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[ 映画の感想文のようなモノ ]
映画「踊る大捜査線 ザ・ムービー2
レインボーブリッジを封鎖せよ

監督:本広克行 主演:織田裕二/柳葉敏郎

2003.07.20

 五年ぶりの続編だそうです。どうやら続編というのは、十二年も間をあけちゃいけないようです。かといって三年四年じゃあ短いようで。って、四年と五年じゃそれほど違いはないか(笑)  
 ってぇことで、一作目と同様に初日に観てまいりました。実はここ何回か、期待の続編モノで少しガッカリさせられることが続いてしまったので、楽しみにはしていたのですが、あんまり大きな期待はしないようにしようとも思っていました。それがよかったわけではないのでしょうが、現状ではおそらくこの作品がこの夏トップ独走でしょう。  
 ということで、例によってネタバレ満載でお送りしますので、ここから先はすでに映画を観た方か、ネタバレでもかまわない、という方だけご覧ください。  
 とはいっても、この作品は実は多少知識を持った状態で観た方が面白いのも事実です。前作でもそうでしたが、今回も、可能であればテレビシリーズだのスペシャルだの映画の一作目だののビデオを観て、きっちり復習をしてから観にいくことをお薦めします。  
 さて、まずは不満からいっときますか。  
 犯人が公衆電話から電話してきます。いまどきなんで携帯を使わない? という疑問が出てくるのですが、それに対する明確な答えはなかったようです。  
 後半にワイヤーを使ったブービートラップが出てきます。通常そういうものって爆発物なんですが、この作品ではそうではありません。その理由がはっきりしないのと、捜査員が対爆発物の注意をまったくしていないのが、ちょっと気になりました。  
 監視カメラも、あれだけ凄いことをいっていたのに、一度カメラで捕らえた犯人を見失うってどういうことよ、というのは映画のセオリーなんでしかたないのかな? にしても、あの程度の監視カメラだったら、既に実用化されてると思うのですが。機械の性能はかなり高くなってますから、面倒なのは大量のカメラの制御だけですから。  
 地下道の入り口と出口の位置関係も、ちょいとわかりにくかったようです。わたしはてっきりお台場から入って蒲田に抜けようとしているんだと思っていたのですが、そうではなかったようで。だからといって、蒲田から入ったにしては、そこに行くのにもっと時間がかかってもよさそうな感じがしますので、いったいどこから入ったのやら。  
 蒲田といえば、カメダのネタは少々無理があるような……  
 あと、この作品のパターンなのでしかたがないのでしょうが、管理官は室井がベストといった感じの作りなので、新しく来た管理官の立場が決まりきったものになってしまうのが、少々残念です。もし三作目を作ることがあるのなら、室井よりもずっと現場に入りこんだ管理官が来て、所轄のやりたいようにやらせてくれる、ってパターンも手かもしれません。青島も室井より動きやすいや、なんて思ったりして、しかもそのために事件が入り組んじゃったりして、というのはいかがでしょう?  
 わたしは途中で少しダレたような感じを受けたのですが、それもそれほど気になるほどのものではありません。  
 といったところで、たぶん細かいところをみていけば、もっとアラは探せるんでしょうが、そんなものを吹き飛ばしてしまうだけの面白さです。  
 オープニングからやってくれます。この作品、お台場あたりの映画館で観たら、本編が始まってもしばらくはCMと勘違いすることでしょう。そこからつながるオープニングのエピソードも面白いし、しかもきちんと後につながっています。この公開訓練のエピソードって、テレビだったら丸々一回分のネタになると思うのですが、惜しみなく十分程度で終わらせちゃうのも凄いです。  
 わたしは一作目のタイトルバックとエンドロールをけなしていたんですが、今回はかなり気に入ってしまいました。一作目よりもテレビ寄りのタイトルバックで、でもきちんと映画のタイトルバックなんですね。エンドロールでは、左側にスチール写真が出ているのですが、これが良く見ていると、映画の中には出てきていないシーンが時々入る。それが撮影のスナップというのではなく、ちゃんと登場人物たちのスナップになっているんです。つまり、そのためだけに撮影されているんですね。なにしろこの作品のスタッフの凝りようときたら、何種類ものカップ麺を作り出しちゃったりしたのはあちこちで紹介されていることですから、いまさらここには書きませんが、って書いてるか(笑) 今回、カエル急便が出てこないのがちょいと寂しいのですが、もしかしたらわたしが気づかなかっただけで、出ていたのかもしれません。  
 しまった枚数が来た。いいや、続けちゃえ。  
 とにかく画面のスミの方で本筋とは関係ないのに細かいギャグだの前作やテレビとのリンクがあるようで、それを探すだけでも楽しめる作りになっているそうです。スリのお母さんがテレビシリーズでもスリやってたとか、前作にも出ていた人が今回も随所に出ているとかいう噂もありますが、事実関係は未確認です。もちろん、そんなもの探さなくても充分楽しめるんですけどね。  
 とにかく、全体的なノリが前作とほとんど変わらないのがうれしいです。登場人物たちの間抜けぶりもかわりません。緊迫したシーンの中でボケを入れる演出のうまさは、前作のいびきに引き続き、絶妙なタイミングです。  
 とにかくお薦めの作品。わたしはもしかしたらまた劇場に観に行くかもしれません。下手したら何度か。少なくともビデオが出たら絶対に観るでしょう。  
 最後にひとこと。  
 潜水艦の事件、観て〜っ!  


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