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[ エッセイのようなモノ ]
いやぁ映画って本当に……

2006.03.26

 映画といえば映画音楽。異議は認めない。  
 まあ、異議のある人も、良い映画には良い音楽がつきものだ、という点に関しては、文句ないでしょ。古いものだと、例を挙げたらキリがないので省略するが、最近の作品だって、有名な映画には印象的な曲がついている。まあ、最近の有名どころでは、「ハリー・ポッター」シリーズなんぞ、映画と曲が完全にマッチしていて、切っても切れない関係にある。  
 もっとも、良い映画と良い音楽が必ずセットになっているかというと、実際にはそうともいえないこともある。  
 たとえば「ローマの休日」という映画。オードリー・ヘプバーンとグレゴリー・ペック主演の、非常に有名な映画である。では、この映画の音楽はどんなんだった? と聞かれて、すぐに思い浮かぶだろうか? 思い浮かぶ人は、よほどの映画好きか、「ローマの休日」の大ファンだろう。わたしもたしかに「ローマの休日」は好きで、何度も観た記憶があるのだが、悲しいことに、すぐに音楽が浮かんでは来ない。  
 逆に「パルプ・フィクション」のテーマの場合、ほとんど曲だけが独走しているといってもいい。まあ、映画も有名ではあるけれど、結構カルトな部類に入る作品だから、曲は知っているけど映画は観たことない、という人の方が多いのではないだろうか? と、それ以前に「パルプ・フィクション」のテーマがどんな曲だかわからないか(笑) 普通、インターネットのサイトの場合、ここでリンクを貼って「これですがな」と聞かせることができるのだが、うちのサイトはそんな親切なサイトではない。気になる人は、自分で調べていただきたい。  
 古い映画になると、映画も音楽も有名なのだが、その両方がマッチしなくなってしまう場合もある。特に最近は、CMなんぞで古い映画の音楽を使ったりするので、知らない人はその音楽をCMの曲だと思っていたりする場合もある。  
 わたしの好きな映画に、スティーブ・マックイーン主演の「大脱走」という映画がある。この映画の音楽も、かなり有名だ。ところが、最近はビールのCMに使われてしまって、この曲を聴くとビールが飲みたくなる、という人が増えたとか増えないとか。例によって、どんな曲かは自分で調べていただきたい。他にも、同じくマックイーンの「荒野の七人」(主演はユル・ブリンナーだろ、という突っ込みは無視)のテーマも、マルボロというタバコのCMの方が有名になってしまった。不思議なことに「荒野の七人」のもとになった映画「七人の侍」のテーマは、わたしが知っている限り、CMに使われたことはない。かなり印象的な曲なんですけどねぇ。  
 しかし最近は、映画音楽といっても、その映画とあまり関係ないような歌がくっついていることが多くて、しかも、本編中にはまったく使われずに、エンドロールで流れるだけだったりする。そういうのは、映画音楽とはいわなくてもいいんだろうな。  
 場合によっちゃぁ、洋画のエンドロールに日本の歌手の歌が流れたりして。これはもう、映画音楽ともテーマソングともいわずに、イメージソングといっていただきたい。まあ、子供向けの洋画で、歌詞を日本語に翻訳したやつが流れる分には構わないんだけどね。  
 イメージソングで思い出すのが「風の谷のナウシカ」のイメージソング。いやぁ、今ではほとんど封印ものなんじゃないだろうか。ジブリのショップで売ってたりするのか?  
 本編の中で使われるとしても、なんだかストーリーには全然関係のない、イメージシーンみたいなもののバックで流れているだけ、という歌も多くて。しかもそういうのに限って、フルコーラス流したりするんだよな。どう見ても、その歌を流すためだけのシーンとしか思えないし、どう考えてもレコード会社(最近はCD会社っていうのか?)とのタイアップで突っ込んでるだけとしか思えない。そのシーンをばっさり落としちゃっても、何の影響もないようなシーンが延々と続くと、映画館で観てても早送りしたくなる。  
 しかも、そういうシーンに限って、テレビで放映するときにもそのまま全部流すんだよな。なにしろ、バックに曲が流れてるから、細切れにするわけにはいかなくて、そのまま残すか全部切り捨てるか、どちらかしか選択肢がない。で、おそらくスポンサーの意向(威光か?)だったり、タイアップの関係だったりして、まるまる残ってる。他のシーンを細切れにしても、そこはまるまる残ってる。  
 そんな事情で、劇場で映画を見るのもテレビ放映で観るのもいやになって、結局DVDを借りに行くことになる。でも、返しに行くのが面倒なので、結局借りない。なので、映画を観なくなる。  
 なんとかならないもんだろうか?  



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