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映画「交渉人 真下正義」 監督:本広克行 主演:ユースケ・サンタマリア/寺島進 |
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2005.05.18
個人的には、日本のエンタテインメント・ムービーとしてかなりイイセン行っていると思っている、「踊る大走査線」シリーズの外伝とも言える作品です。 ドラマにしろ映画にしろ「踊る大走査線」では脇役だった真下正義が、「踊る大走査線・ザ・ムービー2」でネゴシエーターになって颯爽と現れ、そして今回は主役です。作品内の真下の出世と同じように、扱いも大出世ってところですね。 なんでも、「踊る2」の舞台挨拶だかなにかのときに、ユースケ・サンタマリアが「次は”交渉人 真下正義”です」ってなことを冗談で言ったのが、この作品が作られたきっかけだったとか。まあ、あと二作ぐらいは、この主人公で続きを作ってもいいんじゃないですかね? あんまり続けられると飽きちゃうかもしれないんで、三部作ぐらいで止めていただいて(笑) 基本的には、「踊る」シリーズを知っている人が観ることを前提に作られています。したがって、会話の中でしか出てこない青島やすみれが何者なのか、細かい説明はありません。そもそも、雪乃が真下の恋人だ、ということは映画を観ていればわかりますが、雪乃も刑事だ、ということははっきりとは出てきません。ラストの方で、それっぽい演出をしてもよかったんじゃないかな、という気もします。とはいえ、既にシリーズを知っている人にとっては、そんな演出は無駄なわけですから、もし過去の作品を知らない人がいたら、ビデオかDVDでチェックしてね、ということでしょうか。 だからって、面白くないということじゃありませんよ。十分に面白いです。はっきりいって、半端な大作なんぞよりも、娯楽作品としてはとっても面白いです。仮に過去のシリーズ作品をまったく知らない人が観ても、十分楽しめると思います。 だから、細かい文句が山ほど出てきます(笑) まず、真下の扱いなんですが、もう少し格好悪くしちゃっても良かったんじゃないかな、と。もっと自信なさげな感じで。自信なさげなんだけど、やることは間違ってない、という感じで。部下に対する態度も、もう少し気弱な感じにしておいて、傍から見てると部下に馬鹿にされてるように見えるんだけど、部下は真下の能力を知ってて、性格的には信用していないけど、仕事に対する判断は正しいことがわかっているので、指示通りにしっかり動いたり、とか。 実際そういう演出も少しはあるのですが、今回あまり真下の情けなさが表面に出ていなくて、いつもならコメディ・リリーフの真下が、かなり二枚目に扱われています。その代わり、TTRという地下鉄網の広報主任が、一生懸命笑いを取ってます。ちょっとやりすぎなぐらいに(笑) あと、ある意味主役な新型地下鉄「クモE4−600」の外見がねぇ。試作車両とはいえ、現実感がないような気がして。いかにも悪ものでござい、という雰囲気が出すぎてて、最初からこうなることを想定してデザインされたんじゃないか、と思っちゃいます。って、映画的には、こうなることを前提にしてデザインされてるんですけどね。 他にも文句はあります。 片岡の母親出す必要あったか? 出したとしても、雪乃と会話させる必要あったか? とか、和久から送られた盆栽ったって、映画見ててもわからないよ、とか。いきなり機材持ち込んでも、ネットワークはそんなにかんたんに張れないぜ、とか。 個人的に爆笑したのは、取り寄せたデータがフロッピーだったり、ZIPだったり、揮発メモリだったりしたところ。わからない人には何が面白いのかさっぱりわからないでしょうが。しかも、その後ちゃんと外付けドライブも取り寄せるところが笑えます。ネックは、十年前に写真入りのスキル票をデジタル媒体で保存しておく習慣があったかどうか、というところと、ソフト屋は孫受け曾孫受けがあたりまえで、十年前ならそれを内緒にしている風習がまだ残っていたはず、というところ。つまり、たどるのはほぼ無理、と。 まあ、この作品にそこまで突っ込み入れてもしょうがないんですが。 あと、少し気になったのが、この時期にこういう内容の映画をよく公開したなぁ、というところ。何しろ、暴走する電車がモチーフになってるんですから。まあ、時期的にもう延期できるタイミングではなかったのでしょうけどね。 あと、よく考えたらこの作品、人は一人も死んでないんじゃないかな? 結局犯人の正体はわからずじまい、というか、ラストで犯人がどうなったのか不明のままですが、続きは夏に公開される「容疑者 室井慎次」で、ということなのでしょう。 |
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