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2003.11.24
さて、マトリックス三部作の完結編です。しかし、どうして映画や小説は「三部作」ってのが好きなんでしょうねぇ？ もうじき公開される「ロード・オブ・ザ・リング」も三部作ですし。もちろん、三部作ではない作品だってたくさんあると思うんですが、三部作が多いという気がするのは、わたしの気のせいでしょうか？
それはそれとして、本作「マトリックス・レボリューションズ」です。英語に弱いわたしにはよくわからないのですが、「レボリューション」って確か「革命・変革」という意味だと思うのですが、その複数形ということは、どういうことになるんでしょう。まあ、そんなことわからなくても、映画は充分楽しめますが。
難しいのはこの映画、完全に前作の続きになっているということです。つまり、前作を観ていない人には、何がなんだかさっぱりわからない、と。それどころか、前作を観ていても、わからないことが多い、と（笑）
はっきり言って、この作品を観る前には、前作、少なくとも「リローデッド」は観ておくことをおすすめします。そうしないと、しょっぱなから、何が起きているのかさっぱりわかりませんから。最低でも、「リローデッド」のラスト三十分ぐらいは、再確認しておくのは必須でしょう。冒頭に「前回までのあらすじ」を入れてくれてもいいんじゃないか、と思ったのですが、熱心なファンにとっては逆にジャマになるでしょうから、難しいとろこかもしれません。
で、前作では、「無駄に長いシーンが多い」と、かなり文句をいいましたが、今回はそういった文句はありません。無駄に長いと思えるシーンは、なかったようです。どちらかというと、全体的に説明不足のような気がしたぐらいで（笑）
ただ、ストーリーの展開上、ザイオンのシーンが全体の半分近くをとっていて、一作目のような、マトリックス界のシーンがあまりないのが、残念といえば残念です。やはりこの映画の面白さは、常識を覆す動きを表現しているところにあると思うのですが、いかがなもんでしょう。
あと、不満といえば、笑えるシーンがなかった、というところでしょうか。たしかに、笑いを求める映画ではないのですが、全体的に緊迫し続けていますので、どこかに気を抜けるシーンがあった方が、逆に緊迫感も強調されたのではないか、と思います。特に戦闘シーンの前などは、緊張をほぐすために軽いギャグを誰かが言うとか、そういった気を抜くシーンを入れないと、全体の緊迫感が高すぎて、メリハリがなくなってしまいます。
もっともこの作品は、三部作の完結編という立場上、ほとんど全編クライマックスという感じですから、そういう意味では全体的に緊迫し続けていても、しかたないのかもしれません。
少なくとも、面白くない、ということはありませんが、この一本だけを見て「面白かった！」といえる状態にはなっていないと思います。前作の「リローデッド」とあわせて一作、という感じでしょうか。
あと気になったのは、終わり方。
このエンディングは、これでいいのか、という気がしないでもありません。これで終わったことになるのか、という疑問が残ってしまいます。まあ、このお話しの場合、最初の設定の時点で、きれいな決着のつけようがない、といえばなかったんでしょうが。
心情的には、一作目でやめておいた方がよかったような気がします。もし続編を作るのなら、ネオやモーフィアスとはまったく関係のない人物を主人公にして、またマトリックス界をメインにして話しを進める、と。で、最後の最後にネオだのモーフィアスだのが出てくる、という終わらせ方にした方が、面白かったのではないか、という気がしないでもありません。
ラストの雨の中での戦いも、かなりすごいのですが、映画館で、近くにいた親子連れの父親が「ほとんどドラゴン・ボールだな」と言っていたのが、印象に残ってしまう戦いでした。確かに、髪の色が変わったり、全身が光り輝いたりしないのが、不思議なぐらいです。
個人的な好みでは、セラフの立居振舞いが格好良かったなぁ、と。
まあ、映像は確かにすごいです。って、なんだか最近そんなことばかり書いているような気もしますが（笑） 映像のすごさと音響のすごさを体感したい人は、ぜひ劇場で観るべきだと思いますが、最近はＤＶＤを使ったホーム・シアターなんてぇ手もありますから、それを使って、一作目から一気に観た方が、楽しめるかもしれません。問題は、そんなことをすると、精神的にかなり体力を消耗する作品だ、ということでしょうか。
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