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[ 映画の感想文のようなモノ ]
映画「エントラップメント」

1999.09.05

 実はわたしは、007のときのショーン・コネリーは、あまり好きではありませんでした。別に、嫌いというわけではなかったのですが、それほど好きではありませんでした。それが好きになったのがいつ頃からなのか、今となってはよく覚えていません。  
 よく「アンタッチャブル」でいい味を出していて、助演男優賞を取ってから、感じが変わったといわれていますから、わたしが彼に対する評価を変え始めたのも、その頃からだったのかもしれません。  
 このコネリーですが、出世作が007シリーズだったせいか、スパイだの泥棒だのといった感じの役が多いようです。そうでなくても、引退したその道の達人であったり、下の者には慕われている偏屈なオヤジだったりと、本人の演技の魅力もあるでしょうが、わりといい役に恵まれているようです。まあ、過去にはそうでもないような役も、あったのでしょうが。  
 さて、「エントラップメント」です。  
 前にも書きましたが、わたしはこの手の映画が大好きでして。正確にいうと、プロフェッショナルたちが集まり、何かの目標に向かって計画を練り、準備をし、実行に移る、という段取りを踏む作品が大好きなんです。最近では「RONIN」という映画がそうでした。本作でも、盗みのための準備期間なんかは、なかなか楽しく見せてもらえます。準備中には「こりゃいったい何の練習だ?」と思えるようなことが、実際の行動が始まった時点で、「あ、なるほど」とわかる。この手の展開が、わたしは好きなんです。  
 で、ふと思ったんですが。たとえばわたしの場合、仕事でプログラムを組んだりしていますので、映画の中でプログラムを組むシーンが出てきたりすると、「おい、そんなことはしねぇだろ」と突っ込みを入れたくなってしまうことがあるんですが、こういう泥棒の映画を本職の泥棒の人(笑)が見たら、どう思うんでしょうねぇ? やっぱり突っ込みいれたくなるのかなぁ(笑) 秘密は厳守いたしますので、ぜひご一報ください。いや、マジで。まあ、泥棒でないわたしが見ても、「おい、それじゃあ鍵は開かないだろ」と突っ込みを入れたくなるシーンなんかもありましたし。  
 さてここから先は例によって例のごとく、ネタバレ注意でお送りしますので、これからこの映画を見ようと思っている方は、すぐさまよそのページに移動してください。  
 まず気になったのは、予告なんかでもかなり見せていた、赤外線探知器をかいくぐるときの動きなんですが。あんな動きをする必要があるのかなぁ、ということ。あんなにエロティックにお尻を突き出したりする必要は、ないんじゃないかなぁ、と。まあ、観客サービスなんでしょうが(笑) 無駄な動きのような気がしてなりません。だいたい、よく覚えていないのですが、床すれすれには赤外線もなかったような気がするので、そのまま床を這って行った方が早いんじゃないか、と。  
 で、その赤外線探知器をかいくぐって行くシーンですが、行きには何分もかかったんですよ。正確なところは覚えてませんが、少なくとも数十秒ってことはない。ところが、どうも帰りは数十秒で戻って来たようで。このあたりは映画にありがちなご都合主義です。まあ、あまり文句はいいませんが。  
 タイトルの「罠にかける」というのが、誰が誰を罠にかけるという意味なのかは、おおかたの予想通り、作り手が観客を罠にかけるという意味を含んでいます。もちろん、作品の中でも、ある人物が罠にかかります。それがいったい誰なのか。それは、映画をちゃんと観ていれば、ある程度予想はつきます。  
 わたしはまんまと騙されちゃったんですけどね(笑)  


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