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[ 映画の感想文のようなモノ ]
映画「ペイバック」
監督:ブライアン・ヘルグランド 主演:メル・ギブソン
小説「悪党パーカー/人狩り」の感想文のようなモノを読む

1999.11.28

 リチャード・スタークの「悪党パーカー/人狩り」の映画化です。  
 「悪党パーカー」の映画化とはいっても、作者のリチャード・スタークが映画会社に売ったのは、ストーリーだけということだったらしく、主人公の名前は「パーカー」ではありません。「ポーター」というんです。まあ、パーカーでもポーターでもペーターでもいいんですが、なんか、わたしの耳には間抜けな脇役の名前のように聞こえちゃって……  
 たしか、劇場公開されて、まだ半年ぐらいしかたっていないはずです。公開当時、観に行こうと思っていたのに、結局観に行かなかったんですが、それはそれで正解だったようです。なんだか、あんまりおもしろくない。  
 この作品、過去にも映画化されているらしいんですが、あいにくわたしは観ていません。したがって、比較はできないんですが……  
 時代設定は、はっきりしていません。たぶん70年代でしょう。「悪党パーカー」の方も、たしかそのぐらいだったはずだし。で、時代設定だけでなく、映画そのものの作り方も、なんとなく古い感じです。何が、といって、それがはっきりしないんですが。作品全体のトーンというか、テンポというか、それが古いアクション映画を思い起こさせるような作りになってます。多分、意図的にやっていることでしょう。  
 主役のメル・ギブソンは、嫌いな役者じゃないんですが、この役は似合わないような気がします。彼には、もう少し笑顔の出てくる役の方が、似合ってるんじゃないかなぁ、と。  
 まあ、聞いたはなしでは、メル・ギブソン自身が、最近そういう、笑顔の出てくるような(というか、ちょっとおちゃらけたような)役が多かったので、意識してこの作品に出た、ということらしいのですが、たぶん、彼自身が明るい性格なのでしょう、途中で、思わず茶目っ気出しちゃったように見えるシーンもあります。その時の彼は、いきいきして見えました。  
 ってことは、それ以外のシーンはいきいきとしては見えない、ってことですね。  
 作品の内容そのものが、妻と相棒に裏切られて、金を奪われ、命も奪われそうになったプロの強盗が、自分の取り分を取り戻すために戻ってくる、というものですから、あんまり明るくなる内容じゃありませんが。声も低く抑えて、いつもしかめっ面をしているメル・ギブソンは、プロで強持てするタフガイ(死語だな、こりゃ)というよりも、冴えない刑事って感じです。まあ、やってることは刑事とは程遠いことばかりですが。  
 そのせいでしょうか、作品全体がけだるくて、観ていてスカッとしません。原作もそうですし、時代設定もそうですから、それはそれでちゃんと作られている、ってことになるのかもしれません。  
 全体のストーリーは、原作とほぼ同じですが、細かい設定にかなり変更が加えられているようです。たしか、ラストも原作とは違っているはずです。  
 たしか、チャイニーズ・マフィアみたいな連中は、原作には出てこなかったと思ったんですが、記憶が定かではありません。ただ、あのチャイニーズ系のSMコールガールの性格設定は、なかなか気に入ってしまいました。残念なのは、その性格が活かせていないというか、出番が中途半端なこと。もっと出番を増やしちゃってもよかったんじゃないかな、と思うんですが、そうすると、作品全体のトーンが変わっちゃうから、ダメなんでしょうね。  
 そういう意味ではこの作品、作品そのものが中途半端な印象です。  
 ってことで、感想文のようなモノも、中途半端で終わります(笑)  


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