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映画「ポストマン」 |
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1998.09.22
公開当時、宣伝用の記事以外では基本的にけなされっぱなしだった、ケビン・コスナーの超大作です(笑) わたしは個人的にケビン・コスナーがあまり好きではないので、一度として劇場で作品を見たことがありません。劇場で見ておけばよかった、と後悔したのは「アンタッチャブル」と「ダンス・ウィズ・ウルブス」ぐらいで、あとはビデオにしておいてよかった、という作品ばかりです。 「ボディガード」も、作品としては悪くなかったのですが、風の噂で、あの脚本はもともとスティーブ・マックイーンのために書かれたものだった、と聞き、そう思いながら見たら、ケビン・コスナーじゃぁ面白くないんですね、これが(笑) しかも、ときどきコスナーの顔がマックイーンっぽく見えてしまったりして。そうなってくるともう、わたしにとって「ボディガード」はコスナーの作品ではなく、マックイーンの作品のリメイクってことになって(笑)、ありもしないマックイーンの作品と比較しちゃって(笑)、マックイーンの方が面白いや、という結論になってしまうわけです。申し訳ない。 そういえば、「ボディーガード」以来、わたしはコスナーのことを「警備員・コスナー」と呼んでるんですが・・・・ それはそれとして、「ポストマン」 「ダンス・ウィズ・ウルブス」以来、自分で監督、主演をした作品では、コスナーは必ず尻を見せる、というジンクス(笑)がありましたが、残念ながらこの作品では彼の尻は拝めません。まあ、見たいとは思いませんでしたが。もしかしたら、身内の誰かに止められたのかも。 さてこの作品、あっちこっちでけなされましたので、ここでは誉めてみようと思って見続けましたが、残念ながら誉めるところが見つかりませんでした。あ、音楽はちょっと悪くないです。 何が良くないか、というと、主人公に魅力がない。この一言で終わってしまいます。強いのか弱いのかわからないし、いい奴なのか悪い奴なのかもわからない。逆に考えて、世の中そんなにはっきりした奴ばっかりじゃないだろ。これが本当の人間の姿だよ。という見方をしようと思っても、これがなかなかむずかしい。 小説の批評でいえば、キャラクターの書き込みがされていない、という感じです。 弱ければ弱いでいいし、ずるい奴ならずるい奴でいい。それを基本の性格としてはっきり表現しておいて、でも弱いけど優しい男なんだぜ、とか、根っからずるい奴じゃぁないんだぜ、とかがわかるような表現をしておいてくれれば、主人公に共感もできるのですが、全体の感じとして、「映画として盛り上がるべきところだけ格好良くなる」という雰囲気が非常に強いです。それも、格好良くなり方のテンポが悪いので、格好良さがひきたたない。 たとえば、銃を撃ちまくっている女を助け出すシーンとか、子供から手紙を受け取るシーンとか。さっと動けばいいものを、かなり躊躇してから行動する。そのせいで、映像としての盛り上がりも悪くなります。 まあ、主人公がそういう性格なんだ、といってしまえばそれまでなんですが、そうじゃないシーンもあって、かなりちぐはぐな感じです。 だいたい、一度行き過ぎて、子供から手紙を受け取るために戻って来るのはいいのですが、そのまま行っちゃったら、今来た方に戻っちゃうでしょうが。 最初は気が小さくてずるがしこい男だったのが、自分がついた嘘のために回りが動き出してしまって、否応なく自分も巻き込まれて行く、という話しは、悪くないと思います。要はそれをどう表現するか、ってことでしょう。 主人公の心の葛藤とか、人間的成長とか、そういった、よくある批評に見受けられる物語性が、この作品にはありません。たぶん、このまま小説にして新人賞に応募しても、第一次選考で落とされるでしょう。 いや、小説にすれば、主人公の内面をきっちり描くことができますから、そういう意味では、映画にするよりも小説にした方が面白い作品なのかもしれません。 そういった意味で、ストーリーは悪くないと思うのですが、ただ、全体を通して、世界がどうなっているのかも曖昧です。世界観が「マッド・マックス」と「北斗のケン」と「ウォーター・ワールド」を足して十で割っちゃったぐらいの感じで、作り手はわかっているのかもしれませんが、見ている方にそれが伝わってきません。 まあ、誉めるとすれば、「いい反面教師になるぞ」ってとこですか(笑) |
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