ルパン三世」の石川五右エ門のような連中、と思っておけばなんとなくあってるかも(笑) それでいくと、人間族が次元大介でドワーフ族が銭形警部っぽいと思えばいいかもしれません。あくまでも基本的な性格が、という意味ですよ。
三時間という長い作品なんで説明不足という気はしませんが、いっそのこと四時間ぐらいの作品にして、「七人の侍」みたいに途中に休憩入れるとか、第一部だけで二回にわけちゃっても良かったんじゃないでしょうか。
とにかく、漠然と観ているとわからなくなっちゃう可能性が高いので、観に行くときには、覚悟を決めて見に行くように(笑)
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