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1998.01.04
映画「メン・イン・ブラック」の台本から作成されたノベライズです。
そのため、小説の方のネタばらしはいつも通りしてますが、それがイコール映画の方のネタばらしにもなってますので、これから映画を見ようと思っている方は、この文章は読まないでください。
さて、台本から作成されたノベライズとはいえ、普通のノベライズは小説家が自分の色を出す努力をするので、エンディングが違うとか、エピソードが違うとか、いくつか違いがあるものなんですが、この作品はもうそのまんま。小説読んで、頭の中に浮かんだイメージがそのまま映画でも展開されます。ラストでKが引退するところまでそのままです。 小説としての特徴を出しているのは、唯一登場人物の心理描写をしているところぐらいでしょうか? 特にバグの心理描写が入っているおかげで、彼が何をしようとしているのかがかなりわかりやすくなっています。
細かい点では、オープニングで虫がぶちあたって潰れるのが、小説と映画で車が違うとか、いくつかあることはあるんですが、まあその程度。
小説の難しいところは、詳細部分の描写をきちんとしなければならない、という点にあります。たとえばエイリアンが人間に変装する場合、どうやってやっているのか、という部分をきちんと描写しなければ読者が納得しない、という点です。あるいは、各種武器がどういう原理になっているのか、とか。
映画ならば、理屈抜きに絵で見せてしまえばいいんですけど、小説ではそうはいきません。このノベライズでは、一応そういう部分を無難にクリアしていますが、物語そのものに絵で見せる部分が多いため、その描写に苦労しているようです。
まあ、無理して読まなくてもいいでしょう。
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