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[ エッセイのようなモノ ]
天皇陛下の零零七

2002.08.07

 詳細はよくわからないのだが、なんでもアメリカのどこやらに「スパイ博物館」のようなものができたとか。スパイの歴史だの、スパイグッズだのが展示されていたり、元スパイという人の講演があったりするのだそうだ。一度行ってみたいと思うのはわたしだけではないはず。ただ残念ながら、スパイ手帳だのスパイ・パックだのは置いてないようである。って、若い読者には通じないか(笑)  
 まあ、サンスターの製品は置いてないにしても、似たようなものはあるようで、簡易暗号メモ用カードなんぞは、本物のスパイも使っていたらしい。もちろん、本物のスパイが使ったのが先で、スパイ手帳はそれを真似しただけのはず。もし逆だったら笑っちゃうんだけどね。本物のスパイが背広の内ポケットからサンスターのスパイ手帳取り出して暗号解読したり、溶ける紙にメモ残したりしてたら……たんなるコメディー映画だな(笑)  
 映画で思い出したのが、あの有名な靴のかかとが無線機になっているもの。あれって実際にスパイが使ってたのね。わたしはてっきりギャグや映画の世界の産物だと思ってたんだが、その実機が展示されているのがテレビに映っていて、わたしは思わず爆笑してしまった。  
 今では携帯電話がかなり普及していて、スパイの人もスパイでない人も、ほとんどの人が携帯電話を持っている。そんな中で連絡取るのにいきなり靴脱いで話しを始めたら、誰がどう見てもスパイでないことがわかってしまうだろう(笑)  
 だから今では、当たり前の携帯電話の形をしたスパイ用の通信機なんぞか、きっとあるはずだ。普通に携帯電話で話しをしているような顔をして、国家機密を垂れ流しているスパイが、街中にうようよいるに違いない。  
 スパイなんてのはスパイらしくないのが良いらしいから、意外に携帯電話を豹柄にして、ストラップを三十個ぐらいジャラジャラさせて、ミニスカートなのに電車の中で座席の上にあぐらかいて、鏡覗き込んでまつげ気にしながら「ばかじゃ〜ん」とか言っている、女子高生風のおねえちゃんが、実はスパイだったりするかもしれない。まあ、実際にはそんなわたしの期待を裏切って、そんなおねえちゃんは見た目通りにそんなおねえちゃんなだけだろうと思うのだが。  
 なにしろ素人の手によるインターネット上のデータ漏洩だのハッキングだのも問題になっている昨今だ。プロのスパイも仕事がやりにくいだろうと思う。まるでテレビのバラエティ番組なみに、スパイの世界も質が落ちているのではないかと、他人事ながら心配になってしまう。  
 しかし今の時代、マジな話しスパイってのは仕事がしやすいのだろうか、しにくいのだろうか。あいにくスパイを生業にしている人に知り合いがいないので、そのあたりのことを確認することができない。いや、案外わたしが知らないだけで、友達だの親兄弟だのが実はスパイだったりするのかもしれないのだが、冷たい連中ばかりで、誰も正体を明かしてくれない。もしこれを読んでいるスパイの方がいらっしゃいましたら、是非ご一報いただいて、今の仕事の状況を教えていただきたい。もちろん、ちゃんと匿名にしますってば。  
 なにしろADSLで常時接続の時代である。いや、常時接続でなくても、ウィルスの奴がハードディスク内のファイルを勝手によそに送ってしまう、なんてぇ時代だ。スパイはなんにもしなくても良くなってるんじゃないだろうか。  
 そうそう、以前NTTにお伺いを立てたら「お宅はADSLはできないよ」といわれたのだが、ヤフーに聞いたら「だいじょぶだよぉん」と言われたので、今では我が家もADSLになって快適なネットワーク生活を営んでいるので念のため。  
 ウィルスがわたしのパソコンからデータを撒き散らすという点でも、うちのパソコンには一応アンチウィルスソフトが常駐しているので、その心配はないはずだ、たぶん。  
 しかし考えてみれば、映画の世界でも、007の活躍が減って、代わりに子供がスパイとして活躍しちゃう時代である。盗聴だの盗撮だのの道具が、秋葉原に行けば子供の小遣いでも買えちゃう時代である。  
 スパイのみなさんは、いったいどこでどうやって活躍すれば良いのだろうか。  
 こうなってくると、一億総スパイ時代といっても良いかもしれない。いや、一億なんてもんじゃないだろう、今の日本の人口は。世界中のみんながみんなスパイとして活躍できちゃう時代が来たのである。  
 もはや、個人のパソコンの中も安全とはいえない時代がやってきてしまったのかもしれない。  
 さてやっと先週の続きである。と思ったらまた枚数が尽きてしまった。またまた続く。  



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