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| - | MediaWikiが正常にインストールされました。
| + | <small>小説の書き方ではありません。あくまでも小説［のようなモノ］の書き方です。</small> |
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| - | 使い方・設定に関しては[http://meta.wikimedia.org/wiki/ヘルプ:目次 ユーザーズガイド]を参照してください。
| + | <big>'''小説'''</big><small>のようなモノ</small><big>'''の書き方'''</big>[改定第二版]へようこそ。 |
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| - | ==まずはいきなり書いてみる==
| + | 今のところ、初版からの変更はレイアウトだけですが、今後内容の追加・変更もあるかもしれません。ない可能性の方が高いですが。 |
| - | さて、いきなりですが、何か書いてしまいましょう。
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| - | 本来、書き始める前にやるべきことはたくさんあるはずですが、そんなこと気にしない気にしない。書きたい時に書く。今書きたい、と思っているなら、今書く。何を書けばいいんだろうなんて、考えてちゃいけません。とりあえず、「何か書きたい。書いてみたい」という気持ちを大切にしましょう。
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| - | 細かいことはその後です。
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| - | ちゃんとした小説にしろ、小説のようなモノにしろ、最も大切なことは「書く」ということなんです。書き始めなきゃ、なんにも始まりません。
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| - | だから、まず書き始めてしまいましょう。
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| - | 何を書いていいかわからない？ 大丈夫、それもなんとかしちゃいますから。
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| - | ただし、結果については責任を負いかねますが（笑）
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| - | ===どこから書き始めるか=== | + | ==[[はじめに]]== |
| - | 机に向かい、眉間にしわを寄せ、腕組みをして真っ白い原稿用紙を睨みつける。やがておもむろにペンを取り、何文字か書いては原稿用紙を丸めて捨てる。机の横のごみ箱は書き損じた原稿用紙で溢れ、入りきらない紙屑にごみ箱自体が埋もれている。廃棄された苦労の産物は、ごみ箱のまわりだけでなく、部屋中に散乱して産みの苦しみを象徴している。
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| - | これが、小説を書く、という事に対する、昔からのイメージでした。
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| - | もちろんこれは日本のイメージで、海外、特にアメリカやイギリスでのイメージでは、原稿用紙とペンの代わりに、タイプライターが使用されます。
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| - | いまでもこれを頑なに守り続けている人もいることでしょう。それほど、小説を書き始める、という作業は大変なものなのだそうです。
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| - | 基本的に、最初の数枚で読者の心を捕らえなければいけない。
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| - | 印象的な書き出しで、その作品のできの半分が決まってしまう、と考えている人もいるようです。確かに有名な作品の中には、そういう作品がたくさんあります。
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| - | それぐらい、小説の書き出しは重要なのでしょう。
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| - | しかし、このホームページは、「小説の書き方」のページではありません。あくまでも「のようなモノの書き方」のページです。なにも、苦しい思いをしてまで、たかが「のようなモノ」を作り出さなくたっていいじゃありませんか。どうせ、ちゃんとした小説にはなりきれない（いや、もしかしたら世紀の大傑作が生まれるかもしれませんが、それはあくまで結果論。目標はどこまでいってもお気楽な世界です）、単なる趣味の世界の産物を作り出そうっていうんですから。本格的な小説の書き方に囚われるのはやめましょう。
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| - | しかも、このホームページのタイトルには、「ワープロを使った」という文句も付いていますから、原稿用紙とペンも出てきません。タイプライターも出てきません。
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| - | ワープロもタイプライターも似たようなものじゃないか、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
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| - | ワープロには、タイプライターには絶対にできない、すごい機能がついています。
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| - | それが、削除と挿入。
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| - | 気に入らない部分を後で削除することも、新しいアイデアを後から挿入することもできるのです。
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| - | この二つの点、「お気楽に」と「ワープロで」を踏まえて、小説のようなモノを書く場合、こりゃもうどこから書き始めるかは、一目瞭然。
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| - | 好きなところから書き始めちゃってください。
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| - | 主人公が危機に陥るクライマックスから書こうが、すべての事件が解決したエンディングから書こうが自由です。もちろん、最初のシーンが頭に浮かんでいるのなら、先頭から書き始めてください。
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| - | 推理小説を書こう、なんて思っている場合、いきなり探偵が謎を解くシーンから始めちゃうって手もあります。
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| - | もちろん、その時には、小説の全体なんて決まってる必要はありません。そんなものは、あとからどうにでもなります。ちゃんとストーリーを組み立てて、なんて考えちゃいけません。そんなことをしている間に、せっかく思い付いたすばらしいシーンが、どこかに消えてしまう可能性だってあるんですから。
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| - | 書きたい所から書き始める。頭の中にあるシーンから書き始める。
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| - | これが「小説のようなモノ」を書く時の、一番正しい方法です。
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| - | 場合によっては、ちゃんと小説のように書けることもあるでしょう。場合によっては、イメージだけがあって、小説風に書くことができない場合もあるでしょう。
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| - | 頭の中に、映像が出来上がっている場合は、それを片っ端から文字にしてください。
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| - | この時点では、まだ小説の体裁を整えていなくてもかまいません。もちろん、いかにも小説風になっていれば文句なしですが、それを気にするあまり、大事なひらめきが逃げてしまっては意味がありません。
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| - | たとえば、映画やドラマの予告のように、断片だけを書いていってもかまいません。
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| - | どしゃ降りの雨に打たれ、新宿の雑踏の中、人をかき分けて走る主人公。
| + | ==[[まずはいきなり書いてみる]]== |
| - | 恐怖に引きつるヒロイン。高笑いする悪役。
| + | #[[まずはいきなり書いてみる#どこから書き始めるか|どこから書き始めるか]] |
| | + | #[[まずはいきなり書いてみる#どう書き進めるか|どう書き進めるか]] |
| | + | #[[まずはいきなり書いてみる#書くことがない場合|書くことがない場合]] |
| | + | #[[まずはいきなり書いてみる#書くことがない場合（その２）|書くことがない場合（その２）]] |
| | + | #[[まずはいきなり書いてみる#いつ書くか|いつ書くか]] |
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| - | そういうイメージが頭の中にあったら、それを文章にしちゃいましょう。
| + | ==[[見た目を小説っぽくする]]== |
| - | 最初は、今書いたようなイメージだけでいいんです。まずはとにかく何か書き始める。修正は、あとからいくらでもできます。そのためのワープロなんですから。
| + | #[[見た目を小説っぽくする#原稿用紙が基本です|原稿用紙が基本です]] |
| - | 文章にしたものを後から読み返すと、そこからまたイメージがわいてくる場合もあります。走る主人公の服装やら、高笑いする悪役の顔やら。
| + | #[[見た目を小説っぽくする#縦書きを意識して|縦書きを意識して]] |
| - | これが、頭の中にしっかりできている場合は、いきなり小説風に書き始めることも可能ですが、気をつけないと、イメージが消えてしまいます。
| + | #[[見た目を小説っぽくする#箇条書きなんか使わない|箇条書きなんか使わない]] |
| - | 絵を書くようなつもりで。
| + | #[[見た目を小説っぽくする#改行のしかた|改行のしかた]] |
| - | いきなり細かい部分をかかないで、まずは輪郭だけ。そこから、少しずつ細かくして行きましょう。
| + | ==[[文章を小説っぽくする]]== |
| - | とにかくまずは、頭の中にあるイメージを、キーボードに向かって吐き出してください。
| + | #[[文章を小説っぽくする#とりあえず言葉の選び方|とりあえず言葉の選び方]] |
| - | ただし、書いた内容は、できるだけ保存してください。
| + | #[[文章を小説っぽくする#人称（誰の目を通して書くか）|人称（誰の目を通して書くか）]] |
| - | どんなに断片的な内容でも、残しておいて損はありません。印刷までする必要はありません。フロッピーディスクにでも、ハードディスクにでも、保存用のメモリにでも、残しておいて、後でまた引っ張り出せるようにしておきましょう。
| + | #[[文章を小説っぽくする#視点（誰の立場で考えるか）|視点（誰の立場で考えるか）]] |
| - | で、後でまた引っ張り出して、走る主人公の服装を細かく書いてみたり、余計な部分を削ってみたり。
| + | #[[文章を小説っぽくする#小説っぽい文体|小説っぽい文体]] |
| - | | + | #[[文章を小説っぽくする#読みやすい文章を書く|読みやすい文章を書く]] |
| - | ===どう書き進めるか===
| + | #[[文章を小説っぽくする#一人称の落とし穴|一人称の落とし穴]] |
| - | さて、ここでいきなり、「小説のようなモノの書き方」ではなく、映画やドラマの作り方の説明をします。
| + | ==[[内容を小説っぽくする]]== |
| - | ご存知の方もいらっしゃると思いますが、映画やドラマは、上映／放送される順番に撮影されるわけではありません。バラバラに撮影したシーンを、最後に編集して一本の作品に仕上げるのです。撮影する順番がバラバラになる理由は、いろいろあります。
| + | #[[内容を小説っぽくする#ネタの集めかた|ネタの集めかた]] |
| - | オープニングとエンディングで同じセットを使う場合、二回セットを組むのが大変だから。
| + | #[[内容を小説っぽくする#登場人物の作り方（その１）|登場人物の作り方（その１）]] |
| - | キャストやスタッフのスケジュールの関係で、ある人が関係する場面だけまとめて撮らなければならないから。
| + | #[[内容を小説っぽくする#登場人物の作り方（その２）|登場人物の作り方（その２）]] |
| - | 一度撮影したシーンに、撮り直しの必要が発生したから。
| + | #[[内容を小説っぽくする#お話しのようなモノの作り方|お話しのようなモノの作り方]] |
| - | 他にもいろいろあるでしょう。
| + | #[[内容を小説っぽくする#平成無責任男|平成無責任男]] |
| - | また映画やドラマは、バラバラに撮影するだけでなく、同じシーンを何度も撮影します。その中から、一番できのいいものを使うのです。
| + | #[[内容を小説っぽくする#予告は大切に|予告は大切に]] |
| - | そのうえ、せっかく撮影したシーンを使わない場合だってあります。
| + | #[[内容を小説っぽくする#全部吐き出すな|全部吐き出すな]] |
| - | ワープロを使った小説のようなモノの書き方も、基本はこれと同じです。
| + | #[[内容を小説っぽくする#会話を楽しむ|会話を楽しむ]] |
| - | 一番はじめに、エンディングを思い付いて、それを書いたとしましょう。
| + | #[[内容を小説っぽくする#起承転結|起承転結]] |
| - | その後、そのエンディングにふさわしいオープニングを思い付いたとしましょう。そうしたら、そのオープニングを書いちゃいましょう。もちろん、途中がごっそり抜けていてかまいません。
| + | ==[[書くための練習のようなモノ]]== |
| - | 思い付いたところから、じゃんじゃん書き進めていきましょう。
| + | #[[書くための練習のようなモノ#道具は使いこなしてこそ役に立つ|道具は使いこなしてこそ役に立つ]] |
| - | メモや覚え書きのつもりで、でもできるだけ小説風に書いてください。
| + | #[[書くための練習のようなモノ#敵を知り己を知れば百戦危うからず（らしい）|敵を知り己を知れば百戦危うからず（らしい）]] |
| - | 基本は、書き易いところから書く。
| + | #[[書くための練習のようなモノ#人間の観察|人間の観察]] |
| - | オープニングとエンディングが、繋がっている必要すらありません。ひとつの作品を書いているときに、ふと他の作品のアイデアが浮かぶ場合だってあります。そういうときには、それをワープロに打ち込んでしまいましょう。
| + | #[[書くための練習のようなモノ#ひとりディベート|ひとりディベート]] |
| - | ただし、今ワープロに打ち込んでいるものを途中で投げ出すのは、あまりお勧めできません。後から出てきたものの方がすばらしいアイデアのような気がするかもしれませんが、なにごとも浮気は禁物。二兎を追うもの一兎も得ず、なんて格言をひっぱりだすまでもなく、そんなことしたら両方ともどこかに行ってしまいます。後から浮かんできたアイデアは、とりあえずどこかにメモだけして、脇に置いておきましょう。それでどこかに行ってしまうようなアイデアなら、最初っからその程度のものだったんだと、素直にあきらめましょう。
| + | #[[書くための練習のようなモノ#風景描写|風景描写]] |
| - | | + | #[[書くための練習のようなモノ#読みにくい文章を書く|読みにくい文章を書く]] |
| - | 一度書いたものを後から読んだときに、なんとなく気に入らない場合もあるでしょう。
| + | #[[書くための練習のようなモノ#本を読むのが苦手な人へ|本を読むのが苦手な人へ]] |
| - | そういう場合、前に書いたものを書き直したとしても、以前のものは必ず残すようにしてください。同じシーンを、何度でも納得いくまで書き直して、一番よかったものを採用すればいいんです。
| + | #[[書くための練習のようなモノ#書くのが苦手な人|書くのが苦手な人]] |
| - | 場合によっては、最初に書いたものと最終的に採用したものが、まったく違うものになっている場合もあります。そういう場合、最初に書いたものは別の小説（のようなモノ）に使える可能性だってあるんですから。
| + | #[[書くための練習のようなモノ#三題話し|三題話し]] |
| - | 保存する場合は、できるだけ映画やドラマの撮影をしたようなつもりで、それぞれ別の文書として保存してください。
| + | #[[書くための練習のようなモノ#あらすじを書こう|あらすじを書こう]] |
| - | 同じ作品のオープニングとエンディングのつもりでも、途中を書いている間に、どう変わってくるかわかりませんから。
| + | ==[[推敲]]== |
| - | そうやって書き溜めた小説（のようなモノ）の断片をかき集めれば、すばらしい作品ができるかもしれません。
| + | #[[推敲#何をすればいいのか|何をすればいいのか]] |
| - | | + | #[[推敲#いつ、どうやるか|いつ、どうやるか]] |
| - | ===書くことがない場合=== | + | #[[推敲#文体の統一|文体の統一]] |
| - | 書きたいこともないのに小説を書く、というのは、実は非常に無茶なことなんです。まっとうな小説の書き方の本なんぞを見ると、「テーマがどうのこうの」とか「モチーフがなんたらかんたら」とか「その作品で言いたいことは」とか、堅苦しいことが大抵書いてあります。でもそこはそれ、何度も言うようですが、ここは「小説のようなモノの書き方」のホームページですから、なんとかしちゃいましょう。
| + | #[[推敲#誤字|誤字]] |
| - | まず、一つの方法として、朝起きてからのことを書く、というのがあります。
| + | #[[推敲#同じ語句の使用|同じ語句の使用]] |
| - | なんだよ、日記かよ。なんて思わないように。
| + | ==[[名前をつける]]== |
| - | その日の朝のことである必要はないんです。何か思い出に残っている朝のことでも、明日の朝の予定でも、自分が理想とする朝のありかたでもいいんです。つまり、現実の朝のことである必要すらない、ということです。
| + | #[[名前をつける#作品の名前|作品の名前]] |
| - | この場合はもちろん主人公は自分ですが、ありのままの自分を書く必要もありません。日記を書くわけじゃないんですから、理想の自分を書いてください。いや、もちろん、自分が主人公である必要もありません。好きにやってください。
| + | #[[名前をつける#登場人物の名前|登場人物の名前]] |
| - | 気を付けてほしいのは、あくまでも「小説っぽくする」ということを忘れてはいけない、ということ。
| + | ==[[有名な作品のパクり方]]== |
| - | | + | #[[有名な作品のパクり方#まずは分析|まずは分析]] |
| - | 九時に目が覚める。
| + | #[[有名な作品のパクり方#骨組みをそのまま使う|骨組みをそのまま使う]] |
| - | トーストとコーヒーで朝食をとる。
| + | #[[有名な作品のパクり方#入れ替える|入れ替える]] |
| - | | + | #[[有名な作品のパクり方#一部分を強調する|一部分を強調する]] |
| - | なんてぇ書き方ではいけません。
| + | #[[有名な作品のパクり方#疑問を抱いてみる|疑問を抱いてみる]] |
| - | <A HREF="howto.cgi?TYPE=Y&NO=02-000">「見た目を小説っぽくする」</A>や<A HREF="howto.cgi?TYPE=Y&NO=04-000">「内容を小説っぽくする」</A>の項を良く読んで、いかにも小説に見えるように心がけてください。
| + | #[[有名な作品のパクり方#前日談・後日談|前日談・後日談]] |
| - | ただし、あまりムキにならずに。肩の力を抜いて。誰に採点されるわけでもないんですから。
| + | #[[有名な作品のパクり方#他の話しを混ぜてみる|他の話しを混ぜてみる]] |
| - | うまく「小説っぽく」書けない、という場合は、とりあえず情景描写からしてみましょう。
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| - | 目が覚めた時に見えるものを、順番に書いていけばいいのです。こんな風に。
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| - | 目を開いても、あたりは闇の中に包まれていた。暗闇ではない。真っ白な闇だった。
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| - | 軽く頭を振ると、覆い被さっていたシーツが落ちて、やっと部屋の中が見えるようになった。
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| - | もちろん、こういう書き出しでなくてもかまいません。ちゃんと、いつものように目覚めて、いつも見えるものが見えたことにしたければ、それを描写してみてください。
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| - | ここでも、「どこから書くか」で説明したように、はじめから順番に書く必要はありません。
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| - | もう完全に間に合わないとわかっていても、わたしは鞄を抱えて部屋を飛び出した。
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| - | と、まず書いて、その前に、
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| - | 時計を見るとすでに九時を過ぎていた。
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| - | と書き足すような方法でもかまいません。
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| - | さて、時計を見たのは、目が覚めた直後か、それとも目覚めてから何かをした後なのか。それによって状況が変わります。
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| - | 時計を見てから部屋を飛び出すまでに、何かしていたことにしたい場合は、時計を見た一行と、部屋を飛び出した一行の間に、その間の出来事を追加して行きます。
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| - | 時計を見て、あわてて部屋を飛び出したことにしたい場合には、時計を見た一行の前に、それまで何をしていたのかを書けばいいのです。
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| - | 最後の一行を、
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| - | もう完全に間に合わないとわかって、わたしはのんびりコーヒーを飲みはじめた。
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| - | と変えれば、内容はまた変わってくるでしょう。
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| - | この調子で、朝起きてから家を出るまでの間を小説っぽく描写したら、あとは、その前後にいろいろな描写を付け加えていけば、小説のようになってきます。
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| - | ===書くことがない場合（その２）=== | + | |
| - | <A HREF="./howto.cgi?TYPE=Y&NO=01-003">「書くことがない場合」</A>では、とりあえず朝起きてからのことを書けばいい、といいましたが、「それじゃあ小説っぽくない。もっと小説っぽいものを書きたい」という方もいらっしゃるでしょう。そこで、書くことがなくても、より小説っぽいものが書ける方法をお教えしましょう。
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| - | 恐い話しを書くんです。つまり、怪談。ホラーじゃなくて、あくまでも怪談です。
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| - | 誰でもひとつやふたつは、恐いはなしを知っているでしょう。夏の夜に、百物語ってほどではないにしろ、恐い話しを友達とした経験はあるのではないでしょうか。自分がはなしたことがなくてなくても、人から聞いたこともあるでしょう。それを、人に直接はなすのではなく、文章にしてしまえばいいのです。
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| - | こいつの利点は、まずおはなしは最後までできている、ということ。おはなしはすでにできていますから、どんなおはなしにしようか考える必要がありません。考えなければいけないのは、書き出しや展開、終わり方ぐらいでしょう。あとは、文体をどうするか。
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| - | そのあたりのことに関しては、悩む必要はありません。もともと人に話す怪談を文章にするだけですから、そのまま書けばいいんです。たとえば、こんな感じで。
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| - | そのころわたしは、大学に入学したばかりでした。
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| - | （中略）
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| - | その後、彼がどうなったのか、わたしは恐ろしくて、彼に連絡を取っていません。
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| - | もちろん、セリフはセリフとして表現してください。色々な描写だって、きちんとやってみましょう。このあたりは、凝ったことをやろうとすればいくらでも凝ることができますが、最初はあまり力まないで、とりあえず小説っぽければよしとしましょう。後から修正はいくらでもできますから。
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| - | 次の利点は、それほど長くはない、ということ。これは大きいです。
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| - | どこかのホラー大賞に応募しよう、というのなら別ですが、怪談は基本的に短いほうがおもしろいようです。多くて原稿用紙二十枚、少なければ十枚以下にまとまるのではないでしょうか。
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| - | なんにしても、ド素人がとりあえず書く小説のようなモノとしては、あまり長いものはおすすめできません。なんせ、途中で飽きちゃう可能性がありますから。場合によっては、二十枚のお話しだって、結構書くのは大変なんです。
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| - | だから最初は、少し短いかな、と思う程度の長さでもかまいません。後から少しずつ描写を加えていったり、修正していけばいいんですから。で、この修正する、という作業には、当然「読み返す」という作業が入るわけですが、一度自分が書いた作品を読み返すときに、やたら長いとこれがなかなか大変なんです。ところが、十枚から二十枚ぐらいならば、それほど辛くはなくなります。
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| - | いくつも書き溜めて、冒頭にプロローグのようなものをつけて、百物語かなんかをやっているようにしてみるのも手です。そういうやり方をしている作家の方も大勢いるようですし。
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| - | ってことで、とりあえず書いてみる作品としては、怪談は結構おすすめです。もちろん、書いた作品が面白くなるかどうかの責任は持てません。だいたい、恐いはなしを文章にして、読み手を怖がらせるっていうのは、かなり難しいことですから。
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| - | 書いているときには恐く感じたのに、読み返してみたらあまり恐くない、ということも多いと思います。そんなときでも、せっかく書いたものは捨ててはいけません。それを<A HREF="../story/story.cgi?TYPE=Y&NO=01">第一稿</A>として、順に修正版を作っていけばいいんです。とか言ってて、<A HREF="../story/story.cgi?TYPE=Y&NO=02">改定版</A>を全然書かない奴もいますが（笑）
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| - | ただ、怪談を書く、という作業にも欠点はあります。
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| - | まず、恐いおはなしが苦手な人には不向きだということ。
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| - | それほど苦手ではなくても、夜に書くことが多い人には、ちょっと辛い場合があります。
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| - | そして、多分大丈夫だとは思うのですが、下手をすると呪われてしまうかもしれない、ということ（笑）
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| - | 念のために、お祓いをしておくことをおすすめします。
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| - | 1998.11.12
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