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映画「箪笥」 監督:キム・ジウン 主演:イム・スジョン/ムン・グニョン |
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2004.07.25
まず最初にことわっておきましょう。この映画、ホラー映画のような扱われ方をされていますが、ほとんど怖くありません。作り手は、一生懸命観客を怖がらせようとしているようですが、怖いと思えるシーンは多くありません。 観客を怖がらせようとしている映画の中には、実はいくつかの種類があって、わたしが一番苦手なのは、勘違いしている映画。つまり、怖がらせるのではなく、びっくりさせる系統の映画です。実は、遊園地などにあるお化け屋敷というのは、恐怖ではなく、この驚愕系のものなので、わたしは大嫌いです。怪談話しなどでも、淡々と話しをしていて、いきなり大声を出して驚かす、というやり方がありますが、あれも大嫌いなんです。はっきりいえば、後ろからこっそり近づいて「わっ!」と大声を出して驚かせる。恐怖映画でこの手の作り方をしている映画は、わたしは好きじゃないんです。 で、この映画、実はそのパターンが強いんですね。話しの内容からして、そういう脅かし方は違うだろう、と思うのですが、作り手がこういう作り方してしまったのですから、観客が文句を言ってもしかたありません。 さてこの映画の話しをしましょうか。 例によって、ネタばれバリバリでお送りいたしますので、みなさん参考にしてください(笑) はっきりいって、わたしはこの映画を観ている間中、「このうちの一人は絶対に存在していないはずだ」と思って観てました。 その証拠を探すために、必死になっていたと言っても過言ではないかもしれません。しかし、家族四人で食事をするシーンがあったために、その考えはかなり早い時期に消されてしまいました。そこで次に考えたのが「この中のだれかが絶対におかしいんだ」ということでした。 そう考えて観ていると、みんながみんなおかしく見えてきちゃうんですが(笑) で、観終わった今だから言えることですが、この作品の監督は、観客に対してフェアプレイの精神を発揮する、ということは考えていないのでした。つまり、映画を観ていても観客は絶対に途中で先を予測することはできないのです。はっきり言えば、わたしの努力は無駄だった、と。誰か先に教えておいてくれよ! 正直いって、劇場で観るほどの映画じゃなかったな、というのが感想です。実は、韓国映画を劇場で観たのは、これが初めてなんですけどね。いや、ひょっとすると、韓国映画をまともに観たこと自体、初めてかも。 そういう意味では、ホントならもっと文句バリバリになりそうな気がするんですが、実は今回、川崎のチネチッタでスタンプがたまって、招待券を手に入れたので、タダで観たんです。だから、財布は痛んでいないので、あまり文句は言いません。まあ、正直に言えば「スチーム・ボーイ」観た方がよかったかな、という気はしてますが。 けなすばかりでは能がないので、少しは誉めておきましょうか(笑) まず、オープニングで医者と患者の対話があります。対話ったって、医者が一方的にしゃべっているだけで、患者はほとんど反応しないのですが。ここで、医者が「あの日何があったのか教えてください」というようなことを言います。ここから話しは、一家が住む家に移っていくのですが……わたしはここで、つくり手の作った罠にはまってしまいました。作り方が、あたかも過去に戻って回想しているように作られているのですが、実はこれ、過去に戻っているわけではなかったんですね。それがわかったのは、映画を観終わってしばらくたってからなのですが(笑) ヒントは写真。 あと、「わっ!」と脅すようなシーンの多い作品ですが、一部ゾクッとするシーンもありまして。わたしが一番ゾクッときたのは、継母が流しの下を調べているとき、流しの下には何もないことがわかって、ゆっくり立ち上がると、いつのまにか背後の椅子に少女が座っている。このシーンがなぜかゾクッとしました。 この映画、スピルバーグが史上最高額でリメイク権を買ったというのが自慢のようですが、スピルバーグが監督をやるかどうかは別にして、ちゃんとフェアプレイで作ってくれるのを期待しましょう。わたしはたぶん観ませんが(笑) 最後に、観てきた人、どなたか教えていただきたいのですが、あの袋はいったいなんだったのでしょうか? あの袋が出てくる理由が、何度考えてもわからないのですが。 えらく怖いわけでも、えらく泣かせるわけでもなし、観終わった後に、何も残らないという意味では、あの「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」に近いかも。 |
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| 以下はみなさんからいただいた感想です |
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