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[ 映画の感想文のようなモノ ]
映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」
監督:ダニエル・マイリック 主演:ヘザー・ドナヒュー/ジョシュア・レナード/マイケル・C・ウィリアムズ

1999.12.29

 1994年10月。アメリカのメリーランド州にあるバーキッツヴィルの町で、町に伝わる「ブレア・ウィッチ」と呼ばれる魔女に関するドキュメンタリーを撮影するために、三人の学生がブラック・ヒルズの森に入ったまま、行方不明になった。大掛かりな捜索にもかかわらず、彼らはおろか、彼らの遺留品すら発見されず、翌年6月に捜索は打ち切られた。その年の10月に、行方不明の学生たちが撮影したものと思われる、ビデオテープと十六ミリのフィルムが発見された。この映画は、そのテープとフィルムを編集して作成されたものである。  
 ってな前宣伝を、最初わたしは信じてまして。途中で、そういうコンセプトのもとに作られた作品だ、ってことはわかりましたが、そういう意味では、かなりすごい作品です。  
 なんでも、アメリカでは、ワイドショーやニュース風の宣伝番組まで作って、事前に映画に対する興味を煽ったそうですから。  
 行方不明になった三人に、いったい何が起きたのか。全米を震撼させた恐ろしい映画。  
 なにしろ、映画が終わって、エンドロールの間も、誰ひとりとして席を立たないぐらいですから。場内が明るくなったときのざわめきには、観た者でなければ共感できないものがあります。  
 まだ観ていない方は、今すぐ劇場に行ってください。  
 ってことで、ここから先を読んでいる方は、すでにご覧になった方として、はなしを進めさせていただきます。  
 いやぁ、とにかくすごい映画でした。  
 場内が明るくなった瞬間に、「え? これで終わりなの?」と思ったのは、わたしだけではないはずです。エンドロールの後に絶対に何かあるはずだ、と思ってみんな席を立たなかったのもうなづけます。  
 はっきりいって、わたしは観ているあいだ、恐いと思ったシーンはひとつもありませんでした。子供たちの声が聞こえるシーンでさえ、とりたてて恐怖を感じることはありませんでした。  
 この映画が「全米を震撼させた」んだとしたら、アメリカ人ってのは、よっぽど恐がりなのかノリがいいのか。  
 まあ、感じとしては、シリーズもののプロローグって気がしないでもないんですけどね。次の作品で、謎が明かされるか、さもなきゃもっと謎が深まるか。  
 続編のパターンとしては、いくつか考えられると思います。  
 まず第一に、彼らの撮ったビデオやフィルムが、新たに発見される、というパターン。これによって、今回明かされなかった謎が解明される、と。あるいは、そのアレンジバージョンで、今回諸般の事情で公開しなかった部分を新たに公開する、というパターンでもいいかもしれません。  
 第二のパターンとして、捜索隊が新たな事件に巻き込まれる、というのもありかもしれません。ただ、設定上、この事件は彼らの狂言として扱われ、捜査は打ち切りってことになっているようですから、このパターンはちょっと難しいかもしれません。  
 第三のパターンとしては、アメリカの恐怖映画のシリーズにはよくあるパターンなんですが、恐い者知らずの(というか、単なる馬鹿のような気がしなくもない)別の若者グループが、性懲りもなく森に足を踏み入れて、新たな恐怖に襲われる、と。このパターンが、一番ありがちかな。  
 ただその連中が、この映画を観て興味を持った連中で、遭難しないためのかなりの装備を持って、訓練を積んだプロ並みの連中、ってな設定にしてくれると、おもしろいんだけど。この場合は、第二のパターンとの複合って感じになりますか。  
 まあ、そんな見方でもしないと、やってられない作品ではありますな。  


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