縦書きで読む
[ 映画の感想文のようなモノ ]
映画「ブルース・ブラザース2000」

1998.06.10

  十八年も前の作品の続編を、なんでいまさら作るかって感じですが、確かにその通りでしょう。「ブラザース」とはいっても、前作の主役はどちらかというとジョン・ベルーシで、しかも彼はすでに死んでいる。ブラザースの片割れ、エルウッドを演じるダン・エイクロイドは生きているけれど、前作ではどちらかといえばおとなしい性格で、ジョン・ベルーシ演じるジェイクに振り回されているような感じだった。  
 と書いても、十八年も前の作品ですから、知らない人も多いでしょう。たぶんビデオが出ていますから、借りて見てください。はっきりいって、この続編よりも、ずっと面白いですから。  
 最初にいっちゃいますが、この「ブルース・ブラザース2000」は、映画としては、ちっとも面白くありません。「ブルース・ブラザース」という看板がなかったら、たぶんプロデューサーも作りはしなかったでしょう。  
 一作目の方も、アメリカではどうだか知りませんが、じつは日本ではあまりあたりませんでした。どっちかというと、カルト映画に近いかもしれません。それでも、随所にちりばめられたギャグは、結構笑わせてくれるものがありました。  
 かなりむちゃくちゃなことをやっているにもかかわらず、人はひとりも死なない、という作り方。ラスト近くに、警官に囲まれて銃を突き付けられるシーンなんぞ、いつだったか日本のテレビドラマで似たようなことをやっていて、「おい、こりゃパクリじゃないか。それとも、ブルース・ブラザースのファンか?」と思ったこともありました。キャリー・”レイア姫”・フィッシャーが出ていて、「げ、こんなにおばさんだったっけか?」と思ったり。  
 まあ、一作目の評価は、やがて少しずつ高くはなりましたが、それでもそれは映画としての評価ではなく、結局は中で使用されている音楽や、出演しているミュージシャンがすごい、といった評価でした。それはたぶん、この続編でも同じでしょう。  
 出ているミュージシャンは、かなりすごいようです。「ようです」という言い方をしたのは、これはもう、わたしはそっち方面の知識がないからで。顔を見て名前がわかったのは、アレサ・フランクリンとジェームズ・ブラウンとB.B.キングぐらいで、あとはさっぱりわかりません。  
 音楽に関しては、わたしにとっては嫌いなジャンルの音楽ではないので、かなり楽しませていただきました。それでもやっぱり、一作目ほどのインパクトはありません。もちろんそれはあくまでも、わたしにとって、という意味ですが。  
 細かいギャグは山ほどあります。ありますが、多少わかりにくいものも少なくありません。なぜかというと、ギャグの半分近くが、前作のパクリというか、前作で使ったギャグを踏まえた上でのギャグだからです。  
 いきなり「時計が壊れた」といわれても、前作を知らない人にはなんだかわからない。いや、前作を知っていても、全部ちゃんと知っている人でなければわからないでしょう。だいたい、オープニングからして、前作のパロディになってますから。  
 まあこの映画、劇場で見るよりも、一作目と続けてビデオで見るのが一番いいんじゃないでしょうか?  


Copyright(c) 1997-2007 Macride 感動したい、笑いたい、今の気分にぴったりの人気作品を検索してくれる、便利な映画・ビデオ・DVD総合ナビゲーター!
ご意見ご感想は メール 掲示板
以下はみなさんからいただいた感想です
俺にも言わせろ!という方、自分の書き込みを削除したい方は