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[ 小説の感想文のようなモノ ]
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小説「女性署長ハマー」
パトリシア・コーンウェル著(講談社)
全国書店ネットワーク e-hon

2001.12.21

 いやぁ。実はまだ読んでないんですけどね。解説すら読んでない。「じゃあ何の感想文なんだ?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。実は、読んでもいない小説の感想文を書いてみようという、わけのわからないことを考えてしまいまして。もちろん、読み終わった後にまた書きますけどね、たぶん。  
 なんでそんなことをしようと思ったのか、ということはこちらを読んでいただくとして、とりあえずは事前の予想を含む感想文(のようなモノ)です。読んでないんで、ネタばらしの心配はありません。わたしの予想が偶然当たってしまう、という可能性もありますが、まあその心配はないでしょう。  
 さて、ご存知(の方はご存知の)パトリシア・コーンウェルの最新作です。今回はケイ・スカーペッタが主人公の検屍官シリーズではなく、警察署長ジュディ・ハマーが主人公のシリーズの、第三作になります。  
 原題を直訳すると「犬の小島」とでもなるんでしょうか? それが日本語版では何で「女性署長ハマー」ってなタイトルになるのやら。アメリカあたりでこんなタイトルつけたら、場合によっては「女性差別だ」と言われちゃうことだってありそうな気がするんだけど。まあ、翻訳した人だって、きっとちゃんとした理由があってこんなタイトルつけたんだと思いますけどね。そうじゃなかったら、ちょっと安直すぎるぞ、このタイトル。  
 さて、このシリーズは、検屍官シリーズと違ってやたら暗かったり、登場人物たちがみんな疲れきっていたりとかいうことがあまりないので、読むのは楽なはずですが……。ただ、この人どんどん作品が長くなってるような気がして。読むのが大変そうな気がする。いや「審問」よりは、今回の方が短いのかな?  
 作品が長いということは、それだけ重くなるし値段も高くなる。下手をすると内容が冗長で退屈になる可能性もあります。重量の方は、二分冊にすることで回避できますが、そうすると値段は一層高くなる。これで中身が面白くなかったら目も当てられないわけです。この作家に限って、その心配はないと思いますが。  
 帯を見ると、なんとスカーペッタが登場するようで、どういう登場のさせかたをするのかが、読者の楽しみのひとつでしょう。まあ、検屍官として出てくるに決まってるんでしょうけどね。  
 たしか、前作でもチラッと姿を見せていましたが、そのときにはホントに「チラ」という感じでした。今回は帯にでかでかと書いてあるんですから、まさか「チラ」ということはないでしょう。  
 考えてみれば、作品世界の時代が同じで、舞台も同じ場所だったら、異なるシリーズの登場人物がひとつの作品に登場しても良いわけで、実際いろいろな作家が、自分のキャラクターの「華麗なる競演」を楽しんでいたりします。競演のさせ方にもいろいろあって、対立したり協力したり、友情出演風の場合もあります。難しいのは対立させる場合で、どちらに軍配を上げるかは、作者の好みになるでしょうが、それを読者が納得するかどうかも問題になってきます。  
 この作品の場合には、おそらく協力になるのでしょうね。対立するとしても、方法論だとかそういう方向だけで、両主人公の目指しているものは同じ「正義」のはずですから、本格的な対立のしようはないはずです。  
 楽しみなのは、いつも一人称のスカーペッタを、三人称ではどう描写しているか、ということ。検屍官シリーズでは一人称のために、スカーペッタの外見の客観的な描写はありません。常に本人の主観混じりの描写です。それを三人称でどう書くか、ということは、作者がスカーペッタをどう見ているか、読者にどう見てほしいと思っているか、ということになります。  
 あとは、他のメンバーたちも出てくるのか、ということも期待のひとつです。  
 当然、次の検屍官シリーズの新作には、同じ場面を逆から描写したシーンが出てくるはずです。出てこなきゃいけません。どうせやるなら、両方のキャラクターを両方から描かなきゃね。  
 まあ、読んでいないのでストーリーはまったくわかりませんが、あらすじを見る限りでは、メインとなる大きな事件を軸に、警官たちがいくつもの小さな事件に取り組む、という感じの流れでしょう。小さな事件のいくつか、あるいは全部が、メインの事件にも絡んでくるってな感じで。  
 このようにして、本の外側からみえる情報だけでも、このぐらいはでっちあげ……なんとか書けるんですね。あんまり誉められたことじゃないんで、真似はしないように。する人はいないと思うけど(笑)  
 さて、読後の感想はいったいどんなものになるのやら。それ以前に、いつ書くのやら。  


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