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映画「13階段」 監督:長澤雅彦 主演:反町隆史/山崎務 |
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2003.03.03
この作品、以前に原作の感想文のようなモノを書いていまして、かなり誉めてます。読みようによってはあまり誉めているようには読めないかもしれませんが、わたしとしては誉めてます(笑) 小説としてはかなりできの良い作品でした。 ですから実は今回、この映画を観るのはどうしようか、かなり迷ったことは事実です。なにしろ、日本映画界というところは、原作よりも面白い映画を作ってはいけない、という規約でもあるんじゃないか、と思うぐらい、原作付きの映画のできは悪いことが多いので。 もちろん、そうでない作品もきっとたくさんあると思います。逆に、原作よりもずっとおもしろい映画だって、あるはずです。たぶんわたしが知らないだけ。でもわたしの中では、原作付きの日本映画に傑作なし、というのがセオリーになってしまっているんです。 だから、この映画は観るのよそうかと思ってたんですが、結局観てしまいました。 結果としては、正直いって「予想してたよりも良くできてるじゃん」という感じでしょうか。かなり原作に忠実な作り方です。 生憎今手元に原作がないので、細かい比較はできないのですが、覚えているかぎりでは、ほぼ原作の通りに話しが進んでいます。おぼろげな記憶からいくと、結末がちょいと違っているような気がしますが。 もちろん、原作に忠実に映画化することが、必ずしも正しい結果を生むとは限りません。小説としては効果的な表現も、映像にしてしまうとそうではなかったり、逆に小説では今一つピンとこなかったことが、映像にしてくれたおかげではっきりと理解できたり。小説には小説の、映画には映画の良さがありますから、映画化する際にそれを意識して、原作とは違う表現や展開にするのは正しいことだと思います。問題は、それが成功するかどうか、ということ。 わたしの感覚としては、この作品の中で一番原作と違うのは、主人公の雰囲気でした。 わたしが原作を読んだ時に主人公に対して持ったイメージは、本来は明るい性格なのに、心に傷を持ってしまったがために寡黙になってしまった、という感じでした。いや、映画の中でもそんな感じは出てましたが。何が違うんだろう。 たぶん、顔でしょう(笑) わたしが持っていたイメージは、あんまり二枚目系じゃなかったんです(笑) 反町隆史を悪くいうつもりはまったくありませんが、雰囲気違うだろう、というのがわたしの感想です。 もちろんこれは、わたし個人の感想で、人によっては原作のイメージにぴったり、と思う方もいらっしゃるかもしれません。このあたりが、小説と映画の違いでしょう。小説の場合は、いくら作家が筆を振るっても、基本的に映像は読者が自分の頭の中に、勝手に構築してしまいますから、人それぞれ作り出したイメージが違ってしまいます。 で、反町隆史が全然良くなかったのか、というと、そうではありません。たぶん彼は彼なりの解釈で主人公を演じていて、それはそれである程度納得のいくものでした。逆にいえば、わたしのように変に原作に対して勝手なイメージを持っていたりしなければ、十分納得のいく演技だった、ということかもしれません。 物語の展開は、なにしろ原作が原作で、それに忠実に作ってますから、かなり淡々と進みます。下手すると途中で退屈してしまう可能性もあるほどです。ストーリーとしての盛り上がりはありますが、映像としての盛り上がりには欠ける筋書きですから、それはしかたのないことかもしれません。 途中何箇所か、映画だけでは理解しにくい展開もありました。 たとえば、冤罪の死刑囚が、なぜあのときあそこで事故を起こしていたのか。いつ、どうして階段を見たのか。といったことに関する説明がありませんでしでした。というか、あったのかもしれませんが、気がつきませんでした(笑) 今回劇場で観ていておもしろかったことがひとつ。 映画を観ていたら、劇場内でいきなり携帯電話がなるんですね。「バカ野郎、携帯の電源は切っておけよ」と思った直後に、映画の中の登場人物が携帯電話を取り上げまして。そう、映画の中で鳴っただけだったんです。 わたしが入った劇場はドルビーシステムを採用していたんですが、すごいもんです。って問題じゃぁないか(笑) 劇場で見逃した方は、ビデオが出たら、あるいはテレビ放映のときは是非観てください。娯楽作品としてはお薦めしませんが、観ておいて損はないと思います。まあ、原作と映画とどっちを取る、と聞かれたら、わたしは「原作」と答えちゃいますが。 |
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