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[ 小説の感想文のようなモノ ]
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小説「スター・ウォーズ/ファントム・メナス」
テリー・ブルックス著(ソニー・マガジンズ)
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映画「スター・ウォーズ/エピソード1/ファントム・メナス」の感想のようなモノを読む

1999.05.30

 「スター・ウォーズ」シリーズにも、「スター・トレック」シリーズのように、映画のノベライズやオリジナル小説が数多く出ています。これは、そんな中のひとつ。「スター・ウォーズ」最新作のノベライズです。  
 過去三作のノベライズも、かつて読んだことがあるのですが、なかなかどうして、あなどれない内容だったような記憶があります。  
 特に一作目(エピソード4)のノベライズには、映画では編集でカットされてしまった、といわれているビッグスとウェッジのエピソードがちゃんと入っていて、ラストの盛り上げに役立っていました。  
 それと、一作目のノベライズが見つからなくて確認できないのですが、たしか小説では、ルークがポッドレースのようなことをやっていたような記憶があります。ひょっとしたら、  
似たような別のことだったかもしれませんが。で、それも映画ではカットされてしまいました。  
 ジョージ・ルーカス監督は、それがよっぽど悔しかったのでしょうか。今回は、ポッドレースのシーンがふんだんに使われています。おはなし全体の約四分の一をしめるぐらいありますから、まさか映画でカットされてしまうことはないでしょう。  
 おはなしとしては、全体的に一作目と三作目を混ぜたような感じになっています。主な登場人物たちの出会いと、冒険のはじまりが一作目のパターン。地上での戦いと、宇宙でのバトルが、三作目のパターン。良くも悪くも、スター・ウォーズ色がたっぷり出ています。二、三個所で同時に進行するストーリーを、少しずつ細切れに見せるやり方は、特に二作目以降では顕著に出ていて、ぼんやり見ていると「あれ? ここはどこだ?」とか、「なんでこいつらはここにいるんだ?」と思ってしまう場合もあります。この新作でも、あっちこっちでおはなしが進みますので、映画を見るときは、本腰を入れないといけないかもしれません。  
 今回の新作は「エピソード1」ということもあり、このあと続きを二つ作ることが前提になっているせいか、いろいろな部分が「つづく」の感じになってしまっているようです。  
 アナキンはまだ、悪のかけらも見せていないし。オビ=ワンには、威厳のかけらもないし。C−3POは完成してないし(笑)  
 まあ、アナキンに関していえば、悪のかけらは見せていませんが、どことなく「おお、ルークの父親っぽいかもしれない」と思わせる、血のつながりのような性格、ちょっと短気っぽいところを垣間見せてくれてはいます。  
 気になったのは、全体を通して、いったい誰が主人公なのか、ちょっとわかりにくい点でしょうか。  
 一応アナキンが主役なんでしょうが、主役っぽさに欠けるというか、あんまり魅力がないというか。他の登場人物も、小説としてはあまり魅力的に感じません。クワイ=ゴン・ジンは、役柄的にはかつてのオビ=ワンの立場なのでしょうが、あれほどの貫禄はありませんし、若きオビ=ワンに、ハン・ソロのような無鉄砲さがあるわけでもありません。女王様の魅力も、小説では出しきれていないような感じです。悪役も、ダース・ベイダーに貫禄がありすぎたようで、今回の悪役が小物に感じられてしまいます。変わらないのはR2−D2ぐらいでしょうか。  
 あ、ジャー・ジャー・ビンクスってぇキャラクターが、けっこういい味出してるかもしれません。  
 まあ、なんといっても、これはもともと映画でみるべきおはなしですから、このノベライズで新作映画を判断することはできませんが、とりあえず、先にストーリーを頭に入れておけば、劇場に行ったときに、画面の隅にまで注意が行き届くって利点がありますから、それでよしとしましょうか。  


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