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[ エッセイのようなモノ ]
ブンカなハンセイ

1999.11.03

 なんでも、文化の日なのだそうである。そこでやっぱり気になるのが「文化ってなに?」ってことである。辞書によれば……いや、今回はそんなことはしませんってば(笑) 色々な説明が載っていて、その揚げ足とるだけで三回分ぐらいのネタが稼げそうな気もするんだけどね。  
 まあ平たくいうと、人間が作り上げてきた色々なもののうち、精神生活にかかわるようなことを文化と呼ぶ、と考えていいような感じではある。文化と文明がどう違うか、なんてことも一応辞書には載っているが、今回は無視する。ちなみに、文化は千八百年代の初頭、文明は千四百年代の中頃なんてぇ歴史ネタボケではないので、念のため。  
 で、文化の日なわけだが。それにちなんでかどうか、この時期には「文化祭」なんてものが開催されることが多い。特に学生さんなんかは、この時期、とるものもとりあえずまずは文化祭、ってな方も多いと思う。  
 わたしも昔そういう時期があった。あったんだってば。わたしだって、生まれたときからオヤジだったわけじゃないんだから。  
 で、高校の時の文化祭で何をやったか、というと、これが8mmで映画を作ったりしていたわけだ。念のためにいっておくが、8mmビデオではない。そのころはそんなものはなかった。8mmのフィルムを使ったわけである。ちょいと前にそんなタイトルの映画が公開されて、早くもビデオになっているが、その映画に出てきたような内容の作品を作ったわけでもない。まあ、その作品がどんな内容だったかは、ここではどうでもいい。  
 で、その「映画を作る」ってなことは、サークル活動でもなんでもなかったので、それとは別に、正式な部活動として吹奏楽をやっていた関係で、文化祭ともなれば、こっちの方も忙しかったわけである。もちろん、クラスで参加、なんてこともやっていたわけだから、今考えてみると、準備期間はかなり忙しかったはずである。はずではあるのだが、じゃあ実際に何をしていたのか、と思い出そうとすると、ほとんど何も思い出せない。それは別に、わたしが歳を取ってボケたから、とか、そういう理由じゃあないと思う。思いたい。思わせておいてくれ。  
 ただ、少なくともわたしの性格上、というか、好みの点で、文化祭当日よりは、準備期間の方が面白かったに違いない、ということは想像できる。って、自分の過去を想像するってのも、間抜けな話なんだが。何にしても、当日よりもその前日まで。下手をすると当日の朝方まで、なんてぇ準備期間が、一番楽しかったような気がする。  
 まあ、映画にしろ吹奏楽にしろ、今現在そういう関係の仕事についていないのをみれば、その手の才能もなければ、足りない才能を補う努力もしなかった、ということははっきりしているのだが。他にも、小説もどきのものを書いていたり、マンガのようなものを描いていた時期もあって、こうして考えて見るとわたしのこれまでの人生は、基本的に「文科系」の人生だったわけだ。まあ、正確に言えば「オタク系」の人生だったとも言えるのだが。少なくとも「理科系」ではないし「体育会系」には足を踏み入れたこともない。  
 そういえば、「体育会系の人間はチームワークを重んじる」なんてぇことを言われることがあるようだが、わたしは「吹奏楽系」のチームワークの方が、実は上だと思っている。なにしろ、スポーツの場合、たとえチームプレーでも、ひとりの花形選手がいれば勝てることもあるだろうが、吹奏楽や交響楽の場合、花形演者がひとりいても、音楽のバランスは崩れちゃうんだから。これこそホントにチームワークが必要とされるんですよ。  
 って、もちろんこれはわたしの一方的な立場に立った見解だから、異論反論は山ほどあるでしょうが。  



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