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1999.05.04
劇場版「スター・トレック」シリーズ最新作「叛乱」のノベライズです。
「スター・トレック」シリーズを知らない人のために説明しておきましょう。
まず、1966年にテレビシリーズが始まりました。これは、23世紀を舞台に、カーク艦長率いるエンタープライズ号が宇宙を旅する物語で、3年間続きました。その後、再放送を繰り返すたびに人気がたかまり、やがて1979年に劇場版が作成されました。その後、カーク艦長の物語は、1991年まで劇場版として6本作成されました。
その間に、アメリカでは「新スター・トレック/ネクスト・ジェネレーション」がはじまります。1987年に始まったこのテレビシリーズは、24世紀を舞台に、ピカード艦長率いる新鋭エンタープライズ号(正式には、エンタープライズDというらしい)が活躍する物語で、時代と艦長が変わっただけでなく、当然全メンバーが一新されています。当初異議を唱えていたもともとのファンたちも、やがてこの新シリーズを支持するようになると、少しずつパターンを変えながら、この新シリーズはいまだに続いているようです。
で、1994年に、この「新スター・トレック」シリーズの劇場版が公開されました。この映画では、本来交わることのない新旧ふたつのシリーズの艦長が共演するという無茶を、無茶なりに実現しまして(笑)
そこからは劇場版も「新スター・トレック」をベースにして作成されて、今回で三作目になります。
オリジナル小説もノベライズも、たくさん出ています。
で、この「叛乱」です。
エンタープライズ号の艦長をはじめ、乗組員たちが、ある惑星の住民を守るために、宇宙連邦の(というか上官の)命令に背いて、叛乱を起こす。という内容から、タイトルもつけられているのですが、よく考えてみると、エンタープライズの乗組員は、上の命令には、結構しょっちゅう逆らっているような気がするんですが。艦長が上層部の命令に逆らったり、乗組員が艦長の命令に逆らったり。もっとも、艦長が上層部の命令に逆らうのは、自分の部下やどこかの星の住民を守るため、ということが多いですし、乗組員が艦長に逆らうのは、艦長が危険をかえりみずに何かしようとしているのがわかって、それを止めようとしたりするためなんですが。そういう意味では、一番冷静であるべき艦長が、一番熱血だったりするような気がするんですが。
わたしの気のせいでしょうか?
それはそれとして、この小説です。
「スター・トレック」シリーズのノベライズやオリジナル小説を、すべて読んでいるわけではありませんが、わたしが読んだノベライズは、どれもおおむねできのいい小説のようです。へたなノベライズは、映画のシナリオをただ小説化したような、薄っぺらな感じのものになってしまうのですが、「スター・トレック」シリーズのノベライズは、わたしが読んだ作品に関しては、そんなことはありませんでした。
ただ、レギュラー・キャラクターに関して、基本的には「毎度おなじみの」という意識が強いようで、どんな人物なのかの説明が、ちょっと少ないかな、という気がしないでもありません。
まあ、シリーズ作品を全部読んでいる人にとっては、毎度毎度同じ説明を繰り返されると、わずらわしく感じてしまうこともあるでしょうから、そのあたりは、どちらがいいのかは、一概には決めつけられないところでしょう。
映画が公開されたら、劇場で見るかビデオを待つかはべつにして、必ず見ると思いますので、そのときにはまた「映画の感想文のようなモノ」の方で紹介することでしょう。
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